2022年11月度-月間ノミネート

夜ドラ「作りたい女と食べたい女」 NHK 得票数:83
FIFAワールドカップカタール2022 各局 得票数:82
水曜ドラマ「ファーストペンギン!」 日本テレビ 得票数:49
木曜ドラマ「ザ・トラベルナース」 テレビ朝日 得票数:49

 
 
夜ドラ「作りたい女と食べたい女」 NHK

  • 残業から帰って遅い晩御飯を食べ、ちょっと一休みしてから15分間のこのドラマを観るのが癒しでした。性別役割分業だったり性的指向だったり、社会(社会って何でしょうね?)に求められる<こうあるべき>という姿に対して声高でなく疑問を投げかける二人の姿が素敵でした。春日さん役の西野さんの存在があったのもこのドラマをさらに魅力的にしていたと思います。
  • BLドラマ花盛りな昨今ですが、女性同士の友情以上の気持ちを暖かく描いていて人間には色んな可能性があることを再考できた作品です。原作は心の拠り所とする女性が多数いる作品なのでイメージを大切に映像化している点も評価したいです。
  • 主人公が感じている現代社会の生きづらさや、日々の違和感が淡々と描かれていく中で、ふとした出会いから救われたり、自分らしさを取り戻していく様子に心がじんわりと温まる作品。人は一人一人みんな違う生き物で、必ずしも同じ価値観の中に生きているわけではないけれど、パズルのピースがハマるように凸と凹で価値観を共有し、お互いを認め合って許し合える、そんな人を生涯の中で見つけたいと改めて思える素敵なドラマ。
  • 料理を通してお互いを知っていく過程が素敵だなと思った。材料から完成まで楽しく料理をする主人公がとても魅力的。お互いを思い遣り性別の問題も伝えながら15分とは思えない満足感と多幸感がいっぱいの余韻が残るドラマ。

FIFAワールドカップカタール2022 各局

  • 劇的な展開に感動しました。自分の生活リズム的に放送を見るのが厳しい日もありましたが、生放送してもらえたので、その日その時をリアルタイムで見られたのは嬉しかった。その他、かなり個人的な感想としてはあるテレビ局の番組スポンサーの広告に興味があり、それを見たいがために頑張った日もありました。
  • ネット配信という新しい形態が出来たが、テレビで観戦できるのはやはりありがたい。プロフェッショナルな選手達の試合に感動するし、世界の技術の高さ、素晴らしさも目の当たりにできた。しかし、放映権の費用問題でスポーツ番組での解説に見られないシーン、一度しか放送出来ないシーンがあることに世知辛さを感じてしまった。スポーツはビジネスだと言うのはわかるが少し興ざめしてしまう。
  • 勝てば官軍ではないけれど、まさかの勝利で大注目となったワールドカップ。テレビ局では日本戦ばかりの放送であったけど、そうじゃない試合も面白かった。Abema TVの本田さんの解説がおもしろくそちらをついつい見てしまった。いろんな世代が交代していてどんどん世界で活躍している選手が代表となっている。スポーツを始めるキッカケとして、放送は地上波でもしっかりやってほしいと思った。
  • 全試合独占していた配信メディアABEMAの存在感とニュースで放送できる映像使用権も買えなかったテレ東。素晴らしい試合を一度も目にする事ができない国さえもあることに、改めて法外な放映権について考えさせられた。
  • 日本戦では、引きこもりがちな息子もリビングに出てきました。久々に家族全員揃わせてくれた最高の祭典の放送、ありがとうございます。ABEMAの本田さんの解説も話題でしたが、やはりタイムラグのないクリアな映像の地上波、最高でした。

