2023年9月度-月間ノミネート

パリピ孔明 フジテレビ 得票数:202
ドラマNEXT「みなと商事コインランドリー2」 テレビ東京 得票数:184
真夏のシンデレラ フジテレビ 得票数:182

 
 
パリピ孔明 フジテレビ

  • パッション系の色彩を全面に出した、「ブチアガる」ドラマに仕上げた。ビジュアルだけでなく、向井理たちキャストがセリフを中国語で会話するような、演技面での工夫が面白い。まずは視聴者の眼を引き付けたので、どんなシナリオを練り込んでいくのか、楽しみ。
  • まさかこの作品のドラマ化とは。しかもこんなにハマるとは。ヒロインは若干キャラクターの路線が違うが、ドラマの味として楽しめる。何より孔明を向井理が生真面目に演じれば演じるだけおかしみが生じて、美形ぶりも相まって目の保養。孔明が回想する過去のシーンが全て中国語なのも、これまでのドラマでありそうでなかった。孔明の主君劉備役をアジア圏から活躍を始めたディーン・フジオカが務めているのも象徴的かも知れない。音楽パートは全て本格的で、実際のアーティスト達が名を連ねているのも期待値が高まる要因だ。
  • 華やかなネオンのような色とりどりのライトと、夜の翳りに満ちた画面作りが、怪しくも惹かれるショービジネスを描く世界と相まってなかなか良かった。そして内容は、適応力の高い落ち着きすぎるくらい落ち着いた孔明と、今時のゆらゆら生きているエイコや三国志オタクのオーナーとの対比が軽やかで、早いテンポにも関わらず世界観の説明も不足なく進み、何度も笑わせてもらった。劇中の歌唱シーンも音楽番組さながらで最高に楽しめた。今シーズンの目玉になる予感。

ドラマNEXT「みなと商事コインランドリー2」 テレビ東京

  • ドラマを通して「自分の想いを伝えることの大切さ」や「大切な人の側に居られることの有り難さ」を学びました。 また、キャストの方々だけではなく、流れるBGMや映る風景、小道具、画面の色味など、全てが美しく、何度観ても飽きることがありません。こんなにも心惹かれる”みなしょー”という作品に出会えたことで、本当に人生が豊かになりました。
  • 心に残るセリフのオンパレードです。誰にでもありそうな日常の中で、大切な人と大きな出来事を乗り越えなければならない状況を、きちんと自分と向き合いながら、でも重くなりすぎず、視聴者に大切なメッセージを伝えてくれるのは流石!と言ってしまうほどです。
    現実なのかドラマなのか分からなくなりそうなくらい、作品の中へ引き込んでくれる草川拓弥さんと西垣匠さんのお芝居と2人の掛け合いが大好きです。
  • 人を好きになったら、それまで見ていた景色が色彩(いろ)づいて見えたり、「明日、会えるかも」って思ったら明日が来るのが嬉しくなったり。そんなキラキラな毎日が送れるんだけど、勿論いいことばっかではなくて嫉妬や自己嫌悪も同時に襲ってきて「あぁ、こんな自分じゃなかったはずなのに」と思うこともある。でも、そんな感情も全部ひっくるめて『この人が好き!』が勝っちゃう。そんな気持ちを疑似体験、いや、何十年ぶりに追体験させてもらえたドラマでした。この夏、泣いて、笑って、恋をして。楽しい夏が過ごせました。
  • 誰かを愛おしく思う気持ちとその尊さを知る人間ドラマでした。世間体や他人の目を気にして本当に在りたい自分を押し込めて生きてきた大人に是非観て欲しい作品です。まっすぐでひたむきな想いは「絶対ない」と信じて疑わなかったこともでも覆せる、そんな可能性を信じて視聴者である自分の人生も変えてみたいと思わせてくれた作品でした。SNSを通じて製作陣がこの作品にかける情熱もひしひしと伝わってきてとても良かったです。

真夏のシンデレラ フジテレビ

  • ティーンエイジャー視聴者にとっては、馴染みやすいラブコメ漫画やライトノベルで描かれる恋愛ストーリーの王道をきちんと押さえた展開であり、登場人物の関係性やストーリー等を理解して話題にしやすい作品だったのだと思う。
  • 結論を視聴者の反応で決める。と、最初から宣言して始めたドラマ。やはりグダグダだったけど、新しいチャレンジに敬意を表したい。特に主役のカップルより萩原利久、吉川愛、白濱亜嵐の3人に終始注目されたのも面白い結果。

