2023年12月度-月間ノミネート
土曜ドラマ「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」 NHK | 得票数:74 |
木曜劇場「いちばんすきな花」 フジテレビ | 得票数:72 |
第74回NHK紅白歌合戦 NHK | 得票数:61 |
土曜ドラマ「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」 NHK
- とても質の高いドラマでした。実際の聾の俳優さん達がたくさん出られていて、その熱演に圧倒されて感動しました。コーダという言葉は、このドラマで初めて知りました。聾の方々を取り巻く社会の問題点を描きながら、サスペンスとしても楽しめました。このような重大な局面で健常者と聾者との懸け橋となる重要な役回りとなる主役には、草彅剛さん。コーダの人達の健常者と聾者どちらの世界にも居場所のない苦しい抑圧された境遇を見事に表現されていました。たくさんの人に観て欲しい作品です。
- ろう者、中途失聴者、難聴者、聞こえの度合いもさまざまな当事者である俳優さんたちの演技は切実みがあり、親兄弟がろうであるコーダの荒井に扮する草彅さんの、アイデンティティの置き所がない複雑な心境や事件への真摯な向き合い方とともに、胸に迫る素晴らしいドラマでした。つくりあげた全ての皆様に敬意を表します。
- 経済格差や家族環境によって手話が理解できない人がいると知って改めて驚いた。ドラマでも、加害者が手話を理解出来ない場面があり、そしていら立つ姿に陰を落とす切なさ。会話ツールとして必要な手話の重要性を感じた。殺人事件そのものは簡単だが、聴覚障害者を家族に持つ青年が持つ心の闇と、前に進みたい使命感とのバランスを、草?剛さんは上手く演じたと思う。秀作。
木曜劇場「いちばんすきな花」 フジテレビ
- 面識もない4人が出会い共通した思いが「二人組が苦手」ということ。なかなか深いテーマだなと思った。1人が嫌じゃないけど2人だとどう思っているのが気になったり、人付き合いが煩わしく思う。煩わしいから居心地の良い場所へ転換するまでの過程が毎回なるほどな~と唸っていた。二人組は苦手でも本当の自分をわかってくれる二人組ほど心強いことはないなと思い4人が羨ましく思えるドラマだった。
- 1対1が4つ集まっても、5人にはならない。人と人との関係の繊細さ、場に応じて人が演じる自分の使い分けなど、考えてみればあたりまえ。なのにないことにして、人は人をパターン化してしまう。表に出ることのない、言葉にならないその人らしさを表現したドラマだった。
- 設定も進行も少し「頭で考えました」という感じのドラマではあったが、現代社会における生きにくさというテーマは存分に語られていて、台本の台詞がとにかく良いので深い共感が得られた。出演者全員が魅力的に描かれた得難いドラマだった。
第74回NHK紅白歌合戦 NHK
- 若いダンスボーカルグループが男女とも沢山出たが、皆、実力を持っていて見応えがあり、感心した。薬師丸ひろ子や伊藤蘭など、50歳代の視聴者にも刺さる出演だった。圧巻はYOASOBIの「アイドル」だった。出場アイドル全員が踊っていて、このアイドルたち全員が、“♪完璧で究極なアイドル”を演じている、という暗喩もあるんだな、と思えて、演出に唸った。ダンスのリハーサルやカメラ割りなど、相当何度も試行錯誤繰り返したんだろうな、というのがよく分かった。
- さまざまな意味でボーダーレスだった。時の壁、放送局の壁、国境、そして有吉の壁を超えた。紅組の圧勝にはNHKのメッセージすら感じた。
- 久々に視聴して、テンポ良く進行されてダレる事なく楽しませてもらった。NHKホールをメインに使い、時にはスタジオに切り替わって直ぐに歌が始まるので、出演者がコントのような間で繋いで白ける事なく歌を堪能出来た。また、出演者が特定の事務所に偏ることなく若者からベテランまで多彩な顔ぶれなのも良かったが、アニメキャラクターのようなグループと多過ぎる韓国勢の出演には疑問が残る。折角の日本の年末恒例の風物詩なのだから、幅広い年齢層の実力のある日本の歌手を選抜されてはいかがだろうか。