水曜ドラマ「ファーストペンギン!」 日本テレビ

  • 漁業に革命をおこしたシングルマザーのお話。途中途中で人の悪意がしんどすぎてみるのがつらくなったりもしましたが最後まで見続けました。古いしきたりやお偉いさんとの関係などで雁字搦めになり未来が先細っている業界を救ってくれたのは素晴らしかったです。結局権力者の顔を立てて和佳が漁港を去るという落とし前。なんともやりきれない思いになりました。
  • 漁業関係はあまりドラマにならない世界なので興味を持って見たのですが、どこも基本的には変わらないんだなと思いました。その中で、時に啖呵を切り、周りの意識を少しでも前向きにさせていく主人公がカッコよかったです。最後は少し駆け足な気もしたけれど面白かった。
  • 主人公が賢くハートもあって、困難を切り抜けていく姿に心を動かされました。脚本も俳優の皆さんの演技も素晴らしかったです。
  • 女性が活躍するドラマの放送枠である日テレ系水10。その中でも上層部(漁業組合)や農林水産省が絡んでいて、現実味が感じられた。最終回では時代を2022年にすることで、マスクのカットが入っていてよかった。

木曜ドラマ「ザ・トラベルナース」 テレビ朝日

  • まずなんと言っても中井貴一さんの存在が圧巻でした。実力をつけている岡田将生君ですが中井さんの前では美しさも手伝ってまだ初々しい新人に見えるほどでした。トラベルナースという形態はアメリカでは25年も前から存在していたとか。ナイチンゲールの話が何度も出てきました。日本は戦後平和が続いてきましたが、アメリカや海外は戦争の連続であり傷ついた兵士達を緊急ケアする為にもトラベルナースも必要な存在なのでしょう。アメリカでは許される医療行為が日本ではできない、という医療界の問題もいずれ変えなければいけないのだろうと感じました。
  • 中井貴一さんが、軽妙ながら奥深さを感じさせる素晴らしい演技で、ドクターXにかわる定番に育つかどうか、見させるストーリー展開だけに今後も注目している
  • 中井貴一さんと岡田将生さんのコンビがとても素敵でした。年齢や性別、立場を超えたそれぞれの考え方や人との関わり、そして何より命について丁寧に描かれた作品だったと思います。数ある病院系のドラマのなかでも、少し切り口の違ったヒューマンドラマで素敵でした。
  • 儲け優先の病院で、フリーランスの看護師2人がドタバタと活躍し、本当に大切なものは何かを周囲に気付かせていくというストーリー。医者が主人公のドラマは病気や医療行為を中心とした展開になりがちだが、このドラマは患者と看護師の関係を描くヒューマンドラマの色合いが強い。医者と患者の間に立ち、患者に最も身近な立場でケアをする看護師の存在を、時折出てくるナイチンゲールと照らしながら良く描けている。

他に推薦された番組

土曜ドラマ「一橋桐子の犯罪日記」 NHK

  • 身につまされる内容ながらコメディタッチで描かれていて楽しめました。この題材でコメディではなくシリアスに描くとどうなるか? 現実的な問題として制作してもおもしろいかと思いました。
  • 年をとったら何を楽しみに生きていけば良いんだろう、長生きする意味はあるのか等希望を持てないでいた心に響いたドラマでした。何も取り柄がないような老婆が突飛な考えをしたことから始まる周囲との交流から素敵な老後になるまでを描いていて気持ちが明るくなりました。

日曜ドラマ「霊媒探偵・城塚翡翠」 日本テレビ

  • 1話から見続けていたもののなんとなく物足りなさを感じていたのですが5話にして今までの物語が全て繋がり伏線が回収されていったのは見事でした!私もすっかり騙されていました。ミステリーの醍醐味をこのような連ドラで味わえると思っていなかったので良い意味で裏切られました!
  • 霊媒師をかたる主人公が霊媒を使って事件を解決する、そんなファンタジーな物語が続くのかと思いきや…最終話でそれまでのストーリーが伏線まみれだったことが分かります。SNSやこのドラマを取り上げた記事では主人公に対する印象など様々な評価があったのですが、この最終話でそれらを見事に覆す、ワクワクするような展開でした。

