2023年1月度-月間ノミネート

日曜ドラマ「ブラッシュアップライフ」 日本テレビ 得票数:149
ドラマ10「大奥」 NHK 得票数:112
水曜ドラマ「リバーサルオーケストラ」 日本テレビ 得票数:84

 
 
日曜ドラマ「ブラッシュアップライフ」 日本テレビ

  • バカリズムさんの脚本はいつも楽しみにしています。一見くだらない、あまりに自然な会話の流れから、人物の来し方がじわじわと伝わってくる、いつしか思わぬ出来事につながる、独特の展開のさせ方にとても惹かれます。
  • SNSでは伏線や考察で大盛り上がりのようだが、普通に見ても随所にある小ネタにクスッときたり、あるあるに共感できる面白いドラマ。1作品の中で同じ人生を何周もやり直すなんて、ともすれば単調になるか飽きがきそうなものだが、麻美と仲間たちの絶妙に力の抜けた会話がクセになる面白さ。加藤の粉雪熱唱と、ドラマ史上革命的なこのチャレンジに拍手を送りたい。
  • きっと誰もが想像していた生まれ変わりドラマの遥か斜め上を行っている。徳を積むために生まれ変わるたびにそのミッションを遂行し昔の会話が伏線になりそれが繋がる爽快感とその時代の風物が語られると懐かしくなる。そして何度も生まれ変わり少しずつまわりが影響され変わっていく複雑さなのに脚本が破綻せずちゃんと成立しているから面白いのだ。
  • バカリズムさんの独特の世界観、安藤サクラさんのナチュラルな演技に惹きつけられる。何気ない日常会話と思っていたささやかなエピソードの数々が人生2周目、3周目と繰り返すほど伏線となって味わえる構成の妙にも感服。

ドラマ10「大奥」 NHK

  • 何度も映像化されてきたよしながふみ先生原作の男女逆転大奥。なんで今更NHKで?…視聴して納得。キャストや演出はもちろんのこと、この美術、セット、本当に素晴らしい。着物の絢爛さ豪華さに圧倒される。今回、完結した原作の最終章まで描き切るとのことだそうで、楽しみ。
  • 脚本がよく,演じる女優の演技力がそれをまたさらに倍増させている。ファンタジーだけでない、リアルさと哀しみ,愛がたくさん詰まっていて毎回感動が大きい。
  • 「男女逆転大奥」の成り立ちやその仕組、根底にある女性性と男性性それぞれの業や切なさやよさが描かれている深い物語でした。1話の吉宗公役の冨永愛さんの凛とした強さ、そこからさかのぼって逆転大奥の始まりとなる家光公役の堀田真由さんの危うさと強さ。今回のクールでどこまで描かれるのかわからないのですが、今後もどの代の将軍が出てくるのか楽しみです。
  • 伝染病により男性の数が極端に減り男女の立場が逆転するという奇想天外の設定ながら、原作に基づきながらもよく練られた脚本、適切なキャスト、NHKが築いてきた時代劇作劇の実力等で、今期一番見応えのあるドラマになっている。特に、冨永愛の吉宗が秀逸。

水曜ドラマ「リバーサルオーケストラ」 日本テレビ

  • 主人公、オーケストラの成長物語。場所はオーケストラでも誰にもわかる登場人物の心情、自然と共感できて「頑張れ」と応援したくなる元気をくれるドラマ。音楽の力に感動、クラッシックを知らなくても聴いたことがあるメロディがたくさんで、1曲丸々の演奏は圧巻で素晴らしい。制作者たちの丁寧な作りと出演者の努力に感動する。
  • 演奏シーンに回想やモノローグをほぼ被せることなく演奏だけで見せてくれる演出に制作者の方々の意気込みを感じました。ストーリーは王道ながら伏線を丁寧に回収していく脚本が素晴らしく俳優陣も上手い人ばかりで見応えがあります。原作のないオリジナルの作品なので最終回に向けてどうなるのか予想しながら見られるのも楽しいです。
  • オーケストラっていいな、と素直に感じさせてくれる作品。団員に特別感がなく、今ここにいる自分と近いような悩みや葛藤を抱えている様子が無理なく描かれていて違和感がない。
  • 本格的なオーケストラものとしては、かなり久し振り。ニューイヤーコンサート気分で見ている。話はベタかも知れないが、サスペンスもホラーもファンタジーもいらない人にはぴったりなドラマ。指揮者始め役者の皆さんが、楽器に真摯に取り組んでいるのがわかるくらい表情か豊か。素人でもわかる曲を使っているので、最終回までにはますます視聴者が増えそう。