他に推薦された番組
ドラマ10「大奥 医療編・幕末編」 NHK
- ドラマ10「大奥」を見終わって思ったことは、男か女かは関係なく、医療でも政治でも人の上に立つものに「志」がないと、国は崩壊の危機を迎えるということである。最後、船上で天璋院(胤篤)が少女(のちの津田梅子)に語り掛けるシーンが特に心に残っている。私たちも彼らからバトンを受け取った者として、これからも精進していきたいと思えた。
- 江戸城無血開城の条件が「女将軍はなかったとすること」。ここに、男女逆転大奥が、荒唐無稽のパラレルワールドではなく、これこそが史実であったのではないかと思わせるほど確固たるリアリティを得た瞬間である。ラストの洋行の船上、元天璋院が津田梅子に、この国はかつて女が治めていたのですよ、と語るシーンに「その通り」と大きく頷かずにいられない。女性も男性も志のある人物たちが懸命に時代を生きた、傑出した群像劇。これを超える大奥は当分ないと思う。
火曜ドラマ「マイ・セカンド・アオハル」 TBS
- 青春をやり直すドラマというと恋愛に全振りされてしまうようなドラマが多かったが、これは学びたいと大学に入ったヒロインがしっかりと学び、就活をし学生生活をしながらも年齢の壁にもがいたりしていて、しっかりとアップデートされた令和のラブコメだなと感じた。
土曜ナイトドラマ「泥濘の食卓」 テレビ朝日
- こんな頓狂で常軌を逸した異様な心象交錯、ドロドロとしていながらあっけらかんとした不条理色恋地獄沙汰を、不思議に何だかするすると納得させてしまったのは、ある意味スゴい。何の解決も見えないまま乱暴にぶち切ってしまって幕切れとする潔さも、なかなか刺激的ではあった。怪作。
連続ドラマW-30「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」 WOWOW
- このタイトル通りに現在はあっという間に経済的に困窮する女性の方々の姿その過程が描かれていて、もちろん女性だけではなく男性、子供達の貧困層へもこのドラマを通して考えさせられるきっかけになりました。
ドラマ25「すべて忘れてしまうから」 テレビ東京
- 深夜に、ぼーっと観ているうちに、深みに嵌まってしまう、そんな30分(足らず)。この世で大事なのは、記録ではなく記憶だと、よく言われる。その記憶だって、人間は忘却の方には勝てない。そんな中で、記憶の片隅にちょっとだけ残されたものは、輝くほどに貴重だ。大声で語ったり、叫んだりはせず、淡々とさり気なく行動する、阿部寛と尾野真千子が、それを一層浮き彫りにしてくれた。
うちの弁護士は手がかかる フジテレビ
- ワクワクする新しいバディドラマの快心作でした。なんといってもまずはムロツヨシさんが主人公の蔵前勉の幸福や挫折、成長、共感を生き生きと演じていましたので、視聴者としては蔵前に完全に飲み込まれていました。さらに蔵前本人だけでなく、「香澄法律事務所」の面々との関係性、立ち位置、言動に至るまで絶妙な距離感を持ってしっかりと演じられていました。全話に散りばめられる懐かしいドラマへのオマージュもちょっと食傷気味になりそうでしたが、蔵前以外の出演者は特に興味がなくリアクション無しというところが、消化不良にならなかった理由だと思います。完全に続編が観たいですし、シリーズ化をして欲しい作品でした。
自転しながら公転する 日本テレビ
- このところお気に入りの松本穂香さんと、舞台など拝見して感銘を受けていた藤原季節さんという、私にとって最高な組み合わせ。繊細で伝え下手な性格で価値観の違う2人が、お互いに繋がる深さへと辿りつく流れに、目が離せませんでした。よかったです。
- 閉塞感充満中の日本の恋愛リアルを描いたドラマ。キラキラ感は全くない。主人公の都は、母の介護のために東京から地元に帰った契約社員。都がやっと出会った貫一は中卒の回転寿司のバイト。金色夜叉みたいな名前の二人の関係は、いろいろ事件が起きては一筋縄では行かないのだ。松本穂香と藤原季節が演じるこの二人が将来の幸せを描ける日本であって欲しいと心から願う。
あれからどうした NHK