他に推薦された番組

大河ドラマ「どうする家康」 NHK

  • どうする家康も終盤となり、一人一人と家臣が去っていく寂しさの募る頃となって来ました。このどうする家康をきっかけに年間通して大河を視聴するきっかけとなってくれた、ファンである杉野遥亮さんの演じる榊原康政の去る時も近いと聞いています。去り行く家臣に感謝し送り出したい気持ちでいます。心の準備がまだできていませんが、感謝と共に。
  • 古沢本は、たまに女性をメインに話を回す時がある。9月の放送は離別させられ輿入れした旭、前夫と死別して家康と出会ったお愛、故郷を捨てて息をひそめる千代、命令で嫁ぐ稲など、男の都合で生きて行く中で「幸せな人生」を探す女性たちに光が照らされた。史実は不明だが、松潤家康はそんな女性たちに寄り添う姿が新鮮。最後に火縄銃を構えた茶々が、最終章への号砲を鳴らす姿が恐ろしく、美しかった。

ドラマチューズ!「日常の絶景」 テレビ東京

  • 「絶景」は、世界の秘境や、名山などに限ったものではなく、日々見慣れた、すぐ傍の光景の中にある。そうした気づきを促し、目の付け所を教えてくれた秀作。そう言われて見ることで、歩道の敷石や街の風景が少し変わって見えてきた。静かな町村さん(伊藤万理華)と、出来る想田さん(石山蓮華)のコンビも、とても相応しい。電線愛好家の石山さんの眼もあったのか? 間隔があっても、30分の枠でもあるのだから、長く続いて欲しい番組。
  • このドラマを思いついた人に座布団一枚。何せ原作は写真集。それが、主人公二人が週末リフレッシュしていく姿を描いた、まったりと心地よいドラマになっている。火曜日深夜30分間だけ私もリフレッシュさせてもらった。

金曜ドラマ「トリリオンゲーム」 TBS

  • 夏にぴったりの痛快なドラマだった。原作をほぼ踏襲しているが、今、旧ジャニーズに起こっていることや対抗策のヒントみたいなものが描かれていて見ていて震えた。最終回は続編に期待があってワクワクした。
  • 性格の違う2人の若者が起業し成功していく物語。現実的ではないという見方もできるが、大企業と張り合い短期間で次々と結果を出していく様子は、痛快で面白かった。テンポもよく、今のような世の中だからこそ、物語の中の明るさに救われた。

ばらかもん フジテレビ

  • 共感しかなく、絶妙に全てが一致したドラマでした。半田清舟を演じた杉野遥亮さんは清舟という人物を「つとつと」と淀みなく迷いなく演じていたように感じました。そしてこのドラマの一番の芯も輪郭も創っていたのは宮崎莉里沙さんが演じた琴石なるです。「可愛い/憎らしい」を共存させた極限に愛らしい存在で、清舟の一番の友達、親友であり、恋人で有り、親で有り、兄妹であり、そして重要な相方・相棒・バディで、貴重な存在でした。田舎暮らしをして自分を見つめ直して、大切なことに気付くというベタと言えばベタな展開で、初めからの既定路線でしたが、まんまとそれに清舟が気付いていく過程の表現を、1話1話を大切に使って描いていこうとする創り手の丁寧さが滲み伝わってきました。

金曜ドラマDEEP「癒やしのお隣さんには秘密がある」 日本テレビ

  • 久しぶりに次回が楽しみなドラマでした。自分の命を救ってくれたが故に異常な執着心を持つ仁科さん。ともすれば嫌悪感を抱かせる役どころを、生い立ちを絡めて観ているこちら側に、気持ちが響いてくる難しい演技を小関さんが見事に演じていて、ラストは心から「良かった」と思わせてくれました。

連続ドラマW 湊かなえ「落日」 WOWOW

  • ある殺人事件の被害者が、幼き日に虐待されていた頃の救いの存在だった。初めての監督映画で受賞し次の作品を最後に、兄に殺されたその女子高生の人生を描こうと心に決めた主人公。偶然なキッカケで知った同郷の脚本家の卵と共に困難な取材を続け、辿り着いた事実とその思いもよらぬ裏腹な真実。そこに幾つもの驚きと考えさせられるものがあり、時間を経て今も心に残っています。