他に推薦された番組

正月時代劇「いちげき」 NHK

  • 宮藤官九郎脚本、講談師による進行が小気味よい、スピード感にあふれたエンタメ青春時代劇だ。ドロくさくて軽妙、おちゃらけて真剣。後味は清涼。クドカンらしいコミカルな展開かと思いきや、ド直球なリアリティにたじろいだ。人を斬ることの是非を、肌感覚で味合わされた。百姓たちの言葉には、現代に通じる社会の歪みや葛藤が忍ばされ、心に刺さった。身分制社会が崩壊する危うい時節に翻弄された、善と悪に分け切れないリアリティが、演者たちの熱演と共に胸に響いた。90分では足りず端折られた感が勿体なく思う。
  • 展開がスピーディーで、染谷将太さん、松田龍平さん、町田啓太さんの骨太の演技にひきこまれ、あっという間の90分だった。神田伯山さんの講談と劇中のセリフが融合する瞬間の盛り上がりがよく、爽快感があった。時代の狭間の混沌にそれぞれの思いでふんばり、駆け抜ける姿がまぶしく、新年にふさわしいドラマだった。

星降る夜に テレビ朝日

  • 10歳年下のろう者と産婦人科の女医の恋。絵本のように只々ロマンチックかと思えば、泥酔の苦い出会い、生と死、医療裁判、嫉妬など、人間臭いエッセンスも豊富に散りばめられている。それでも茶番にならないのは、大石静はここぞという大事な際どいシーンも余さず見せてくれる、という信頼感があるからではないか。胸キュンシーンの度に悶えているのは私だけではないはず。
  • いきなりキスって犯罪だろう、と出だしはツッコミどころ満載どころか、ドン引き。ところが、生と死に直接向き合う職業につく主人公二人の恋愛は実に純粋。北村匠海演じる一星のまっすぐな愛情表現とそれを素直に受け止める鈴。人を愛し、愛されることの素晴らしさをこんなにピュアに感じさせてくれるドラマは今の世の中だから貴重。大御所と言われる脚本家の中では、大石静は今一番時代精神とシンクロしていると言えるのではないか。 聾者が主人公という共通点はあるものの「silent」の2番煎じでは決してない秀作。

ドラマ24「今夜すきやきだよ」 テレビ東京

  • あいこちゃんとともこちゃんの関係性がとても素敵で、観ていてあたたかい気持ちになります。ルームシェアだからと家賃や家事の負担をただ半分にするのではなく、互いが無理せず補い合いながら一緒に暮らせるような役割分担にしているのがいいなと思いました。また、世間やまわりの人の固定観念にもやもやしても、自分を否定せず受け入れてくれる人がひとりでもいてくれるのは、とても心強いだろうなと思い、羨ましく思います。

罠の戦争 フジテレビ

  • 善と悪は紙一重なのか、誰が何を思い何を仕掛けてくるのか、正に罠の戦争だ。犯人は誰か何故突き落とされたのか、ミステリー要素を持ちながらも、人間同士の罠の掛け合いに毎回ドキドキさせられるのはオリジナルドラマの良さが十分に生かされているからだろう。脚本、演者の演技、演出の妙に加えて、キャスティングが素晴らしく皆がリアルにハマっている。今後どういう結末を迎えるのか、最後まで見届けたい。
  • エルピスに続き、関西テレビが放つ社会派ドラマ。議員事務所を舞台に、現実にありそうな政治家同士の駆け引き、裏で現金が飛び交う選挙運動等、ドラマの描写に引きこまれる。戦争シリーズ第3弾として、主演に草彅剛を据えた関西テレビの決断と尽力に拍手を送りたい。

金曜ナイトドラマ「リエゾン こどものこころ診療所」 テレビ朝日

  • 発達障がいを抱えるが故に、生きづらさを感じる子ども達&大人達を凸凹があるだけ、と前向きに肯定し、彼/彼女らを取り巻く家族や医師、行政の人たちの苦労や思いも含めて丁寧に描く制作者の姿勢に好感が持てる。
  • 発達障害を持つ子供たちを見守りケアするドラマ。社会的なテーマだが、画面は柔らかく癒される色合いに満ちている。子供たちばかりでなく、保護者たちの葛藤も見られ涙する場面もあり。重症な例ばかりなので泣けるのか。松本穂香さん扮する若手の先生がこれからの鍵になりそう。