- なにげに言った一言に、やましい事がある人は緊張したり、ドキドキしたり。本音と建て前、理想と現実、嘘と本当。老若男女問わず冷や汗がでるくらい「やってしまった」と思う場面をあざ笑うような勝ち誇ったような劇伴が印象強く、耳を覆いたくなる。まさに「人間こわい」的スパイスが効いたドラマだ。面白かった。
- 食事中に交わされる上っ面の会話を流しながら映像では裏の本当の姿を見せるというまったく新しい作りのドラマで非常に新鮮だった。特に警察官のパートでは正義を常に求められる彼らの葛藤がコミカルなものからシリアスなものまで幅広く表現されていて良かった。シリーズ化を希望する。
木曜ドラマ23「天狗の台所」 BS-TBS
- ファンタジードラマ。天狗の末裔の物語。14歳に成ると1年間、人里離れたとある場所での生活をする。今回はイギリスに住む実の弟。ギクシャクしていた兄弟が食事を通して信頼関係を築いていく。田舎の山奥での風景もほのぼのしていて良かった。役者さん達も有名な方達では無かったのもイメージがついてなくて良かった。
- 毎日当たり前のように家事をしている主婦としては、普段の自分が恥ずかしくなるくらい、食材・調理・自然・人、生きていく上で必要な全てと丁寧に向かい合い暮らす基に頭が下がります。でも、自分の家族と付き合うのはぎこちなさ、オンの成長などいろんな物が混ざり合って、最後まで楽しく視聴しました。
木曜ドラマ「ゆりあ先生の赤い糸」 テレビ朝日
- ゆりあ先生の強さやたくましさだけでない優しさが印象的でした。みんなを巻き込んでする介護の仕方など、昔の大家族を彷彿させられ、これからはこういう仕組みもアリかも?と感じました。
- 不妊で悩み、同性の愛人と異性の愛人の出現、介護など問題山積みな日々に立ち向かう過程が良かった。姉御肌というか親分気質というべきか主人公ゆりあは「こんな人について行きたい!」と思わせるような人柄で時には弱さも見せられ応援したくなる。そんな役を見事に演じた菅野美穂さんが素晴らしく助演の方達も役にハマっていて良かった。最終回は期待していた気持ちのいい終わり方で本当によかった。
大河ドラマ「どうする家康」 NHK
- 過去現在未来と揃った3人の竹千代は、平和な時代が続いて欲しいと言う願いの象徴か?家康が晩年駿府に住んだことから着想されたラストに拍手。最後の三河武士団のえびすくいに、芭蕉の「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」と言う句を思い出す。一年間という長いドラマ、本当にお疲れ様でした。
土ドラ「あたりのキッチン」 フジテレビ
- 身近な食材で工夫を凝らして美味しいお料理を作る。楽しく作って皆で楽しく美味しく食べる。シンプルだけど、人生にとってとても大切なテーマを優しく語ってくれているようなドラマでした。
- 飽食の時代において、食の質や量について悩む人もいるし、思い出の食に涙する人もいる。コミュ障気味な辺(あたり)さんの正確な舌と阿吽の店主によって、食事そのものの大事さや癒しに気付かされる。どこか懐かしい定食を中心にした食事に目も癒されて、心もおなかも満腹になるドラマ。
水曜ドラマ「コタツがない家」 日本テレビ
- なかなか男子としては色んな意味で観ていて胸が締め付けられるような設定と展開が続きます。ある意味、悪気のない「クズ男子」は最強なのかもしれません。小池栄子さんの存在と違和感の無さが、こんな仕事に家庭に子育てに理不尽にでも奮闘する女性を納得させてくれ、吉岡秀隆さんもこの10のうち9.9は救いのない「クズ男子」をちょっとだけイラッとさせる程度に納めるギリギリの演じ方はさすがの存在感でした。最後の最後には悠作が漫画を書いての展開で、ハッピーエンドになるのだろうと思っていましたが、そこは期待通りでスカッとしましたし、深堀家なりのハッピーエンドが心地よかったです。さらに悠作の書いた新作「コタツがない家」があまり売れなかったというのに少しほくそ笑んでしまいました。
- 一見ダメダメな男たち。でも家族を思う気持ちは根っこにある。父、夫、息子それぞれの不器用さがそれなりに形になる結末がよかったです。金子茂樹さん、今回も絶好調でした。