日曜ドラマ「Invert 城塚翡翠 倒叙集」 日本テレビ

  • ここからは反転。まるで古畑任三郎のように先に犯人がわかるスタイル。久しぶりに見るこのスタイ(倒叙)が懐かしいような、新しいような。

土曜ナイトドラマ「ジャパニーズスタイル」 テレビ朝日

  • 一発撮りの緊張感が落ち着いてきて、グルーブが出てきた感じがします。キャストの皆さん全員凄いと思いますが、特に仲野太賀さんのお芝居に惚れ惚れしています。

ドラマ25「真相は耳の中」 テレビ東京

  • 30分間にミステリーの面白さがギュッと詰まってる、おもちゃ箱のようなドラマです。ミステリードラマのテンプレを用いながらもどこかでひとひねりが必ずあって、筒井あやめさん扮する芽依の「推理」を推理するのが毎回楽しいです。俳優さんも、キャラが立ってる役にみなさんピッタリです。特に中村ゆりさん扮する鑑識係と、森永悠希さん扮するお金持ちの刑事がとても面白いです。

ドラマストリーム「階段下のゴッホ」 TBS

  • ゴッホの書簡をベースにした鏑木都(SUMIRE)の語り口が、ストーリーの海を漕ぎ続けるようで心地よい。美大受験に向けて見えないゴールへの途中に佇む不安やゆらぎを高尾ハナ(石川瑠華)はじめ階段下メンバーがよく表していた。

木ドラ24「自転車屋さんの高橋くん」 テレビ東京

  • このドラマの大きな見どころは岐阜の大垣という町で美しく撮影されその空気感を物語の重要な要素としていることだと思います。ヤンキーあがりで方言丸出しの遼平役に鈴木伸之さんが見事にハマっており、また内田理央さん演じるパン子は等身大の悩みを抱え二人は恋に落ちる前から抜群の相性の良さを見せています。次回が待ち遠しくなるテレ東深夜らしい良作に2022年の最後に出会えました。
  • 優しい気持ちになれるドラマです。2人の行動にもどかしく思ったり、応援したくなったり、毎週楽しみにしています。ぱんこちゃんの自己犠牲で生きてきた人生と、優しいけれど不器用なしょうへいくんの人生。ぶつかり合うこともあるけれど、このまま離れる選択ではなく、お互いの良いところが上手く混ざり合い、支え合えるような関係になっていったらいいなぁと思います。

PICU 小児集中治療室 フジテレビ

  • 圭吾くんの心臓の手術の成否が焦点になる中、トンネル崩落事故で次々に搬送される子供たち。たらい回しになりそうな患者を受け入れたり、丘珠のPICU医長を固辞して新しいPICUの設立を目指したりと、最終回はとにかく野間口さん演じる渡辺医師がかっこいい回だった。イッセー尾形さん演じる山田医師との交流で生きる力と医師の情熱を取り戻す回も、名台詞とボロ泣きの応酬でドラマ史に残る名シーンとなった。ともすれば医学的な説明や病院あるあるに終始しがちな医療ドラマをこれだけ人間にじっくり向き合い、静かにすくい上げてみせたドラマは後にも先にも出てこない気がする。
  • 大竹しのぶさんの演技に釘付け。ほぼすっぴんでしょうか?がん患者さんのだるそうな感じや痛みに耐える感じ、全てが生々しくリアル。そして、その演技を静かに受け止める吉沢亮さんの演技もまた。素晴らしい脚本、演出と相まって胸に迫ってきます。

シンドラ「束の間の一花」 日本テレビ

  • 主役とヒロインの二人に余命があるという設定や、「哲学」が物語の主軸となって話が進んでいくところに新鮮さを感じた。脚本や演出が各回すばらしかったが、特に照明の使い方が普段のドラマではあまり見ない形でとても好印象だった。他のドラマでも同じような光で見たい。