新春ドラマスペシャル「ホリデイ〜江戸の休日〜」 テレビ東京

  • 最近テレビでの時代劇はNHKくらいでしか来ない見ることができなくなってしまいました。テレビ東京ではなんと7年ぶりの製作だそうです。86歳の里見浩太朗さんの台詞の聞きやすさ、堂々たる存在感に感動し、高嶋政伸さんの完璧な江戸っ子役に驚き、物語の心地よい予定調和に安心しました。時代劇を作ることは今の時代大変でしょうが、正月に毎年見られたらと願わずにいられません。

夜ドラ「ワタシってサバサバしてるから」 NHK

  • 一見嫌な種類の女性像を通してもっと自分らしく自由に生きてみよう、一度きりの人生を我慢せずに本音で生きていこうというメッセージを感じられ、落ち込んだ時は心が明るくなれる。反面ここまでしちゃダメよ、というもう一つのメッセージもしっかり受け止めて。

金曜ドラマ「100万回言えばよかった」 TBS

  • ラブストーリーファンタジーでありながら、ミステリー要素もあり、不思議な世界観をもったドラマ。メインキャスト3人の自然な演技がいい。

プレミアムドラマ「我らがパラダイス」 NHK

  • 高級老人ホームが舞台ということで、派手さはないけれど入居者と従業員のそれぞれの背景が丁寧に描かれている。が、唯のほのぼのライフとはならず、従業員が自分の親を替え玉で入居させているのがいつかバレるんじゃないかと、ちょっとハラハラ感もあり、最後はどういう風に着地するのだろうかと楽しみに見ている。
  • 富裕層が老後を過ごす至れり尽くせりの高級シニアマンションとそこで働く庶民的な従業員のギャップと企みが面白い。こうした浮世離れした老後もあるのかと思いを致せてくれるドラマ。

日曜劇場「Get Ready!」 TBS

  • 闇医者集団の仮面ドクターズ。あり得ない設定がリアルに描写されることで、エンターテイメントとして成立しています。とくにAIを駆使した手術シーンは迫力があります。どんな難病も治してしまう闇医者集団の狙いは何か、見届けたいと思います。

土曜ナイトドラマ「6秒間の軌跡 花火師望月星太郎の憂鬱」 テレビ朝日

  • 橋爪功×高橋一生という舞台で共演したふたりが親子を演じるドラマ。死別から始まる一筋縄ではいかない不思議な関係を軽妙に見せてくれる。幽霊との対話と打ち上げ花火という儚さの対比が良い。

土ドラ「三千円の使いかた」 フジテレビ

  • 原田ひ香の「本」がいい。特殊詐欺やカード破産などが多発し、「政治とカネ」も跡を絶たない現代。「お金」に関する教育の必要性が叫ばれるが、教科書でのしかつめらしい話は止めて、このドラマを標準スピードで見せるといい。可愛らしくもあるおばあちゃんを、中尾ミエがそのまま演じている。昭和の夫・父親のような利重剛の科白のない存在もいい。

木曜ドラマ「警視庁アウトサイダー」 テレビ朝日

  • キャストの西島秀俊・濱田岳・上白石萌歌がよく個性を生かして好演。駄洒落でユーモラスにする一方、シリアスな犯罪ドラマでもあって、そのコントラストが妙。刑事にしろ、事件にしろ、「表と裏」があることを示唆しつつ、謎解きをしていける。上白石の「あっけらかん」と「鋭い洞察」の対比が、特に面白い。

ドラマParavi「来世ではちゃんとします3」 テレビ東京

  • 来世ちゃんももうシーズン3.性的なネタが多いのにピュア過ぎて泣ける不思議。みんながそれぞれ色々あって、でも一生懸命生きていてキャラ全員が愛おしい。

女神(テミス)の教室〜リーガル青春白書〜 フジテレビ

  • 授業で使われる法律に関する話が興味深い。理想主義の教師と現実主義の教師、成長していく学生たち。新しくは無いかもしれないが、奇を衒わず好感が持てる。

金曜8時のドラマ「今野敏サスペンス 機捜235×強行班係 樋口顕」 テレビ東京

  • 原作が同じ今野敏、同じ局のドラマの特性を生かした。舞台は、警視庁(機捜と捜一)なので、管理官も鑑識課も共通している。中村梅雀と内藤剛志のキャラは違うが、「名もない当事者」の側に立つ姿勢は同じ。だからコラボできたのだろう。局を超えた試みも考えていいのでは…。