土曜ドラマ「商店街のピアニスト 永遠の調べ」 BS松竹東急
- 今時珍しい、ピアノを通して人と人との心の触れ合いを大切にした作品。最終回では、まさに本当の親子のような関係が築けていた別れのシーンに涙。
ドラマイズム「マイホームヒーロー」 TBS
- これは原作に基づいているのだろうけれど、設定の勝利ですね。趣味がミステリ読書だという父、良家の子女で天然の妻、目に入れても痛くない娘という家族のトライアングルが話を面白くした。佐々木蔵之介、木村多江、齋藤飛鳥の3人もそれぞれ適役で面白かった。映画も楽しみ。
ドラマ8「ハイエナ」 テレビ東京
- まだ続きがあるような終り方でした。オリジナルは韓国語だからなのか、とても迫力がありました。それに比べると日本版は柔らかく優しい感じ。チームが馴染んできたところで終わってしまったので、もっと観たいと思いました。
トクメイ!警視庁特別会計係 フジテレビ
- まさか社会派ドラマに寄っていくとは思ってもいませんでした。原作のないオリジナル脚本ドラマのまさに醍醐味を実感したドラマでした。ドラマの導入部分では、橋本環奈さんが演じた一円と沢村一樹さんが演じた湯川哲郎との対比からの掛け合いを中心としたコメディタッチで、舞台も警務課とあって事件性は少ない軽いタッチの刑事ドラマになると思っていました。経費の件から警察を変えていくという根底に変わりはなかったですが、まさかこんなに大きなテーマになっていくとは思いませんでした。それにしても今回の佐藤二朗さんは圧巻、まさに圧倒でした。ふざけてアドリブの様にする演技だけでなく、終始迫真の演技を絶妙な境界線をもって全話を通じて演じられていました。圧倒されました。やっぱりスゴい、秀逸な役者さんです!この役に佐藤二朗さんをキャスティングした創り手のセンスに脱帽です。ドラマとしても警務課ドラマとしてどんなエンタメに持って行くかと思っていましたが、刑事課と、さらに鶴見辰吾さんが演じた副署長の中塚文雄との絡みを創ることでドラマに厚みを創っていました。鶴見辰吾さんも良い味出してましたね~経費から、警務課、刑事課、警察署を巻き込んでのエンタメへの昇華が見事に嵌まった秀作でした。待ってましたのワクワクするオリジナル脚本の連ドラでした!!
家政婦のミタゾノ テレビ朝日
- 放送時間帯が上がったことで、過去のシリーズから消極的になったら残念だなと懸念していたが、変わらず直球的にテンポ良く少し捻った小気味よさで、観た後はスッキリ楽しい気持ちにさせてくれる作品のままで嬉しかった。
夜ドラ「ミワさんなりすます」 NHK
- 今や高齢者の方々もご存知のような「推し活」ドラマ。世代を問わず「生き甲斐」ともなる推活をする主人公の心理行動がとてもリアルに丁寧に描かれていて推し活を全く知らない方々さえからも共感を呼ぶようなドラマでした。
孤独のグルメ2023大晦日スペシャル テレビ東京
- ここ数年は毎年五郎さんを見て年末、大晦日を感じています。年末スペシャルは毎年巻き込まれる五郎さんと東京以外の場所でのグルメ旅を楽しませてもらっています。
ONE DAY~聖夜のから騒ぎ フジテレビ
- 綺麗な形で終われた事には拍手を贈りたい。主演3人が物語の土台、感情と性格を存分に発揮して葵亭5年ごしの抱擁は泣いてしまった。ついてこれない方々もいたが、小説を読むかの如く続きが組まれていくのは良かったし、どの組みも手を抜いてなく作り込んでいて見応えがあった!他局の様に海外や派手なアクションが無くとも凝縮された1日だったはず。
ETV特集「生誕120年・没後60年 小津安二郎は生きている」 NHK
- 映画マニアとしては大歓迎の番組だが、注目したいのは戦後の小津作品と戦争との関係。最近になって語られ始めたテーマだが、もっといろんな切り口があるはず。<芸術もの>というよりは、この枠の柱の一つである<戦争もの>として、ぜひ続編を。
ETV特集「続報“冤罪”の深層~新資料は何を語るのか」 NHK
