2023年4月度-月間ノミネート
土曜ナイトドラマ「月読くんの禁断お夜食」 テレビ朝日 | 得票数:177 |
フジパラナイト「田中圭の俳優ホン打ち」 フジテレビ | 得票数:136 |
unknown テレビ朝日 | 得票数:100 |
土曜ナイトドラマ「月読くんの禁断お夜食」 テレビ朝日
- 30分で作るお夜食。夜食なのでヘルシーなメニューになる、真似できそうなど興味をそそられるポイントがあり尚且つミステリアスな空気で展開して行くので面白い。
- グルメドラマの中でも、ちょっと異色なストーリーですが、主演の萩原利久くんの料理さばきが美しくて、見とれつつ、低カロリーかつ美味しそうな料理にほっこり癒されています。実際真似して作ってみましたが本当に美味しかったです。怪しげな兄が今後月読くんをどうしてしまうのかハラハラしながら、月読くんを応援したいと思います。今期一番好きなドラマです。
- 原作漫画の流れを変えすぎることなくキャラクターに新しい解釈(改変)を加えているので、原作ファンでもストレスなく新鮮に視聴できています。1話の中で視点が変わる演出に毎回ワクワクします。土曜の夜にリラックスして美味しいご飯を楽しめるドラマだと思います。
フジパラナイト「田中圭の俳優ホン打ち」 フジテレビ
- 「ホン打ち」という普段視聴者には見られないものを見せる演出が斬新でした。全部その場で決めるというのではなく、3夜共通の脚本部分があるのも各夜のストーリーの違いが際立つ要因になっており良かったと思います。田中圭さんとゲスト俳優さんの生の芝居に痺れました。バカリズムさんのアドバイスも的確で、とても見応えがありました。これはもっと多くの俳優さん達にチャレンジして欲しいし、そのお芝居が見てみたい!是非シリーズ化して欲しい番組です!
- ドラマづくりを知り尽くした俳優と脚本家が、時間的に追い詰められた中でアイデアを出し実行するドキュメンタリーは、とても見応えがありました。きっと演者にとっても手応えのある企画だと思います。
- 短い打ち合わせのみで台本のない芝居にぶっつけ本番で挑む俳優と俳優とのガチンコ対決は、まるで何かの試合を見ているかのような気持ちにさせられました。同じシチュエーションでも3パターンの全く違うドラマが出来上がっていくのは職人芸としかいいようがなく、それぞれの関係性の中、相手役の魅力を引出しつつきちんとドラマを成立させた田中圭さんの力量が素晴らしかったです。進行のバカリズムさんの舵取りがまた絶妙でした。是非レギュラー番組として沢山の魅力ある俳優陣とのセッションを見させていただきたいです。
unknown テレビ朝日
- ボリュームのある内容をとてもバランスよく作りこんでいて、演者も楽しんで芝居をしているというのが伝わる良作。吸血鬼設定としたのもメタファーとして最適解だと思った。挑戦作ではあるが決して荒唐無稽ではなく、制作陣の伝えたいことが一貫しているので、笑いや悲しみの感情以外に深く心に刺さる評価されるべき作品と思っている。
- おっさんずラブチーム再集結で、今まで見たことがない作品を作ろうという意気込みを感じる。細かい伏線や小ネタを拾いながら毎話役者陣の演技に魅了される。ジャンルレスでコメディとシリアス場面の切り替えが早いため、いかに自分の中から固定観念をなくしながら見られるかが、より楽しめるポイントの1つかと思っている。この先の展開も楽しみです。
- 思っていた吸血鬼ものとは一味違う。「多様性をうわべだけでなく、心で受け入れられているか」ということを、押しつけるでもなく軽やかに問いかけてくる。高畑充希さん、田中圭さん、町田啓太さん、吉田鋼太郎さんのやりとりが秀逸で、各キャラクターへの愛おしさが増す。ストーリーと俳優陣の演技の力の相乗効果で面白くなっていて見逃せない。
他に推薦された番組
金曜ドラマ「ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と」 TBS