土曜ドラマ「大病院占拠」 日本テレビ

  • 鬼の仮面で顔を隠した正体不明のテロリスト集団は、番組終盤に流れるキャスト名も伏せ字にしてあり、役者も不明のまま物語が進むのが面白かった。

あたらしいテレビ2023 NHK

  • ここ数年の番組内容から、テレビ以外の情報発信の方がクローズアップされ、メディアとしてのテレビの存在価値が危ぶまれているような感覚があったが、若手のテレビ制作者たちが、そんな今だからこそテレビで思い切ったことがやれると、ワクワクするような雰囲気で楽しそうに話していたのが印象的だった。
  • テレビ局をまたいで集まった、いまをときめく若い作り手たちのお話は、俯瞰する目を持ち、身内的なお話にならずにテレビの良い面、変えたい面を語り合っていて、いち視聴者として大変興味深く聞き入りました。ネットの時代とはいえ、テレビの力はまだまだ進化すると、期待も持ちました。

不夜城はなぜ回る TBS

  • ドキュメンタリーとバラエティの最高峰。編集もTBSならではのシニカル,シュールも面白く、でも毎回絶対に感動させる。よくここに焦点を当てたという題材選びも見事で、登場人物の一般の方々の人生観や哲学が深く、またそれを引き出すディレクターの人間性が見事で魅力である。レギュラー化してからまだ一回もいわゆるハズレ回がないのも凄すぎる。毎回深く考えさせられる番組である。

ETV特集「オモニの島 わたしの故郷〜映画監督・ヤンヨンヒ〜」 NHK

  • 昨年10月に「こころの時代」で放送した、ヤン・ヨンヒの映画人生軌跡を辿ったものを、更に追加取材を加え再編集。改めて、この人の、また「在日」と呼ばれる人たちの、この国における微妙複雑で、痛みと苦悩に満ちたありよう、そして想いに感じ入る。北朝鮮のことを、在日のことを、自分のオモニやアボジのことを、家族のことを、そして自身のことを、「腫れ物にしたくない、腫れ物にするな!」という彼女の痛切な叫びが、強く耳に残る。

第99回箱根駅伝 日本テレビ

  • 2日間の箱根駅伝を観ないとお正月を感じない。沿道の観客に少しずつ日常が戻るのを感じた。駒澤大学の強さ、他大学の追い上げ、個々にドラマがあり襷を繋ぐ意味を毎年感慨深く観ている。
  • 往路の1区、学連選抜の快走に胸がすく思いでした。当たり前のように見ている正月の風物詩ですが、途切れない中継や監督の激励といった生放送の臨場感は、放送技術の進化の賜物だと思います。

ETV特集「沖縄の眼になった男〜写真家・平良孝七とその時代〜」 NHK

  • 民間写真家として、戦後から復帰前後の沖縄を撮し続けたカメラマン平良孝七の軌跡を、若い後輩写真家石川竜一が辿る。日本国から切捨てられた沖縄のその地の中においてさえ、一見卑小なかたちで、しかし深刻な分断がまた始まっていたことをはじめ、日本という国の国家構造が持つ根本的矛盾をしっかりと見抜き、冷厳な視線を送り続けていた知性の凄みを思う。彼が良く言っていたという「辺境の地から中央を撃つ」、という言葉が重く響いてくる。

NHKスペシャル 超・進化論(3)「すべては微生物から始まった」 NHK

  • 目に見えないのに大きな仕事をしている。地球環境も生き物もこの小さなものに支えられているとは。そしてなんと将来人類が宇宙で生活するために不可欠なものだという。日夜この研究を続けている科学者に感謝である。

日曜日の初耳学「三谷幸喜×林修 鎌倉殿の13人(秘)話」 TBS

  • 歴史オタクの三谷さんと林先生が、お互いが持っている別冊太陽について熱く語り、伊東四朗さんが、脚本がギリギリでもやれるよと言ってくれた一言に救われたことなど、三谷さんの人間味のある一面を知ることができました。