- 9月に放映した大川原加工冤罪事件を、更にじっくりと粘着的取材を続け、新たな内部文書を入手してのスクープ報道。警察検察捜査陣のあさましい手柄取り欲求が、無辜の民人への強圧暴圧へと簡単に向かっていってしまうという情況は、権力弾圧が日常事となるという意味でまさに「新しい戦前」の到来ではないかと強く思う。ここまで明らかとなった冤罪不祥事にもかかわらず、この放送のあった後の年明けに、国と東京が恥も外聞もなく控訴したということにまた呆れ果て、同時に恐怖に駆られてしまう。更なる続報を望む。
- 検察のさじ加減一つで犯罪者にされてしまう恐ろしさ。そこにあるのは手柄を立てたいとかアメリカ相手だと出来ないが中国だと大義が立つなど驚くような理由で結論ありきでどんどん独自解釈していくその身勝手さに怒り心頭である。裁判は勝訴したが国は控訴するという。裁判が続くことは国にとっては痛くもかゆくもないことなのかもしれないが一般国民の原告にとっては長い道のりである。
第56回年忘れにっぽんの歌 テレビ東京
- もはや大晦日は、こちらの番組の合間に「紅白」を見るようになりました。だって、こっちのほうが知っている歌が圧倒的に多いんだもの。そんな日が来るとは、と自分に驚いています。
NHKスペシャル「わが娘を手放した日 中国 “一人っ子政策”のその後」 NHK
- 一人っ子政策が生んだ悲劇である。男児を授かるまで子を産まなければならない農村の現実や違反すれば罰金が年収の3倍という過酷さを見ればこうなることは必然だったのかもしれない。そんな中再会をはたす親子を映像で追うのだが、貧しい生活の中であるのに娘を歓待するために借金をしてでも盛大にもてなし別れ際なけなしの現金を渡す姿には深く胸を突かれた。
新しいカギ「学校かくれんぼ!1年間の激闘を総ざらいSP!」 フジテレビ
- 学校かくれんぼには毎回元気をもらう!芸能人に会えるって小さいころは夢だったなあと、新鮮な気持ちを思い出す。身をひそめる芸能人たちに迫りくる生徒たち。見つかったあとのワイワイ感もたまらない。
クローズアップ現代 放送30周年 年末拡大SP「国谷裕子×桑子真帆~激動の時代を越えて~」 NHK
- 国谷氏が各国の指導者に厳しく質問を重ねる姿に感動した。真のジャーナリズムとはこうあるべき。ただ台本を読むだけ、相手に合わせて気分良く聞くだけの人はキャスターではない。何度も同じことを聞き方を変えて聞く、そういう大事なことがわかったバンクだった。国谷氏の再登板を心から願う。
NHKスペシャル シリーズ食の“防衛線”第2回「牛乳・肉・卵 タンパク源を守れるか」 NHK
- 直接的な食材のみならず、酪農事業において大きな経費負担を強いる家畜飼料さえもほとんど自給出来ていない、という恐ろしい事実。またトウモロコシの世界最大の輸入国が日本であることも初めて知る。1974年時点で既に、深刻切実な食糧危機が指摘されていたにもかかわらず、無為無策、どころか蒙昧愚策を続けた我がニッポン国政治の多大なる罪を思うことしきり。
NNNドキュメント’23「負けるもんか 108歳 日韓の狭間に生きた日本人妻」 日本テレビ
- 戦後の韓国における日本人への苛烈な攻撃迫害の中で生きた在韓日本人女性たち。自らを含めその情況打破にしっかりと立ち向かった國田房子さんに南海放送が長期取材で迫る。彼女の真っすぐな揺るぎない信念、100歳を越えてなおかくしゃくとしたその姿勢、熱情に感服する。
クローズアップ現代「山田太一 生きる哀しみを見つめて」 NHK
- 山田太一で育った世代にとっては格別の番組。改めて脚本家を超えてその時代への野太いメッセンジャーだったのだと思い知る。作品とその珠玉の台詞が後世に繋がれて行く事を願う。ほんとはNHKスペシャルあたりで見たかったです。
国民1万人がガチで投票!アイス総選挙 テレビ朝日
- 「アイスの人気投票」という、シンプルな企画だが、視聴者の誰もが食べたことのある食品で家族間や、SNSで盛り上がれる、メーカーの担当者の一喜一憂を見ることができる、と見ていて楽しい番組になっていた。
NHKスペシャル「メジャーリーガー大谷翔平~2023 伝説と代償 そして新たな章へ~」 NHK