火曜ドラマ「君の花になる」 TBS

  • 面白いドラマというだけでなく、作中のグループが実際にデビューして活動するという新たな試みが見事に成功している。期間限定グループとは思えない楽曲・振り付けの良さ、衣装・MVのクオリティ、スキルの高さ、メンバーそれぞれが応援したくなる魅力に溢れていて、作品の説得力を確固たるものにしている。プロデューサー、スタッフ、メンバー7人、もはや奇跡のメンツが揃ったといっても過言ではないと思います。これから最終局面を迎えるドラマもますます続きが気になります。

夜ドラ「つまらない住宅地のすべての家」 NHK

  • 他人同士感が強かった最初のごみ捨てのシーンとラストのごみ捨てシーンが、同じ住民とは思えませんでした。見張りをきっかけにご近所付き合いが出来るようになったし、相乗効果で各家庭の問題も解決してきたし、見ているこちらも幸せな気分に変わりました。

金曜ドラマ「クロサギ」 TBS

  • 詐欺師が主人公のドラマです。オレオレ詐欺、振り込め詐欺などが蔓延している現在、警察などの「防止広報」よりも、現実味があり有効かも知れません。そのからくりを知れば恐ろしさも増します。同時に、注目するのは、検事志望の法学部学生・黒島結菜の存在。「法は、誰のためにあるのか? 誰を守るのか?」という彼女の問いこそが、このドラマの核心なのではないだろうか。

プラチナイト 木曜ドラマ「Sister」 日本テレビ

  • 姉妹の歪んだ関係をこれでもかと炙り出す演出に感服する。また、姉・沙帆(瀧本美織)による妹・凪沙(山本舞香)への執拗な攻撃が半端でなくキャラクターの輪郭がハッキリとしていてよい。

日曜劇場「アトムの童(こ)」 TBS

  • ゲームの進化は作り手の創意による物だが、このドラマはそこに日本人の職人気質=お金ではなく使う人の笑顔の為にとことん良い物を創るというのが根底に流れていたのが嬉しかった。手塚治虫ファンとしては嬉しいアトムの童という題名は、後半になって日本人の大和魂を象徴としたかったのだと納得でき更に嬉しかった。勧善懲悪のような横暴な企業家に見ぐるみ剥がされても騙されても仲間と力を合わせて正々堂々と立ち上がる精神が清々しかった前半。そして後半に、なんと初めてドラマに国境なきグローバル大資本家が登場してきて驚いた。第二の手強い敵の出現!金に物を言わせ前半の日本人大企業の筆頭株主になり会社を乗っ取ろうとし、しかも容易く政府をも囲い込む欧米式横暴ぶり。ドラマの最後は当然上手く日本の小さな町工場が勝利を得たけれど、実際に弱体化した日本は外資系企業に多くの土地も企業も乗っ取られているのである。このドラマのような粘り強い信念のある若者達を日本は育成しないと簡単に日本全体が乗っ取られると危機感を持たせてくれたがどのくらいの人が危機感を感じただろうか。

ドラマチューズ!「完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの」 テレビ東京

  • 演出のテンポが良く、脚本も時代を良く切り取っていて笑って見ながら考えさせられるところもあり、エンタメのお手本のようなドラマ。特に毎週変わるエンディングはポップで楽しく、ドラマを良く表現していた。

バリューの真実 連続ドラマ「たいせつを探して」 NHK

  • Eテレらしく高校生が学ぶべきテーマを交えながらも、ドラマとして内容のあるものとなっていたのが良かった。10分×4回でどのような展開を作り出せるか、今から楽しみな作品。

ドラマシャワー「永遠の昨日」 TVK

  • BLものとなるとただでさえ拒否感を持つ人もいる中で、そこにゾンビめいた展開が絡んでくるとなると強烈なキワモノ感があっても不思議はないところだが、このリリカルな世界は何だろう? ホモかヘテロか、生きているのか死んでいるのかなんて全く関係のない永遠の愛の物語になっているところがすごい。まさに小林啓一(監督・脚本)ワールドだと思う。
  • 事故で急死した人間が、死んでいながら淡々と生き続ける、という奇想譚のひねり込みに。しかしそんな荒唐無稽をただの思い付き的な地平に留まらせず、異変事象を深化させることで、主人公青年たちの愛情心象をより納得あるものとして語り上げることに成功している。極めて繊細さの要求される役柄を真摯に演じている、井上想良、小宮璃央の姿も目に残る。