- 限界状況に置かれた普通の人々の群像ドラマ。しかも、電車ごと未来の荒廃した東京にタイムリープしたという設定。生き延び元の時代にもどるという共通の目的のため、それぞれ人生に悩みや後悔を抱える人々は、少しずつお互いを理解し、協力し、助け合う。山田裕貴の陰のある主人公が徐々に心を開いて本来の優しさを見せ始める演技が自然で巧い。あとは、タイムリープの謎解きに説得力があることを願う。
- 突然異世界に飛ばされた乗客たちが、はじめ状況が飲み込めずにどこか他人事のように誰かが助けてくれるのを待っているところから、少しずつ事態を把握し始めて本性が見え始めて行く様がリアルで、伏線もたくさん仕込まれており今後の展開がとても楽しみ。また、ロケで役者陣が身体を張ってサバイバルをしている臨場感が、ファンタジーにもかかわらず説得力があって引き込まれる。
風間公親-教場0- フジテレビ
- スペシャル2回を経て、満を持しての連ドラ。犯人が最初にわかる「古畑任三郎」方式ながら、独特の緊張感が画面にみなぎります。警察学校を出ての、現場捜査のリアル教場という設定は、ひとつ間違えばコントになりかねないと思うのですが、紙一重でサスペンスとして成立させているところに惹きつけられます。
- 過去2回のお正月スペシャルドラマを経て、ついに月9枠に登場。スペシャル2作はいずれも警察学校、まさに教場での進行だったが、今回は実際の現場が舞台となりストーリーが繰り広げられる。キムタク演じる主人公・風間は冷徹なれど、奥底には指導を受ける者への想いを感じられる点は一貫しており、今作も好演。連ドラながら2回で指導を受ける新米刑事が入れ替わる点や、毎回起こる事件は発生の段階で犯人が明かされ、それを証明していく展開という点などは斬新。テンポ良い進行と俳優の好演で、画面から目が離せない。
金曜ナイトドラマ「波よ聞いてくれ」 テレビ朝日
- この主人公、とにかく喋る、毒づく、喧嘩っ早い。しかも、人の気持ちに寄り添える姉御肌で、稀代のコメディエンヌ小芝風花の代表作になる予感。ラジオ局を舞台に、主人公の周りで起こる人の世のあれこれ。一見突拍子もない出来事も、どこか共感できる普遍性をもって描かれる。現代のマスメディアへの皮肉も盛りこみ、見ごたえ十分。
- 小芝風花さんの全力演技には圧倒された。とにかく面白すぎる。脚本にメッセージ性とか特にないのかもしれないのが、これこそ毎週テレビで観たい娯楽作品No.1。こだわりの良いドラマが乱立する今クールの中にあってイチオシしている自分に驚いている。
日曜ドラマ「だが、情熱はある」 日本テレビ
- 芸人さんたちの努力や苦悩が、立場は違えど共感できるところも多くついつい応援してしまうし、それぞれの役者さんがご本人に限りなく寄せていて見ていてとても楽しい。主役のお二人はとても芸達者で感心して見ています。ドキュメンタリーのようでしっかりエンタメで、思わず見入ってしまいました。
連続ドラマW「フェンス」 WOWOW
- まず思うのはナイチャーの野木亜紀子がこのテーマでオリジナル脚本を書くのはかなり勇気が要ったのではないかな、ということ。沖縄や基地の持つ問題性を、特殊性と捉えず、日本の、あるいは人類共通の問題と捉え直した手法は見事。そして、いつもの野木脚本と同じくエンタテインメント性もふんだんに織り込んである。
- 最終回まで見て「沖縄」「米軍基地」「英語」というだけで犯人を決めつけていた自分の偏見に気付かされました。性犯罪被害が基地の賛成反対に結びつけられてしまったり、声を上げたことでその代償にまた苦しめられる、という現実に驚きと怒りが込み上げました。「沖縄の問題じゃない、日本の問題」この言葉が胸に刺さる作品。
ドラマプレミア23「かしましめし」 テレビ東京
- 一人一人のキャラクターをきちんと深掘りし、現代人の持つ悩みにも寄り添いつつ、大好きな人たちと美味しいご飯をともに囲むことでまた生きていこうと思う、そんな今を生きる人々にほんのりとした温かさをくれるドラマ。それぞれの苦しみは結構深いがお互いが必要な距離は保ちつつそっと寄り添う男女3人の在り方は素敵で一つの理想。今流行りのご飯系ドラマの中でも特に良質で素敵なドラマ。
特集ドラマ「犬神家の一族」 NHK