- 今やスポーツはデータの時代なのか。それを活用してフォームをデザインするというその姿は好奇心と向上心の塊である。だからこその偉業達成なのだが、同時にそれは二刀流の過酷さがあり肘の故障という代償もはらうことになってしまった。番組では本人の言葉を引用して投手はこの先やめてしまうような導き方だったが、大谷ならなんとか工夫していってくれるのではないかと身勝手なファンは夢見てしまう。
ふたりのディスタンス「ピース 綾部祐二と又吉直樹」 NHK
- 綾部さんが6年ぶりに帰国することにやや驚いたが、久しぶりにピースとしてライブをするというのに、又吉さんとは事前の打合せを全くやらず、ステージに立つまで又吉さんに会わないというスタンスに驚いた。他人には分からない2人の関係性がそこにはあり、ライブ中の又吉さんが楽しそうに笑っていたのが印象的だった。
タモリステーション「沸騰する地球~2023気候変動が生む負の連鎖~」 テレビ朝日
- タモリステーションは毎回、大変分かりやすく構成されていて、若い人にも見られているんじゃないかと思う。視聴者に対して、平易にしすぎ無いのが良い所だと思う。
- 近年は夏が異常な暑さで危機感を覚える人が少なくないはずなのに、だからと言って何か具体的に行動に移す人は少ないように感じているので、こういう問題を扱ってくれたことにテレビの意義を感じる。
プロフェッショナル 仕事の流儀「ジブリと宮﨑駿の2399日」 NHK
- ぶつぶつと文句を言いながら、それでも自らに妥協を許さないモノづくりはやはり見ていて心地よい。休んで欲しいという気持ちと作品を見たいという気持ちが混在して、揺さぶられるシーンがいくつもあった。
- 実は最新作を見ないままの視聴でした。ジブリ作品は子供の頃からずっと好きでしたが、どちらかと言うと昔の作品が好きで宮崎駿監督作品が好きで、監督の色んな側面を拝見できてより作品作りに対しての想いなども伝わりました。改めて最新作も観てみたいとおもわせてくれましたし、宮崎駿監督の想いに涙が出そうになる場面もありました。見てよかったと思う番組でした。
午前0時の森「おかえり、こっち側の集い」 日本テレビ
- たまたま見た番組で、こっち側の自分としては同調できて面白かった。芸能界というある意味目立つ存在の仕事をしていながら、こっち側というのが観ていて折り合わない気もするのだが。
映像の世紀バタフライエフェクト「田中角栄 列島改造の夢と転落」 NHK
- 田中角栄といえば、ロッキード事件や列島改造論で狂乱物価を招いたなど、負の側面が印象深いが、政界に進出するきっかけが地方と都会の格差是正であり、その手段として道路や鉄道、住宅などの土建であった。それが地方からの陳情を呼び、利権化すると共に、政治力を増す結果となる。目白御殿に多くの人が行列を成すシーンはその権力をあからさまに映し出す。郵政大臣として放送免許を武器に民放の系列化を進めたことも本誌読者ならご存じのとおり。総理大臣になり、日中国交正常化を果たすも、オイルショックからロッキード事件に至る中で首相の座を追われる。その後も地元や政界で強い影響力を持った。新潟県柏崎にある4本の橋のそれぞれな名前から1文字ずつ抜き出すと何と田中角栄になるという。それほどまでに影響力のある政治家が今いるだろうか。
M-1グランプリ2023 テレビ朝日
- 山田邦子さんが最後にさや香にかけた言葉「最後のネタ全然良くなかった」には深く頷いた。決勝まで見てきた視聴者はやや疲れてきており、頭を使うネタだったので、ほとんど内容が入ってこなかった。また、その一言で一瞬で盛り上がり、さや香も救われたように思えた。審査員は大変だと思うが、視聴者が納得する結果であって欲しいと常に思う。
あさイチ「教えて先輩たち!元気になる “7つの質問”」 NHK
- 3人の先輩達が飾らず人生を楽しんでいる姿に好感がもてた。加賀まりこさんの言葉に勇気づけられ、風吹ジュンさんには和やかな気持ちになり黒柳徹子さんからは生きる力をもらった気がする特別な時間でした。
Gメンバーの推薦番組
「報道のチカラ」 CBC
- 去年に続いての年末3時間半の生放送。1年間のニュース特集やドキュメンタリー番組と連動した中身は見応えがあった。大石キャスター以下の奮闘に拍手。地域ジャーナリズムのあるべき姿として、毎年続けていってほしい。