NHKスペシャル 半導体 大競争時代 第1回「国家の“命運”をかけた闘い」 NHK

  • 今や車もゲームも何もかも半導体がなくては作れないし動かないという恐ろしい現実を紹介した。なぜ米中が台湾を巡って熾烈な綱引きをするのかもよくわかった。入り口としては平易でいいのだが、掘りが浅い印象。シリーズ番組なので、期待大。

アナザーストーリーズ 運命の分岐点「“オネエ”たちは闘った〜知られざる勇気の系譜〜」 NHK

  • カルーセル麻紀さんが元気そうでホッするとともに、いつの世も先駆者は悩み戦い強くならざるを得ないのだと感じた。はるな愛さんが麻紀さんに叱られた話とおめでとうと言ってもらえた話。当事者じゃないと言えない言葉。安易に考えるのではなく原点を知ってから、LGBTなどのことを考えていきたいと思った。

NNNドキュメント’23「あたいはやっちょらん 鹿児島・大崎事件『95歳の叫び』」 日本テレビ

  • 長い長い年月を掛けずっと冤罪を訴え続けてきた、大崎事件被告、原口アヤ子さん。事件の経過を改めて丁寧に綴り直し、警察・司法のここまでの彼女への対応と事情を掘り起こす。この間に原口さんが認知症を患う身となり、今や「叫び」を挙げられない姿となっているのを見るのは辛い。「弱き者」に対する、この国の徹底的に理不尽で無情な仕打ちに憤然とする。まだ終わってはいない。鹿児島読売テレビの、粘り強い継続取材姿勢に敬意。

アナザーストーリーズ 運命の分岐点「ハリウッドは闘う〜アカデミー賞とダイバーシティ〜」 NHK

  • 黒人初、女性初のアカデミー会長となったシェリル・ブーン・アイザックスへのインタヴューを軸に、アカデミー賞の近年の多様性全面的受容に至る変貌ぶりを検証。BLM、#MeToo、非英語作品評価、の3点での大きな状況変化を、よく判るかたちで整理して見せてくれて興味深い。2019年に、それまで「外国語映画賞部門」と銘打っていた項目を「国際映画賞部門」と名称変更した経緯についても言及して欲しかったところではあるが。

ザ・ノンフィクション「酒と涙と女たちの歌2〜塙山キャバレー物語〜」 フジテレビ

  • こういう場所があることを初めて知り、衝撃的でした。登場されていた方々が親、それ以上の年代の方々が中心となっていたので比較しながら拝見しました。高度経済成長期の真っ只中を過ごしてきた方々が、今このように過ごしているのかとなんだか寂しい気持ちをもってしまったことは否めません。

プロフェッショナル 仕事の流儀「縁の下の幸福論〜校正者・大西寿男〜」 NHK

  • 時間をかけて丁寧にやっても単価は変わらないし褒められずやれて当たり前だと偏見があった校正という仕事に真摯に向き合う丁寧な仕事ぶりに感銘を受けた。そしてネットでは膨大な言葉が発せられている現状を「言葉が泣いている」と表現した大西さんが小説の一文を、時間をかけて考察している姿は神々しくもあった。

ぽかぽか フジテレビ

  • 毎日お昼に生放送、スタジオ観覧や外からの自由観覧が出来る、素人さんで出てくれる人を募集するなど近年では少なくなっていたバラエティで懐かしい感じ。長く続きますように。

病院ラジオ「長野子ども病院編」 NHK

  • サンドイッチマンのおふたりが淡々と、ユーモアを持ってインタビューされるので重くならず、辛く厳しい話の中に明るさや希望を感じることができる。いつも力を貰える番組です。病気を克服した子、共に生きている子、支える家族と、リクエストされる歌に今回もまた心を揺さぶられました。

さんま・玉緒のお年玉!あんたの夢をかなえたろかSP TBS

  • 「beautiful life」に憧れて美容師になった視聴者に、元のドラマ制作者陣・キャストが集合して、ドラマを再現する企画。とても心温まる企画だった。またドラマ制作者、TV局スタッフの心意気を感じた。スタッフのこの心意気を活かせるドラマ、バラエティをTV局は今作れているのだろうか。