ドラマプレミア23「警視庁考察一課」 テレビ東京

  • ユニークなドラマ。刑事ドラマでお馴染みのキャストをこんなに揃えられただけでも一見の価値はあると思う。
  • 第一話を観たときは「なんだこれは?」という不思議な感覚で、続けて観てるうちにハマりました。いわゆる2時間ドラマで大活躍だった大物俳優の方々が、実に楽しそうに演じておられるのがとても良いです。ミステリーの部分は「正直これはどうなんだろ?」と思う回もありましたが、回を重ねるにつれて徐々に面白くなってきました。論理のみで事件を解決していく過程も面白いです。

土ドラ「最高のオバハン 中島ハルコ」 フジテレビ

  • 名古屋(愛知県)が全面舞台のドラマは珍しく、観てると愛知の勉強にもなります。大地真央さん扮する主人公の性格が際立っていて、身近にこんな人がいたら絶対イヤだけど(笑)、あそこまでのびのびと堂々と出来たら良いなと憧れも感じます。そこがこの主人公の魅力であり、毎週観たくなる要素の一つです。

100カメ「メタバース」 NHK

  • なんとなく知っていたけれど実際に活用している人たちのリアルを見てデジタルの世界はここまで来ているのかと驚いた。「肉体はひとつ、人生はふたつ」とイキイキしている姿が印象的だった。

100カメ「青森ねぶた祭」 NHK

  • 人間と人間のぶつかり合い。熱いお祭り人が織り成すねぶたを100台のカメラで撮影したのは、まさに最高傑作。もともとクオリティの高い番組であったが、ねぶた祭りの回は特に高かった。祭りという他アングル必須な条件に合致していた。

Dearにっぽん「鈴くんが教えてくれたこと~大阪・小児病棟の“こどもたち”~」 NHK

  • 小児病棟というコミュニティの存在は、かすかに知られているがそれなりのリアリティを持って描かれることは多くはない。病気を受け入れることを教えてくれると同時に、これも多様性の一つなのではと考えさせる

ETV特集「ブラッドが見つめた戦争 あるウクライナ市民兵の8年」 NHK

  • 映像作家を目指した若者が、2014年のマイダン革命で祖国を護ることに目覚め、市民兵として戦いに加わる。戦闘の中でもカメラを離さず、ずっと彼が撮してきた映像を、オルタスジャパンの記者がSNS上で見つけ番組化する、という経緯には、現今のメディア事情を考えさせられた。常に冷静であろうと努めていたブラッドが、ブチャの虐殺現場に遭遇したとき「ロシア兵は皆殺す!」と叫んでしまう姿には、言葉を失った。希有で貴重な映像素材。

NNNドキュメント’22「大きくなった赤ちゃん~ゆりかご15年~」 日本テレビ

  • 一時ニュースで賑わったゆりかごポストを現在も続けてもらっていたのだと知ることができた。様々な事情でそこに置かれて行く事実は今も絶えることはないようだが、里親に愛情深く育ててもらっても心に一点埋まらないピースを抱えて20才まで生きている素顔を見せてもらえた。卒業という節目に実親の事が明かされるという。今回の賢く誠実に生きてきた若者は親の事情が荒んだものでなかったのは見る者にとっても救われたが、中にはそうでない子もいるだろうと思うと辛い。が、世の中の全ての人に一人一人人生の大波小波・嵐があるのだから、ゆりかごに預けられたという一つのピースは大きいと思うが、そこに囚われて腐る事なく前を向いて明るく生きてほしいと願った。
  • 熊本の病院に赤ちゃんポストが開設されてから15年経ち、開設当日に預けられた3歳の赤ちゃんが高校を卒業し大学生に。里親さんの愛情を受けて成長した彼が大学の入学式に出掛ける日の朝とても清々しい表情で桜を見上げていた。開設当時、色々と物議を醸していた赤ちゃんポストだが、こうして救われる命がある事が答えなのだと思った。現在ではもう少し進んで、妊婦さんが内密に出産出来る制度も併用されている。産まれて直ぐに殺され遺棄する事件を防ぎたいと語る病院関係者の努力と優しさには、頭の下がる思いがした。