ゆく年くる年 NHK
- 直前までは、喧騒のるつぼのような「紅白歌合戦」の舞台を放送。「歌合戦」ということ自体前時代的に思える中で、何だかんだと言われ、史上最低と批判されようが、視聴率30%超は凄いこと!そんな熱狂の場面が、一瞬で「静寂」「荘厳」に変わるこの瞬間がいい。面白くもない芸人が燥ぐこともなく、アナウンサーの静かな語りの中で、各地名刹などの除夜の鐘をBGMに年が移る。時の歩みという当たり前の、有史以来の出来事を、噛み締めさせてくれる。
あきない世傳 金と銀 NHK
- こんなにいろいろ出演して体調管理は大丈夫か?と、こちらが心配になる小芝風花。本作では江戸時代の大阪で商才を発揮していく主人公の幸を細やかに演じている。相変わらず上手い。本作は、当時の大阪の商いの様子、商家の習慣が、当時の言葉遣いとともに細やかに表現されていて、素晴らしい。舘ひろしをはじめ五鈴屋の面々はベテランぞろいで、安心して人間模様が楽しめる。特筆すべきは幸との淡い恋心を交わす三男智蔵に大抜擢の松本怜生。二人の切ない関係も前半の見どころ。彼をいくつかの深夜ドラマで注目していたが、ここまでの進化を短期間で見せるとは驚いた。
アイドル誕生 輝け昭和歌謡 NHK
- 深夜食堂の宇野祥平を阿久悠にキャスティングしたのには舌を巻いた。彼だからこそ阿久悠が持つ情念の強さを表現できたのだと思う。イケメン俳優ではきれいすぎる。当時の芸能界の混沌とした空気感は覚えているが、舞台裏でのドロドロの描写が実に見ごたえがあった。桜田淳子、山口百恵、ピンクレディーの再現ぶりも要注目。阿久悠が一人立ち寄るレコード屋で流れているのが大橋純子のたそがれマイ・ラブというのには痺れた。
60秒で学べるNews【総理!国民は大変なんです。政治経済激論SP!】 テレビ東京
- いつもは解説者が国側の説明しかしない印象だったが、今回は解説者の中に泉元明石市長がいて、国側とは異なる立場で意見してくれたのでとても学びになった!
クラッシックTV「パワー・オブ・オーケストラ」 NHK
- 番組初の公開収録で東京フィルハーモニーと稲垣吾郎さんをゲストに迎え、名曲をいろいろな角度から紹介して演奏、清塚さんと稲垣さんのお話も楽しかったです。
サントリー1万人の第九 毎日放送
- コロナで中断された時間が動いた瞬間を見た思いだ。日本全国から集まったキャストに裏方の先生やスタッフの数も増え、大変さは過去最高だと思われたが、1万人が困難を乗り越え歌う姿の美しさ。コロナで培った技術も加わり、システム的にも進化したと思った。人の声が素晴らしすぎてひれ伏したくなる荘厳さに圧倒。来年も見てみたい。
ファミリーヒストリー「草刈正雄特別編~アメリカへ 決意の旅」 NHK
- 8月に放送されてから続編を心待ちにしていた。草刈さんの心情を思うと見せていただいていいのだろうか? という気もするけれど、どこかで一区切りつけられたのかと思うとほっとした。
密着!中村屋ファミリー「勘九郎の涙 七之助の宿命 姫路城で歴史が動いた!46年ぶりの衝撃SP」 フジテレビ
- 歌舞伎は門外漢ですが、やっていると見ています。中村勘九郎、七之助兄弟とその一門や家族に密着する恒例シリーズ。今回は坂東玉三郎の当たり役、雨月物語の富姫を受け継ぐべく奮闘する七之助さんを中心に伝えていて、生身の芸を伝承することの大切さや、歌舞伎俳優の絆の強さが胸に迫りました。勘九郎さんの2人のご子息の可愛らしさも印象的でした。
テレメンタリー2024「ほとぼり~1926年木本事件を追う~」 名古屋テレビ
- 関東大震災の3年後、三重県熊野の寒村で起こった陰惨な事件。苛酷なトンネル難工事現場に放り込まれた朝鮮人労働者が、あまりにヒドい薄給、劣悪な労働環境に苦しみ、その改善を雇い主に訴えて騒ぎとなるところへ、不安に駆られた日本人村民たちが大挙してそこを襲撃し理不尽に二人の朝鮮人が虐殺された。時が経つにつれ次第に知る人も少なくなり、埋もれつつあるこの史実をしっかりと掘り起こす労作。こんな事件があったことを全く知らなかったが、他にも日本中でこの手の事象はいっぱいあったのでは無かろうか・・・。
(掲載は順不同)