シッコウ!!〜犬と私と執行官〜 テレビ朝日

  • 民事事件で、裁判所の判決が出されても、直ちには受け入れない人たちがいること。そのために裁判所執行官という職務があること。日頃、あまり思いを至らせることのない、こうした現実を知らせてくれた、「啓蒙性」を高く評価したい。実際に、女性の執行官が誕生した時期に重なったのは、番組にとっての“幸運”。主演の伊藤沙莉の、真っ正直で、一生懸命な姿は、悲しさや苦しさを笑顔へと導いてくれた。犬がその媒介をしてくれたのも良かった。
  • あまり馴染みのない職業ですが、ドラマが進むにつれて徐々にその職業の信念に焦点が定まってくることは創り手の思い通りなんでしょうね…。「シッコウ」というドラマ=織田裕二さんをなぞっている様でしたが、小原がシッコウ官としての信念とともに「オジサン」のリアルを届け続ける対比が心地よかったです。ひかりと小原が身長や性別だけでなく、様々な部分で良く噛み合った凸凹コンビがバディドラマとして絶品の域に達していました。

水ドラ25「沼オトコと沼落ちオンナのmidnight call〜寝不足の原因は自分にある。〜」 テレビ東京

  • どこかで引き返せるはず、まだまだ自分は大丈夫。と、思っているうちに戻れなくなるのが、大人の恋愛。だとしたら、本作では、1話ごとに違うタイプの男性の沼にはまっていく女性を描いたこのドラマは、まさしくその過程のあざやかなドキュメント。沼にはまるのは危険ではあるが、これがあっての人生なのだ。

火曜ドラマ「18/40〜ふたりなら夢も恋も〜」 TBS

  • 出産後の話をしっかり描いた事に評価。有栖と赤ちゃんを通して、年代の違う女性キャストたちの結婚や出産、病気への悩みや葛藤がしっかり書きこまれた事も凄いと思う。また有栖の元彼が、彼女に向き合う機会があるのは新鮮だった。決まったレールに乗るのは「幸せなのか」。多様な生き方を見せていただいた気がした。

連続ドラマW-30「にんげんこわい2」 WOWOW

  • WOWOWオリジナルドラマ、落語とのコラボ内容による6話オムニバス。人間の慾深さや情愛、その滑稽で哀しい業を、あやしく軽妙なセンスで切り込んだ可笑しくてこわい作品群である。

土曜ドラマ「遥かなる山の呼び声」 NHK

  • 映画「遥かなる山の呼び声」の現代版リメイクと、山田洋次監督が長年温めてきた続編がセットになった、贅沢な連続ドラマである。まず、オール北海道ロケということで、景色や自然が美しい。酪農を営むヒロイン民子(常盤貴子)が額に汗して働く姿や、バイクでこの地を訪れた謎の男性・耕作(阿部寛)が搾乳を手伝う姿などに嘘がなく、自然と二人の心の距離が縮まっていく様子が繊細に描かれている。脇を固める虻田役の筧利夫、義理の父役の中原丈雄、叔母役の高畑淳子など、キャスティングもぴったりはまっていて見事である。民子の息子・武志を演じる佐藤優太郎が、小学生のあどけない姿から、後半の心を閉ざした中学生に成長する様子を、四年の歳月を経て撮影したドラマスタッフからは、いい作品を作りたいという心意気を感じた。

ドラマストリーム「君には届かない。」 TBS

  • 「大人気漫画の実写化作品」となると、既にストーリーに惚れ込む原作ファンにとっては「見た目(特にキャストの)印象」や「(原作で描かれる背景や心理描写の)空気感」といったものとの親和性があるかという「ストーリーの次の構成要素」が気がかりになるが、これらが上手くマッチしていて、視聴者に安心感を与えているのではないかと思われる。

何曜日に生まれたの テレビ朝日

  • 「コモリビト」を否定せず非難もせず。野島伸司の暖かさが伝わる。奇抜を狙わないラスト、すいが交通事故の事実の紐を解き、仲間と和解し、新しい世界の扉を叩く姿に拍手。
  • すいの引きこもりからの立ち直りの物語だと思っていたらラストに向けて実はもう一つ公文竜炎の救済が軸としてあったとは。こちらの方が闇は深かったけれどすいの強い想いが公文のかたくなな心を開いていった最終話には安堵して涙した。シリアスとコメディーがいい塩梅でカテゴリー分け出来ないドラマで気持ちよく着地できた。