- 映像化される度に市川版と比べてしまっていたが、今回のドラマは作品そのものの面白さを改めて教えてくれた。ラストの展開に、こうきたか!と唸り、小林靖子が書く大河ドラマを観たいと心底思った。
木曜劇場「あなたがしてくれなくても」 フジテレビ
- 奇しくも23年4月期ドラマでは「パートナーシップの多様性」が各作品で描かれているが、単なる不倫ものというジャンルで納めるのは乱暴に感じさせる。不倫をセンセーショナルに表現するのではなく、むしろ「パートナーと過ごす時間軸の中で生じた、些細な波のずれ」への「静かな内証」から、ひょんなキッカケから同士を得てしまうことでやがて不協和がもたらされるか、という過程を、あくまでも「静」で見せている点が興味深い。
- タイトルから少し刺激的な内容を想像してしまうが、人物の感情を丁寧に描き、夫婦の在り方について考えさせられる良い作品だと思う。役者さんたちが揺れ動く心を繊細に演じているのも良く、配役もはまっている。奈緒さん、瑛太さんはいい役者さんだなと改めて思った。
連続テレビ小説「らんまん」 NHK
- 主人公万太郎と、姉の綾、番頭の息子の竹雄の3人の関係の描かれ方がいい。それぞれ不自由を抱えながら、自分の目指すものを見つけていく姿を半年間見たいと思わせる。
- 正直、あまり期待していなかったのですが、おもしろいです。造り酒屋の後継ぎながら植物学にのめり込む主人公が、幕末から明治への時代の流れに揉まれつつ、生き方を探していく。史実をベースにしながら坂本龍馬やジョン万次郎も登場させ、ほどよく創作(?)を織り込み、物語に起伏がつけられているので楽しく見ています。
水曜ドラマ「それってパクリじゃないですか?」 日本テレビ
- かなり初歩的なレベルだが、このテーマでドラマを作ろうと考えたのは良いアイデアだったと思う。芳根京子や常盤貴子らが好演。重岡大毅が(巧い役者なのに)終始顰めっ面の役なのはちょっともったいない。
日曜劇場「ラストマン-全盲の捜査官-」 TBS
- 日本ではあり得ない全盲の捜査官、その胸を空く活躍にワクワクする。前シーズンの「星降る夜に」同様、障害をハンディキャップではなく、素晴らしい個性として描いていて気持ちが良い。さりげなく盲者への接し方や、盲者の気持ちが織り込まれるのも好感が持てる。高齢化社会とは、障害を持つ人達が増える社会。こういった視点の作品がもっと増えたら良いと思う。
ドラマ10「育休刑事」 NHK
- 新しいタイプの刑事ドラマ。事件を解決していく流れの中で、育児中の悩みやあるあるを取り込んでいて、乳児を育てていた時の苦悩や辛さに共感してもらえているようで毎週楽しみに見ています。
日曜の夜ぐらいは… テレビ朝日
- 3人の女性のそれぞれの人生が生々しくて、共感とも違いますが、何か人間が持つ心の葛藤を素晴らしく表現できているドラマだと思います。主演の俳優さんはもちろん、特に生見愛瑠さんの演技に引き込まれています。演出や音楽も素晴らしく、毎回涙が止まらなくなります。
木曜ドラマ「勝利の法廷式」 日本テレビ
- 元天才子役の弁護士と連続殺人事件の被害者の一人の婚約者だった脚本家。脚本家のシナリオで、裁判が二転三転して真実が明らかになる。深夜ドラマではもったいないような緻密な構成に驚いた。脚本家の抱える謎が今後のストーリーの軸になるのだろう、期待している。
大河ドラマ「どうする家康」 NHK
- 鎌倉殿の後で大丈夫?と思っていたが杞憂だった。大河らしい重みや理解しにくさを取り払った、少年漫画原作のようなドラマだが、ちゃんと面白い。主役は家康だが毎話別の人物がクローズアップされるのもドラマに入り込みやすくて良いと思う。分かりにくければ重厚な訳ではないし、主演の裏の名もなき人々を丁寧に取り上げ、視聴者に想像を広げさせてくれる構成は新しい。時流に乗って少しBL味を入れているところがあざといと思うが、偶に楽しませてもらってもいる。
火曜ドラマ「王様に捧ぐ薬指」 TBS
- 顔が綺麗な人と顔が綺麗な人による、画面が華やかすぎるドラマです。キャストの顔が綺麗なだけでなく、ストーリーの面白さ・演技のコミカルさ・脚本のテンポ感も何もかも良くて、今期一番楽しく見ているドラマです。