ETV特集「落葉帰根 中国残留孤児 かなわぬ願い」 NHK

  • 新橋駅での街頭インタビューで、若者たちが「中国残留孤児」のことを「聞いたことない」「知らない」と語るのに驚いてしまい、「風化」の怖さ、無常さを思う。しかしこの問題が全く終わっていないことが明瞭に示され、苦難の中に未だある人たちがずっと長く申請し続けているにも関わらず、2012年以降、新たな残留孤児認定が全く行なわれず、日本政府が彼らを冷酷非情な事務的対応で追い返しているという現実を粘っこく掘下げる。労作。

世界ラリー日本大会「ラリージャパン2022」 テレビ朝日

  • 日本では今ひとつ人気のないWRCであるが、よくぞ中継したと思う。かつて鈴鹿や富士スピードウェイでのF1グランプリに胸を熱くした我輩としては、こうした取り組みを高く評価したい。ついでに今年春の映画にもなったがドリフト大会なども、ぜひ中継してほしいものである。

NHKスペシャル 混迷の世紀「第4回 フードショック~揺らぐ『食』の秩序~」 NHK

  • ロシアによるウクライナ侵攻、その長引く戦闘が、想像以上に世界全体の食糧事情に大きな危機をもたらしているという事実に改めて気付かされ、その中でも、取分け日本が極めて深刻な逼迫事情に陥らんとしている、という冷厳な指摘に脅える…。しかしこの国の政府は、この恐ろしい現実に向き合わず、きちんと脅えることさえせず、ただ茫として眺めているだけのようにしか見えない。そのことにまた脅えてしまう。
  • 内容は本当にショックだった。昨今の食料品の値上がりはウクライナ戦争や円安が要因かと思いきや、以前から食料安全保障が脅かされていたとは。「食糧危機」がここ日本にでも現実味を帯びて来ていることを私たちはもっと知らなければならない。飽食の時代は終わったのだと。

NHKスペシャル 超・進化論(1)「植物からのメッセージ~地球を彩る驚異の世界~」 NHK

  • 科学の進歩はついに植物たちがコミュニケーションをとっていることを証明した。栽培している野菜に音楽を聞かせているのは正しかったのだ。私も毎朝の水やりの時に話しかけてみよう。
  • 学んできた価値観が一気に崩される様な衝撃的な内容だった。美しいクリアな映像はアートの様に楽しめるクオリティ。植物の進化と同じく研究者も進化し続けている事がまた素晴らしい。

不夜城はなぜ回る TBS

  • テレビの歴史を更新する新たな名物ディレクターの誕生。東野とカズレーザーのタッグも新鮮で教養もつく新感覚ルポタージュ。
  • 素朴な疑問から生まれたこの番組。自分で取材して自分で作っていく形はテレ朝のナスDを彷彿させる。最近、制作者が表に出てくる番組がふえてきたが、どの番組も何を作りたいかがハッキリしていて面白い。テレビの作りがYouTuber化してきたのかなとも感じる。

NHKスペシャル「OSO(オソ)18~ある“怪物ヒグマ”の記録~」 NHK

  • 自然界を人間が変えていった為に本来草食果実食だった熊を肉食に覚醒させてしまったとは。ここまで来たらもう戻ることは出来ないのだろう。

アナザーストーリーズ 運命の分岐点「熱気が生んだ真夜中の解放区~オールナイトニッポン伝説」 NHK

  • 高校生の頃から聞いていたオールナイトニッポンの歴史を振り返り、当時の貴重な音源にテンションが上がりまくった。その時代のその時間、聴いている若者をひとつに繋いできたその存在に特別なものを改めて感じた。