夜ドラ「わたしの一番最悪なともだち」 NHK

  • 主人公がなりたい姿を体現する幼なじみの同級生鍵谷美晴をいつも何処かで意識しながら学生時代を過し、就活で自分ではなく鍵谷美晴のエピソードで履歴書を書き、見事内定を勝ち取る。そしていつしか自分が分からなくなってしまう。何を考えているかわからなかった鍵谷美晴の気持ちが見えて、本音で話せるようになった時、お互い最高の友達だった事に気付く。心の揺れを上手く表現された同級生役の2人も素晴らしかったし、見守る両親やクリーニング店の店主など大人の優しさも心に沁みる良いドラマだった。

転職の魔王様 フジテレビ

  • 職を変わる、職場を変わるということも含めて、転職に関わるエイジェントが実は誰にとってもリアルな存在なんだと突きつけられました。そして1話1話を使って同じ転職にも様々な事情があること、それに関わるエイジェントの「関わり方」や「成長」を流れるように視聴者に届けてくれました。やっぱり振り回されキャラを演じたら小芝風花さんは絶品ですね。来栖と千晴の二人の詳細は描かれませんでしたが、最終話のその先のこの二人が観たくなりました。

ドラマ10「しずかちゃんとパパ」 NHK

  • BS放送時にも見ていましたが、また見たくなるドラマです。クセのある登場人物ばかりですが、視覚障害者の気持ち、その家族の苦労、周りの人物の働きかけなどいつも感じることの無い視点を知ることが出来ます。

土ドラ「ギフテッド Season1」 フジテレビ

  • 1話完結の事件を扱いつつ、増田貴久さん演じる天草刑事の飄々としたキャラクターがだんだん癖になる。平然として見える表情と態度の奥に複雑な感情を隠していることが伝わる演技がちょうど良くて、その考えや抱えている過去を知りたくなる。自分はseason2も続けて見たいと思ったが、season2に視聴者を引き込むために中途半端に終わることなく、season1だけで一旦綺麗に終わっていたのが好感度高い。

ドラマ25「晩酌の流儀2」 テレビ東京

  • 夜一段落した頃にホッとしながら見られる時間帯なのがいいです。拘りの美味しそうな料理(おつまみ)を作り、その肴に合ったお酒をグビグビ、料理をパクパクと平らげていく姿がカッコ良くて、女優さんの真剣なお仕事ぶりにこちらも本気で見とれます。明日の我が家の料理の参考にもさせて貰っています。

木曜劇場「この素晴らしき世界」 フジテレビ

  • 1人の女優が飛んでしまうという作品。職業に貴賎なしというが、やはり大女優がいなくなると、色んな人に迷惑がかかるという話。少しずつ仲間になっていく感じのドラマで面白かった。

ドラマL「around1/4 アラウンドクォーター」 テレビ朝日

  • ずっと、自分の人生で一番楽しかったのは24歳ぐらいだったと思っていた。ドラマの主人公たちは、そのまさにそのあたりの年頃である。しかし、彼らは悩みぬいている。私が24歳のころとは違い、すべての価値観が大転換中で、先行きが見えない今の世。その彼らの今を鮮やかに描いていた。特に良かったのは、松岡広大。個人的には、昨年の同じ放送局(大阪ABC)制作の主演作(壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている)での、とてつもない劣等感を抱えた同人漫画作家役に魅了されたが、今回は色気だだもれの若者。底なしの才能のほとばしりを感じた。同局内での前作の高評価が今回起用につながったという話はさもありなん。

ミステリと言う勿れ 特別編 フジテレビ

  • 整くんの名言に、いつも共感する。特別編でも放送された「ごみ捨て」の話で、このドラマを見続けようと思ったのを思い出した。最初、ドラマ版のおさらいだけなのかと思ったら、新しい物語があって楽しめた。映画も観に行きたい。