藤子・F・不二雄SF短編ドラマ NHK
- 以前放送していた「星新一」の短編ドラマもそうだったが、ダークなドラマを作りたい人がきっとNHK内にいるのだろう。題材的に「世にも奇妙な物語」になりがちなところを、SFドラマとして描いているところが良かった。
スペシャルドラマ「私小説-発達障がいのボクが純愛小説家になれた理由-」 テレビ朝日
- 障害者を、いわゆる健常者は差別しがちで、憐れんだりもするが、それは思い上がりではないかと気づかせる。知能に問題があるのではない発達障害は、芸術や文芸などへの突出した才能の、際立った表現形式かも知れない。そういう相手に、寄り添い・愛を注ぎ・理解共生するには…? 瀬戸康史演じる障害を抱えた小説家と、上野樹里の妻とのディスタンス(距離感)が絶妙。教材としても使える。
ひとりぼっち -人と人をつなぐ愛の物語- TBS
- 「昭和」のホームドラマのプロトタイプを観た。故・橋田寿賀子と石井ふく子プロデューサー率いるTBS組による、安定感に満ちたキャスト陣。家庭の茶の間ならぬおにぎり屋の店のほぼ一場面で展開のストーリー。タイパ優先の「令和」対応には、まどろっこしく思われるだろうが、普通の人々の日々の生活とは、そんなもの。走ってばかりでは息が切れ、やがて失速して倒れる。あまり目立たなかったが、上戸彩が良いアクセントになった。
オシドラサタデー「帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし」 テレビ朝日
- 1年経つと子役はずいぶん育ってしまう。コタロー(川原瑛都さん)の実際の成長ぶりと、幼稚園を出て小学生になった物語の展開がリンクしていて、お膳立てから説得力があります。コタローを取り巻く人々も少しずつ変化が現れるうえに、謎の登場人物も増え、土曜日の楽しみになっています。
合理的にあり得ない ~探偵・上水流涼子の解明~ フジテレビ
- 天海祐希と松下洸平の台詞の掛け合いが見事。息のあったバディ感で話もテンポ良く進んでいくので見ていて気持ちがよい。探偵の依頼を受けるごとに変装する姿は時にクスッと笑ってしまうがあり得ないと謳っているので色々突っ込みながら見るエンターテイメント性の高いドラマだと承知した上で、物語の縦軸となる主人公の事件や助手の謎にはしっかりとメリハリが効く演技力のある両人なので最後まで目が離せない。
ドラマL「ガチ恋粘着獣」 テレビ朝日
- 偶像崇拝は宗教でもある事なのだと思うが、現代ではもっと身近で手が届くと思ってしまうのは反対に辛そうだと展開に見入ってしまった。配信者の世界もあまり知らなかったので興味深く見ている。
火ドラ★イレブン「ホスト相続しちゃいました」 フジテレビ
- ホストが舞台なのですが、久美子は普通の会社員としても働いているので、社会人特に30代にはかなり刺さる言葉が出てきます。「30代、やってやろうじゃん」と勇気をもらえます。あとなにより、ホストのみんながかっこいいです。みんなそれぞれ一本線が通ってて、言葉一つ一つが沁みます。
連続ドラマW-30「ドラフトキング」 WOWOW
- 野球もののドラマというと高校野球とかヤンキーもののイメージしか無かったのですが、プロ野球のドラフトの目玉となる選手をスカウトするスカウトマンとその周囲の物語で今までの野球ものとは一味違って面白い。出てくる名称は架空の名称でも使われているロケ地は実在の球団、高校、企業の球場や練習場が使用されていてリアル。
木曜ドラマ「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」 テレビ朝日
- 元高校教師の熱血刑事VSちょっと鼻持ちならない検事VSエリートの判事。一つの事件を巡って、この三者がどのように関わり、時に対立もするのかを、コミカルな要素もふんだんに取り入れて、しかしリアルに描く。「勾留延長」の許可の判断など、細かな過程も分かる。元カノの判事と検事、魅せられた検察事務官と検事など、複雑な人間像も面白い。事務官の比嘉愛未が接着剤的な役割を好演。