ドキュメント72時間 同時ドキュメント「群馬・ブラジル大統領選挙」 NHK

  • 群馬にはブラジル村がある。このことを知ることから始まり、この日のブラジル大統領選挙が、居住区の群馬からも投票できることに驚くとともに、そのお祭り的な盛り上がりが、日本の選挙との差異を痛切に感じさせられ、羨ましいような思いを持って見ていた。政治が直接自分たちの生活を左右することを切実に認識して投票所に向かうブラジルの人たち。誇らしい笑顔を眩しく感じた。ブラジル市と群馬にカメラを据え、2拠点の温度差が窺えたのも興味深かった。

ドキュメント72時間「福井 “ねこ寺”に招かれて」 NHK

  • 現代の「生きづらさ」を、猫を鏡に可視化できていた。この番組のフォーマットならではの「テレビ社会学」的分析になっている。

映像の世紀バタフライエフェクト「世界を変えた“愚か者”フラーとジョブス」 NHK

  • 晩年のスティーブ・ジョブズがスタンフォード大の卒業式でスピーチした際に発した「Stay hungry,Stay foolish」は有名だが、この言葉は彼のオリジナルではないということをこの番組を通じて知った。この言葉は「Whole Earth Catalog」という書籍の裏表紙に書かれており、この書籍が生まれる元となったのが、フラーの思想だった。フラーは建築家としての側面もあるが、「宇宙船地球号」の概念を提唱するなど幅広く、彼の思想は当時のヒッピー文化にも強い影響を与えた。そしてそのヒッピー文化の真っただ中にいたのがスティーブ・ジョブズであり、番組は、両者が常識や一般的に価値観に囚われないモノの考え方を重要視したという共通項を見出していく。NHKでなければ作ることのできない番組であり、多くの人に見ていただきたい。

平野レミの早わざレシピ! 2022秋 NHK

  • 「鎌倉殿の13人」でお馴染みの坂東彌十郎さんをゲストに迎えての「早わざレシピ」。平野レミさんに振り回されつつ、アシスタントを務める彌十郎さんがチャーミングでした。
  • あの短時間でどんどん料理が完成していくのが、爽快で楽しかった。

  • ゲストとの掛け合いも見事。生放送だからこそのテンションとフルパワー。NHKの劇薬としてこれからも祝日に時折降臨してほしい。

Gメンバーの推薦番組

BSフジサタデースペシャル「長谷川町子没後30年スペシャル「彩り」と「ことば」―時を超えて―」 BSフジ

  • サザエさんの作者・長谷川町子の謎に包まれた素顔を、作品や日々の暮らしぶりからひもといていく。波瑠さんの自然体なナビゲーションで、おだやかな2時間でした。執筆姿勢はストイックな反面、動物を愛し、美術品収集を趣味とし、家族を大切にする町子。あこがれます。ひさびさに桜新町の美術館に行きたくなりました。

ETV特集「半藤一利『戦争』を解く」 NHK

  • ウクライナ侵攻や北朝鮮のミサイル大量発射、中国の台湾戦略ほのめかしなど、世界中に戦争の匂いが立ち籠める現状にただただ脅え、ひどく簡単に防衛費増額を決める岸田政権、それに安直に賛同する世情。昨年亡くなられた半藤氏の残してくれた著書や言動を、こうやって改めてしっかり反芻することで、戦争というものを考えることが今ほど重要な時はないことを痛感させられる。「正義」という概念は他の「正義」を排斥し攻撃する。ハリネズミ同士は温めあうことが出来ない。「国民的熱狂を作ってはいけない」との半藤氏の言葉が重く刺さってくる。