科捜研の女 season23 テレビ朝日

  • 曜日移動があったクールのドラマのカラーになじめず、少し距離を置いていたのですが、今クール見てみたら以前の科捜研に戻っていました。スタイリッシュさとかそういうのは別のドラマに任せて、科捜研は「マリコさんの暴走と科捜研の団結と意外な人が犯人」というスタイルを続けて欲しいです。

ドラマ24「初恋、ざらり」 テレビ東京

  • 知的障害と自閉症を持った主人公が健常者の彼にふさわしい普通の人になりたいと奮闘する姿に胸が熱くなった。普通って一体何をもって普通何だろうと考えさせられた作品。人を一途に想う気持ちに障害は関係なく、まさに人間として相手を思い遣り助け合い大切にしたい気持ちが二人を支えて強く生きて欲しいと願わずにいられないドラマだった。

午前0時の森「おかえり、こっち側の集い」 日本テレビ

  • テレビに映る人はすべてあちら側の人たちだと思われていた常識をひっくり返す番組が誕生した。芸能人にこんな一般人が共感する日が来るとは。彼ら彼女らが急に身近に感じられて楽しい。
  • 華やかな存在の面々が、実は派手な世界、そこではじける人たちが苦手…と、やっと仲間を、居場所をみつけたとばかりにオードリー若林に吐露する。エピソードがいちいち可笑しく、愛らしくもある。自分も多分に“こっち側”だと思うので、敬遠していた芸能人の繊細さを知り応援したくなる。

BS1スペシャル「ボクと自由と国安法と 香港600時間の映像記録」 NHK

  • 負け戦を見るのが辛い。でも見ないといけない。雨、中島みゆき、「香港に栄光あれ」…状況だけでなく、情感も伝わってくる。少し前、ミヤンマーの若者が「世界はウクライナばかり見て、自分たちを見ない」と話していた。そのウクライナも、今やガザの影に隠れようとしている。そう、忘れてはいけない。ウクライナも、ミャンマーも、香港も。見続けることから始めよう。

NNNドキュメント’23「危険木D-6〜100万本の景観の犠牲〜」 日本テレビ

  • 観光のために見過ごされて起きた事故なのに、なおも他の危険木は放置されたままだというのは驚きを通り越して呆れる話だ。利益、効率優先の社会の在り方はもっと問われるべきである。

ETV特集「『断らない』ある市役所の実践」 NHK

  • こんな市役所が全国統一であったら生活に困る人が少なくなるだろう。お役所仕事とは「断らない」ことと定義される世の中になったらいいと羨ましかった。

バナナマン日村が歩く!ウォーキングのひむ太郎 BS朝日

  • 知らない土地が放送されることが多いですが、私はこれを観てシューズと骨伝導イヤホン買いました。日村さんと同じ物が欲しくなりました!

ETV特集「リハビリで生きなおす」 NHK

  • 一口に「リハビリ」といってもやり方によって患者の人生を左右するという現実。そこには本人の強い気持ちと医療者の知識と技術がマッチしてこその結果がある。高齢化社会においてリハビリ専門医の育成は急務だと痛感した。

NHKスペシャル「“冤罪”の深層〜警視庁公安部で何が〜」 NHK

  • ただただ呆れ絶句した。内部告発がなければどうなっていたのか。いつ自分の身に降りかかるのかもしれないと思うと恐ろしい。実績を上げるために行われたのであれば公安そのものの存在意義も問われなければならないのではないか。12月末にある裁判の判決を注視したい。
  • どの局も、なぜか手をつけないテーマ。ベールに包まれる公安の意外な稚拙さを、明るみに出した。映像取材も丹念でアッパレ!ドラマも作ってくれないかなあ。

NHKスペシャル「映像記録 関東大震災 帝都壊滅の三日間」前後編 NHK

  • 旧作名画をコンピューターで色付けするのは、随分前からある試みで、賛否いろいろある。しかし、本作が行った、関東大震災の記録映像のカラー化および細密化は、本当に価値のある試みであったと思う。今回日の目をみた生存者の証言と合わせて、当時の被災の恐ろしさと被災者ひとりひとりの実像が本当に良く判った。加えて、有耶無耶にしてしまおうとしているかの言説を繰り広げる政治家もいる昨今、朝鮮人虐殺の事実を、被災者の具体的な証言を基に、明確にしたのは素晴らしい。