マツコ会議「LA在住桃井かおり71歳」 日本テレビ

  • 久しぶりに見た桃井かおりさんが素敵に歳を重ねていらして感心するばかりだった。マツコさんだから実現した企画?と思いながら堪能した。

Gメンバーの推薦番組

BAEBAE美術館 NHK

  • 松下洸平さんの柔らかいMCとAマッソ加納さん、井上涼さん、トリンドル玲奈さんとそれぞれ異なる視点からの作品鑑賞と青柳先生の解説が面白かった。

クローズアップ現代「沢木耕太郎 自由を広げ、生きる」 NHK

  • 個人的に沢木耕太郎さんの出演を楽しみにしていた番組です。最新作「天路の旅人」と沢木さんの生き方、両方に視点をおいた番組で興味深かったです。欲を言えば天路の旅人である西川氏について掘り下げた別番組も制作してもらいたいと思いました。

おやじ京都呑み「その3 餃子、ビールとぬる燗とマティーニ」 BSイレブン

  • 京都大好き角野卓造さんと京都に移住した近藤芳正さんが街をぶらぶら。「一澤信三郎帆布」で買ったおそろいのカバンで連れ立って歩く姿に思わず笑ってしまいました。街中華の餃子とビールやカウンター割烹も素敵でしたが、老舗バー・サンボアの大おかみと若旦那の柔らかく毅然とした佇まいが印象的でした。単なるグルメ番組ではなく、客とお店との関わりが色濃く滲んでいて、気持ちのよい番組です。

さんタク フジテレビ

  • 毎年この番組を見ないと年が明けた気がしません。今回はさんまさんのために奄美大島へ別荘地を探しに行き、サーフィンをする企画。プライベートでも交友のあるさんまさんと木村拓哉さんの仲の良さを感じることができて本当に楽しいです。

それSnowManにやらせて下さい TBS

  • お正月の残ったお餅アレンジレシピの紹介が面白かった。簡単な作り方のメニューばかり、スイーツから軽食感覚のものまでラインナップが豊富で、親子で放送を見た後にさっそく何種類か作って楽しんだ。

テレメンタリー2023「命を諦めるということ〜トリアージを決断した医師の1.17〜」 朝日放送テレビ

  • 阪神淡路大震災の渦中で、恐らくは日本で初めて具体的にトリアージ対応を指示し行なった、県立淡路病院の今は亡き松田昌三医師の姿を改めて見つめる。苛烈な医療行為の中で、蘇生中止という冷徹な判断に踏み切ったことのみならず、この情況、模様を全て映像に残せ、と配下に命じたことの、壮烈な覚悟と先見の明にも驚かされる。

カネ梨和也 日本テレビ

  • 亀梨さんがゲストの芸人さんと、お金がなくても楽しめるのか挑戦する番組で、亀梨さんと芸人さんとの絡みがとても軽快で面白いですし、芸人さんの雰囲気に合わせて、瞬時に空気感を察知し対応している亀梨さんにいつも感心します。出演者の皆さんが楽しそうでゆるい感じで、だれも嫌な感じにならなくて安心して見ていられました。1クールのみの限定放送なのがもったいないくらい面白い番組です。これからも安全で楽しい番組を期待しています。

ドラマ「僕らのミクロな終末」 朝日放送テレビ

  • 地球滅亡まであと10日。最も会いたくない10年前の元カレ律と出会ってしまう男、真澄。10年前真澄は大学の同級生の律に惹かれ、性愛に溺れ、嫉妬に狂い、最も残忍な方法での別離を迎えた。この間の感情の大きな起伏を瀬戸利樹が本当に繊細に演じている。見事。瀬戸利樹にこの演技ができるとは正直思っていなかった。役者として一皮もふた皮も剥けたのではないだろうか? 加えて、他者の感情への配慮が全く無く、ひたすら多数との性愛を求め続けるバイセクシャルの男、律を演じる中田圭祐も、その感情表現のないゲスっぷりが見事。彼らからこの演技を引き出した脚本・監督の三木康一郎の手腕が光っているのだと思う。地球滅亡までが楽しみだ・・・って表現が悪いですね。

「7.2新しい別の窓」 Abema TV

  • ゲストに郷ひろみを迎えた回。SMAPの3人と郷ひろみがじっくり語り合い、風船に入る体を張ったゲームをし、派手なセットの中で長時間ライブをする。わくわくするエンターテイメントを感じた。

(掲載は順不同)