ひらがなの交換日記~長崎 福江島の外国人技能実習生たち~ NHK

  • NHKではネガティブな面からの告発もしっかり行っているが、きちんと実習生に向き合う企業の姿を描くことでこの問題に多角的に向き合っているところが評価できる。

テレメンタリー2022「三陸海の異変 ー生き残りをかけてー」 テレビ朝日

  • 温暖化がこれだけ漁業に影響を与えていること、震災で打撃を受けた地域にさらに襲いかかるものがあることを明瞭に描いている。周辺国の軍事的脅威よりも喫緊の問題ではないかと考えさせられる。

見えない彼と、見える僕 NHK

  • 多様性とのテレビならではの向き合い方。放送活動として継続拡大してほしいものである。

2022NHK杯フィギュア NHK

  • ちゃんと競技を全て(男女シングル、ペア、アイスダンス)、しかも特定の選手に肩入れせず放送してくれるのがありがたいです。

カンブリア宮殿「クリスピークリームドーナツ社長」 テレビ東京

  • 個人的に好きだったのに、明らかに店舗が一気に減ったときがあったから、とても興味深い内容だった。今は自分の生活圏内にお店があったり、スーパーでも購入することができたり、再燃していることがよくわかる。この番組を見て、より社長の改革劇というものが見れて面白かった。

デブとラブと過ちと! TOKYO MX

  • 3時のヒロインのかなでちゃん演じるユメコちゃんの底抜けに明るくポジティブな性格が大好きです。デブラブを観た次の日は仕事頑張ろうって思います!!副社長役の草川拓弥くんが小柄でかなでちゃんとの体格差も萌えます!最終回ハッピーエンドになりますように!

何するカトゥーン? フジテレビ

  • 深夜番組でアイドルがゆる~く喋りながらドライブしていた。身体を張ったりおふざけをしなくてもとても面白かった。ファンはこういう番組が欲しいんだろうなと納得できた。

「内村さまぁ~ず」「内村さまぁ~ずSecond」 Amazon primeビデオ

  • 長年に渡って継続して放送していたこと、最終回もうちさまらしいあっさりとした放送だったこと、また、最終回が迫る中でダチョウ倶楽部をゲストに迎えた番組を収録・放送したため。

「上田と女が吠える夜」 日本テレビ

  • 亀梨和也さん出演回が楽しかったです。女性陣の歯に衣着せぬ発言がとても共感できることと、出来ないことがありますが、亀梨くんがとてもうまく受け答えしていて、頭も切れるしユーモアもあって、心根の優しい人だということが伝わってきました。今の時代、発言がネット上で叩かれたりしやすく、一部分だけを切り取って過剰に反応されたりなどリスクが高いですが、長年第一線で活躍してきた方は通ってきた経験の数が違うんだろうなと感心しました。とても紳士的に対応されていて好印象でした。司会の上田さんとのやり取りも長年の付き合いで阿吽の呼吸でよかったです。亀梨さんが出演されるバラエティ番組は面白いので、よく見ています。

アニメ「僕のヒーローアカデミア」 日本テレビ

  • 全面戦争編に突入して、物語をじわじわとむしばんでいく絶望感と、それでも人々を守ろうとするヒーローたちの奮闘に、毎週ドキドキしながら観ています。

「木村さ~~ん!」 GYAO

  • 11月は木村拓哉さんのお誕生日企画として武田真治さん、ケンコバさん、ISSAさん、RED RISEさんとバイクで遊園地へと、あの話題のぎふ信長まつりに密着でした。オジさん5人でバイク自慢から始まり遊園地で絶叫マシンやメリーゴーランド、イルカショーを楽しんでいる姿はとても可愛くて微笑ましかったです。あの大ニュースになったぎふ信長まつり。前日に岐阜城や刀の専門店や伊藤英明さん行きつけのベトコンラーメン屋さんに行ったり、ボランティアの皆さんに挨拶したり、お祭りの裏側も見ることができました。前々から伊藤英明さんが木村さ~~ん!のスタッフと綿密に打ち合わせをして木村さんをどこに連れて行くか決めたそうです。当日のぎふ信長まつりの様子も放送されて大満足でした。ここまで踏み込めるのは木村さ~~ん!ならではです。

(掲載は順不同)