情報7daysニュースキャスター「堺雅人さん緊急生出演!!」 TBS

  • 翌日の「VIVANT」最終回に向けて主人公乃木役の堺氏が実に楽しそうにゲストMCを務めていた。安住アナウンサー、三谷幸喜氏どちらも堺氏と気の置けない仲なのも画面から伝わった。またドラマの内容に合わせて「別班」を取材した著書の作者である記者へのインタビューにも興味をそそられた。堺氏も「ドラマの参考にしたかった」と感想を漏らすほどで、視聴者にも一層ドラマへ誘う一助となった。

クローズアップ現代「“ジャニーズ性加害”とメディア 被害にどう向き合うのか」 NHK

  • なぜNHKがジャニ—喜多川氏の性加害を報道しなかったのかの自己検証ということで期待したが、とにかく保身の強さが先にたって残り期待外れだった。もともと30分では視聴者を納得させる検証は無理だと思う。もっと長い時間枠での放送を期待したい。
  • メディア側、主にNHKの制作側の当時の担当者にアンケートした結果の番組。スポンサーのある民放局では見られない踏み込み方だと思う。内容的には被害の大きさに対して責任があったと明確に記載している担当者は少ない印象。弁護士と現在のクロ現担当者がさらりと再発防止とまとめて終了。短時間で未消化な感じだが今後の深掘りを期待したい。

NNNドキュメント’23「私のこと、まだわかる?〜夫は若年性認知症〜」 日本テレビ

  • 若年性認知症は、まだ身近な問題として受け取れない部分が世間にはあると思う。自分は医療従事者なので、多くの患者や家族がこの問題に向き合いながら生活している姿をみている。病気自体が世間に認知されないと、地域で生活するにはハードルが高い。病気を知る、興味を持ってもらうのにとてもよい番組だった。

ディープフェイクの衝撃 生成AIの光と影 NHK

  • SNSは今やなくてはならぬものになっているが、そこにいつの間にか入り込んでいるディープフェイク。時に世界経済を動かす影響力を持つとあって、現代人がしっかり知って振り回されぬように知っておくべきことだと思った。

水曜日のダウンタウン TBS

  • 13日放送の全国シャッター商店街ランキング。シャッター率でその状況の深刻さが伺える内容であった。昔は天下の台所であった関西圏がシャッター率が高かったというのも興味深い内容であった。

レギュラー番組への道「危険なささやき」 NHK

  • 事前にSNSで盛り上がっていた番組。旧統一教会にはまった本信者の実体験と裁判記録を元にドラマ仕立てでわかりやすく、心理学の専門家も登場し、しっかりした裏付けと注意喚起がされて良いと思った。

Gメンバーの推薦番組

六角精児の呑み鉄本線日本旅「夏、富山地方鉄道、黒部峡谷鉄道を呑む!」 NHK

  • 日本各地の鉄道と地酒造りの探訪が六角さんの個性と相まって廃線の哀愁や地酒の魅力が引き立つ良作。家族で楽しみにしている。

水曜ドラマ「こっち向いてよ向井くん」 日本テレビ

  • 従来の恋愛ドラマは女性が主役で男性側の考えは通り一遍な印象だったが、主役が男性だと令和の女性との価値観のズレがこれほど描けるのかと目からウロコの作品。
  • 心地よくのんびりと進んで行くようで、画面から一方的に届けられる場面とセリフは、観手にとってはなかなかトゲのあるエッジの効いたドラマだったように感じました。赤楚衛二さんが演じた向井悟は視聴者からするとずっと「なにやってんだ…」と思いながらもなんとなく共感する部分もあって緩く突っ込みながらも動向が気になってしまいました。その頼りなさそうなんだけど我が強いという向井を赤楚衛二さんが絶妙に演じていました。ただ一つ残念で余計だったことは放送の前番組「上田と女が吠える夜」とのコラボです。視聴者はフィクション、ファンタジーの世界とはいえそのドラマの中に入っているので、いたずらなPR的なために現実に引き戻される趣向は要りません。