木曜ドラマ23「僕らの食卓」 BS-TBS
- わけあって人と食事をするのが苦手な豊と、母を亡くし幼い弟の世話をしている穣が食事を通して少しずつ心通わせるようになるストーリーで、丁寧に描かれたエピソードに毎話胸を打たれます。徳島県の町起こしプロジェクトの一環として作られたドラマでメインのロケが行われており、徳島の風景を見るのも楽しみのひとつです。徳島を旅行してみたくなりました。
連続ドラマW「フィクサー Season1」 WOWOW
- 映画のような質感で、飽きのこないストーリーに引きこまれ、一気見した。唐沢寿明さん演じる設楽拳一のカリスマ性が魅力。一筋縄ではいかない登場人物の、これでもかというくらいの濃さと、関係性のおどろおどろしさがすごい。そんな中で被害者家族に寄り添う町田啓太さん演じる新聞記者渡辺達哉のまっすぐさが救いでもあり、物語世界への架け橋になっていると感じた。
ドラマ8「弁護士ソドム」 テレビ東京
- 開始早々なので今後に期待だが、入り口では楽しめた。『旧約聖書』に登場する、神の怒りによって滅んだ街・ソドムを用いたということは、単なる弁護士もの、詐欺犯罪ものではないだろう。詐欺擁護専門弁護士と庶民の味方弁護士とが、どこで、どう絡み、変貌するのかが楽しみ。
金曜ドラマDEEP「夫婦が壊れるとき」 日本テレビ
- 海外人気作品の日本リメイク版。ストーリーの軸がしっかりしているので、舞台を日本に置き換えても無理なく受け入れられる。主演の稲森いずみによる、パートナーとの幸福な時間から一転、裏切りを受けたことへの陽子の心理状態の変遷が、見事に描かれている。また、浮気夫・昂太の情けなさっぷりが何とも板についており、夫婦関係の危うさに拍車をかけている。
まつもtoなかい フジテレビ
- 序盤の香取慎吾と中居正広の「どこまでしゃべる?」と居合の達人同士のような緊迫感、緊張感を保ちながら徐々に打ち解けていく空気など何もかもが普段のテレビでは見れないようなものばかりで「すごいものを見ている…!」という緊張感でいっぱいでした。3人が3人それぞれに対する友達としてタレントとして案ずる気持ちが伝わり、この3人だからこそだし、それなりの年齢になったからこそ成し得た事なのだろうなとも感じました。観覧客の涙にもこちらまで胸が熱くなったし、司会が中居香取と縁が深いザキヤマだったのも感慨深く、スタッフからも並々ならぬ愛と気合を感じました、放送後の業界人たちの反応も興味深く、SMAPを追い出したのはTVなのにという皮肉な気持ちもあるけれど、この6年で状況や現場も変わってきているのかなと感じさせられる番組でした。これを皮切りに色々つながったら嬉しいしSMAPはやっぱりテレビスターなのだと改めて思いました。
- 中居さんと香取さんが並ぶ姿に涙するファンの方々に胸打たれました。番組を進行しながらも一歩引くスタンスを取り続けてお二人を見守った松本さん、「みんなで泣きましょう」とファンに寄り添ってくださったザキヤマさんのあたたかさがとてもよかった。業界のタブーに切り込む番組スタッフさんの心意気が見えた気がしました。
魔改造の夜 NHK
- 真面目に大バカをやっている姿が眩しくて仕方ありません。失敗を重ね試作とテストを繰り返し立ち向かっていく若い力、それを後押しするベテラン勢。ライバルの魔改造をキラキラした目で見つめて見守り、失敗も我が事のように悔しがり、改善点を探す…日本のエンジニアさんたちが生き生きと持てる知識と技術を、底力を放出させる姿に力をもらえます。こういった番組は大切に長く続いてほしい。
- 日本の有名企業が、馬鹿馬鹿しいお題に真剣に取り組む姿が感動を呼ぶ。「ベビードールの綱登り競走」では、日本を代表する自動車メーカーがスタートすらできなかったりと、毎回番狂せがありハラハラさせられる。令和版「プロジェクトX」となりうる中身の濃さなのだが、不穏なナレーションや演出のために、深夜番組を脱せないところが惜しまれる。
マツコの知らない世界「ラジオ ゲスト・aiko」 TBS
- ラジオ好きで知られるaikoのラジオ愛が炸裂。伝説の回のアーカイブまで見れてとても面白かった。また、aiko自身のラジオ番組も聴いてみたいと思わせてくれた。
ETV特集「誰のための司法か~團藤重光 最高裁・事件ノート~」 NHK
- 司法の行政への忖度、いや無抵抗の隷属化という情況に、ひとり警鐘を鳴らし続けた裁判官、團藤氏の遺した貴重な雑記ノート。司法が腐り始める大きな転換点となったような「大阪空港事件」を中心に、「司法の敗北」の経緯をしっかりと伝えてくる。「彼は実務裁判官じゃないからね」と團藤氏を冷笑する元判事の姿にはぞっとさせられる思い。「実務」とは、民のことを考えることではなく、お上の意図をくみ取ることですよ、ということか。
NHKスペシャル「ジャパン・リバイバル “安い30年”脱却への道」 NHK
- 日本は今「衰退途上国」にある、との言葉、その認識は極めて妥当だとしみじみと思う。これからこの国は、用意周到にあれこれ手管を使って到来してくる海外資本に、いともたやすくバリバリと食い物にされていくのではなかろうか。この番組では触れられていないが、その切っ掛けが「関西大阪万博」なる例の国際的大イベントになるのではないか、ということもまた思ってしまうのだが…。
ヤギと大悟 テレビ東京
- 初回偶然放送を観てからずっとファンだったのでレギュラー化はとても嬉しいです。ポケモンの後枠というところにもテレ東さんの意気込みを感じます。ポポの愛らしさと大悟の人間力に加えて、毎回ゲストの人柄を感じてみんな好きになってしまう不思議な番組です。お年寄りまで楽しめて愛されてずっと欲しいし、ポポちゃんもずっと元気でいて欲しいです。
ドキュメント「シン・仮面ライダー」 NHK
- 庵野監督らしい作品へのこだわりと、良いものを作る為に妥協しない姿勢、それを支えるスタッフや役者の苦悩や葛藤が伝わりスリリングな内容で、これを観て実際に映画を観に行きました。シン・エヴァのプロフェッショナル仕事の流儀で庵野監督に「僕を撮るより、困ってるスタッフを撮る方が面白いよ」の意趣返し的な構成になっていて(実際に映画のパンフにはこの後急速に監督とスタッフの距離が縮まったエピソードが書かれていた)、シン・仮面ライダー公式が出しているメイキングはこれと対極な和気藹々とした映像になっていて、ドキュメンタリーというのは作り手による意図が大きく介入するものであり、記録映像ではなく作品なのだという事を改めて感じさせられました。
NHKスペシャル「若者を狙う“闇の錬金術”~調査報告 借金投資の罠~」 NHK
- それなりの財産、持ち金はあるが警戒心の強い高齢者でなく、金こそないが世間知らずで無防備な若者にサラ金などでしっかり借金させた上でこれをごっそり巻き上げる、という投資詐欺犯罪の跳梁。大悪党がその姿を全く見せないままで、いとも簡単に若者を籠絡させてしまうことを可能にする、日進月歩のデジタル社会の進展が、こういった犯罪増大の大きな要因となっていることも改めて思い、暗い気分に陥ってしまう。
サラメシ シーズン13「スリランカカレーに昼が来た」 NHK
- 普段は接点のない業種や、紐解くと存在するお仕事を知る事ができるので毎回新鮮な気持ちで見る事ができる。この会は、来日して何十年となるスリランカの方が企業した工場のランチで、ランチの内容だけでは無く、経営者の姿勢や継承すべき技術を習得する人らに感銘を受けた良い企画だったと思う。
それって!?実際どうなの課ゴールデン 日本テレビ
- 釣りロケで、ごくせんメンバーが集結して、久しぶりのやり取りを見られたのは楽しかった。永く第一線で活躍されているから画がもつわけだし、亀梨くんはやっぱり立振る舞いも、見た目もとても好感持てるし、和ませる力もあってとても人間的にできた人だなと思った。即興で生歌も歌ってくれて、サービス栄進旺盛でとても楽しく見られました。
NHKスペシャル「羽生善治 52歳の格闘~藤井聡太との激闘七番勝負~」 NHK
- 2017年、当時デビューから29連勝した藤井聡太に対し、羽生先生の言葉「檜舞台で顔を合わせる日を楽しみに」と今繋がりました。この待ちに待った勝負を記録する素晴らしい番組です!