日曜劇場「VIVANT」 TBS

  • この夏最大の話題作が迎える最終回。最後まで二転三転する物語、登場人物たちの交錯する熱い思い、エンドマークを迎えてもなお残る謎。心の底から堪能させてもらった。日本の地上波TVドラマの可能性をこれほどまでに鮮やかに見せつけてくれて感謝しかない。福澤監督にはこれからもTVドラマを制作してほしいと切実に願う。
  • ネット配信ドラマも話題になっている中、マスであるTVでしかできないリアルタイム巻き込み型のエンターテイメントで、SNSだけではなく職場や外食の場でドラマの話で盛り上がるという経験を久しぶりにできたし、人の考察を読む楽しみもあり、今の時代ならではの盛り上がりに改めてテレビドラマって面白いと思えた作品でした。続編を希望していますが、劇場ではなく是非またテレビの連続ドラマでやって欲しいです。

連続テレビ小説「らんまん」 NHK

  • 実在の植物学者とその家族をモデルに丹念に描いた、実に美しい物語が終わった。中だるみもなく、途中でストーリーが破綻することもなく、緻密に作り上がられた構成は見事としか言いようがなかった。華やかな演出や派手なエピソードは見られず、朝ドラの中では地味な部類に入ると思うが、品があり可憐で凛とした、まさに草花を摘んで作った花束のような作品となった。

DOC(ドック)2 あすへのカルテ NHK

  • イタリア人医師の作家が実話をもとにした小説の医療ドラマシリーズ2でとても面白い。ミラノの総合病院を舞台に利己的で横暴な医長だったファンテイが患者の親の誤解により撃たれ12年間の記憶を失くす。穏やかな正義感あふれる温かな性格に変わったファンテイがスタッフ達や離婚した妻の上司と共によりよい医療を苦悩しながら目指す人間味あふれる医師達のドラマです。

漫画家イエナガの複雑社会を超定義「空前のプロテインブーム」 NHK

  • 健康のため筋力をつける助けとなるプロテインを購入しようと思っても、売り場の前でその多さにボーゼンとしていた。今回はそのプロテインの選び方などわかりやすく解説してくれ実益をかねて役に立つ情報だった。

オリジナルドラマ「潜入捜査官 松下洸平」 TVer

  • バラエティとドラマをつなぎ、しかもTVer初のオリジナルドラマ。ふざけた軽い内容かと思いきや、松下洸平さんの演技力をたっぷり楽しめる見応えあり。

ウエストランド錦鯉の考える人 CBC

  • 4週限りの放送。ウエストランドと錦鯉のM-1チャンピオンが2本のマイクで世の中の様々な事象を話し合う内容。気にしすぎる渡辺、井口VSあまり考えない長谷川、河本の構図が面白かった。

このハンバーガー、ピクルス忘れてる TOKYO MX

  • 1話は下着泥棒の心理と男性器の呼び方を主人公(平井亜門くん)が面白おかしく話すのではなく至って真面目に真剣に話します。その会話劇がとても面白いです。全4話で構成されていて時系列がバラバラですが全て最後繋がってタイトルの伏線回収もバシッと決まって気持ちがいい作品でした。

ぶらぶら美術・博物館 BS日テレ

  • 旬の展覧会を訪ね歩く、13年半続いた番組が今年9月末であっさり終了してしまいました。いまだにぶら美ロスです。最後は国立西洋美術館の常設展、という平熱な感じが、より一層せつない最終回でした。山田五郎さんのもはや変態レベルな博識に、おぎやはぎの矢作さんが審美眼をレベルアップさせていくのに対し、ずっと煩悩まみれで印象がド直球な小木さん、そして高橋マリ子さんの不思議な着眼点。訪れる美術館・博物館と制作側の信頼関係も厚かったようで、終了が惜しまれてなりません。期首特番でもかまわないので、ぜひ復活を希望します。

木曜ドラマ「ハヤブサ消防団」 テレビ朝日

  • さすがの魅せるミステリー&サスペンスドラマでした。根底の本質はかなり重い、ディープな世界ですが、その部分ではちゃんとワクワクさせておいて、ドラマの表面上はそこまで重く、暗くしない、ならないという絶妙な塩梅を通っていました。主人公の三馬太朗を演じた中村倫也さんの飄々とした良い意味で軽い感じの演技が、そこまで重さの押しつけにはならなかったんだと思います。ハヤブサ消防団のメンバー一人一人のキャラクターがきっちりと際立ち、それをそれぞれの俳優さんたちが楽しそうに演じていました。最終回の着地も見事で1週間隔で見るという形の連ドラとしての特徴を活かした秀作でした。

(掲載は順不同)