NNNドキュメント’23 3・11大震災シリーズ103「ひとりじゃない 家族になったボクとおばちゃん」 日本テレビ
- 震災の少し前に離婚して一人で生きていくと決めていたおばちゃんと、東日本大震災によって同居の家族を全員失くしてしまった7歳の男の子。甥と叔母の2人が家族として一緒に暮らすようになっても甥と叔母の距離があった2人が、お互いに大切な存在の家族になっていく様子が、時と共に刻まれて素晴らしかった。
ドキュメント72時間「岩手・大船渡 小さな新聞社にて」 NHK
- 奄美大島のコミュニティ放送局を扱ったときも感じたが、地域のちからを地道に育んでいる地域のメディアには丁寧に光を当て続けて欲しい。小さい新聞の大きな意義を伝えてくれたと思う。
私のバカせまい史 フジテレビ
- 「ブラッシュアップライフ」で才能を見せつけたバカリズムが、タイトル通り狭い分野の知識をプレゼンする趣向。「カノッサの屈辱」的なノリであるが、バカリズムというオブラートで楽しく見せてくれる。ただ、ネタものだけに、長くは続けることができるかどうか。
にっぽん縦断 こころ旅 NHK
- ふだんから(とくに朝版を)見ていますが、めずらしく作品リストに掲載されていたので一票を投じました。おねえちゃんにデレデレするのはお約束の火野正平さんが、まさか朝の顔になるとは。番組は東日本大震災の年に始まったと記憶していますが、もう12年。開始当初らすでに初老だった火野さんですが、相変わらず自転車旅を続けていてすごいなあ、と思います。ぶっきらぼうな中に垣間見えるナイーブさ、やさしさに救われています。
プロフェッショナル「名も無きエース、瀬戸際の攻防~麻薬取締官・X」 NHK
- 麻薬取締官が警察ではなく厚労省の職員だということを初めて知った。警察では許可されていないおとり捜査も認められているのも驚き。まるで映画のようではないか。しかし実際は被害のない犯罪と言われておりその地道な捜査には頭が下がる思いである。まさに「名も無きエース」であった。
映像の世紀バタフライエフェクト「大東亜共栄圏の3年8か月」 NHK
- 大日本帝国が、欧米への対抗、及び資源確保、という自国利益追求の意図によって、「アジア人民の西洋列強からの解放」との建前的大義で展開した「大東亜共栄圏」。真摯誠実にその施策を進めていれば、もしかすると何かしらの文明史転換につながり得たのかも知れない。しかし欧米の徹底攻撃の中で結局破綻を余儀なくされると、一遍にその邪念と矛盾が露呈し不様な終焉を迎えることになる。更に番組は、皇国の動向情況を冷徹に眺め、したたかに自らの能力向上を図っていたアジア諸国の後の指導者たちの深謀遠慮も教えてくれていて、興味深い。
Gメンバーの推薦番組
人志松本の酒のツマミになる話 フジテレビ
- 稲垣吾郎のトーク力に感動した回でした。ぶっちゃけと笑いのギリギリのラインを吾郎さんの方から攻めていき、それに合わせて共演者が最初は恐る恐る踏み込んでいくけど吾郎さんのトークの包容力で徐々に場が和んで安心していき、斬り込みも強くなっていくけれどそれも華麗にいなしていく稲垣吾郎はやはりスターなのだと関心しきりでしたし、やっぱりSMAPってすごいしTVって面白いなとまつもtoなかいと併せて改めて思える週でした。
「偉人の年収How much?」 NHK
- 祝レギュラー番組化。偉業を成し遂げた歴史上の人物の懐事情を深掘りする事で当時の文化や常識などが見えてきます。偉人を毎回演じられる今野浩喜さんが毎回面白いのですが坂本龍馬は本当に坂本龍馬ってこんな人だったのかもと思わされました。
テレメンタリー「干潟のシグナル」 名古屋テレビ
- ゴミ処分場として埋め立て寸前となっていたところを、熱心な住民運動の力でこれを撤回させ、貴重な自然を維持させた名古屋港沖の藤前干潟。しかしやっとの思いで長らえさせたこの渡り鳥の聖地に今、マイクロプラスチックの脅威が着実に浸食し、深刻な環境汚染を起こし始めている。この丁寧な取材は、より普遍的な社会的警鐘にもつながっており、更に深く掘下げた報道継続を期待したい。
(掲載は順不同)