2024年12月度-月間ノミネート

第75回NHK紅白歌合戦 NHK 得票数:98
土曜ドラマ「放課後カルテ」 日本テレビ 得票数:90
嘘解きレトリック フジテレビ 得票数:81

 
 
第75回NHK紅白歌合戦 NHK

  • B’zのサプライズ登場に盛り上がる会場の熱気が視聴者側にも伝わりました。また、能登の方に寄り添いながら歌う坂本冬美さん、41年振りのTHE ALFEE、25年振りのGLAYなど、歌の持つ力強さ、届けられる感動や興奮は、紅白ならではのものだと感じました。
  • いろいろな意見はあるが、世代もジャンルも越えた歌を一気に聴くコンテンツは他にない。ほとんど知らなかったり聴かず嫌いだったアーティストと出会って好きになる機会として紅白は貴重だと思う。今年は特にB’zをはじめ特別企画枠の存在感が格別だったので、これからは紅白の組分けや勝敗にこだわらないあり方を探ってほしい。
  • 年頭の能登地震の被災者に寄り添った曲選や、審査員にゆかりのある曲が多かった。二部のGLAY、B’z、THE ALFEEの50代60代70代のバンドサウンドに興奮。高齢化社会に向かう中、同世代の人々に「人生の後半世代でも、まだまだ社会でがんばれる」とエールをもらった気分。

土曜ドラマ「放課後カルテ」 日本テレビ

  • タイトル「放課後カルテ」は牧野先生が児童達を観察し見守り、そして寄り添った証で毎回放課後に書いていたシーンがそれ(カルテ)だったことが最終話で回収されて見事だった。卒業式がメインではなく純粋に子供達が健康に未来へと前を向けるメッセージが伝わって心から涙した。牧野先生の医師としての成長も気持ちよく応援できたのは言うまでもなく松下洸平が演じたからだろう。ぶっきらぼうでも優しさが伝わるのは彼のもつ人柄。それゆえ微笑ましく愛しい存在となりました。
  • 困った子を“困っている子”だという視点に立ち、その子を責めるのではなく、その子が困っている事象の原因をつきとめ、どう取り除けば良いのかを考えていく牧野先生(松下洸平)の姿勢に共感。小学生の息子もハマり、親子で楽しんだ。
  • ちょっと態度が大きいなと思う節はありながらも人に媚びない自分の信念と医師として確かな観察眼で子供と接している小児科医牧野先生を松下洸平さんが見事に演じられていたと思います。また一話から最終話まで牧野先生の考え方や心の変化を脚本や演出によって無理なく感じられる仕上がりに心に残る作品の一つになりました。

嘘解きレトリック フジテレビ

  • レトロのようで今風、懐古趣味のようで現代趣味。不思議な時間と空間を醸し出したちょっと異質な物語。嘘が聞き分けられるという能力設定は荒唐無稽だが、いつの間にかその嘘解きに自分も参加していた。そして、回を重ねる度にいつの間にか自分も嘘が聞き分けられるようになったと錯覚してしまう。レトロな街並みと時代の空気感、続編を期待したい。
  • 松本穂香さん演じる鹿乃子がやっと自分の住んでいる場所を母親に手紙で伝え、再会できたエピソードはとても心が温まった。最終回では鹿乃子が左右馬を想っていることに気づく。嘘を見破ることが出来る鹿乃子だが、真っ直ぐな心根の左右馬に惹かれていくのも必然。ミステリー要素は低く最終的にラブコメだったが、観たあとはほっこりと優しい気持ちになれるドラマだった。
  • 世界観、俳優、演出が見事に一体化した秀作で、この作品が「嘘」の奥深さと「嘘をつく」ことの優しさを教えてくれました。まずは見事に昭和初期の町と世界観と雰囲気を美術スタッフを始めとして演出にいたるまで、違和感なくむしろ心地よくこの世界に入り込め、さらに鈴鹿央士さんと松本穂香さんの表現力と演技力が、心地良く昭和初期の作品に全く違和感なく視聴者を誘ってくれました。松本穂香さんの正に嵌り役で、鹿乃子の優しさと苦悩と迷いと幸せを秀逸に表現されていて、正に鹿乃子そのものでした。その鹿乃子の受けとして鈴鹿央士さんも受け手と攻め手の切り返しを心地良く演じられていました。

他に推薦された番組

スペシャルドラマ「グランメゾン東京」 TBS

  • 連ドラと映画を繋ぐものとして絶妙な立ち位置の作品でした。映画への期待値を高めながらも、映画には出演していないキャストによる新しい世界線を構築していて別視点を楽しめました。また、とにかく料理シーンのスピード感と心躍る演出が素晴らしかったです。キャスト・スタッフの息の合った雰囲気が随所に感じられました。
  • 熱せられて弾けた音とともに丸まってゆく魚の皮。蒸発するワインの音と湯気。厨房を歩き回る声…味覚はなくとも、目と耳で「美味さ」を表現する術を、このチームは知っている。コロナで倒れた店も多い中で、生き残りを図ろうとする尾花さんや倫子さんを通し、おいしいものを追求する、再起にかける料理人たちへの熱いエールを感じた。

マイダイアリー テレビ朝日

  • 静かな素敵なドラマでした。ある意味淡々と進んでいるかのようなストーリーに実はもの凄く大きなうねり、抑揚、感情変化があってそれを演者が静かに激しく演じていくことがこのドラマの凄さだったのかもしれません。清原果耶さんの「やさしさ」が吉にも凶にもなる優希の生き様を静かに、しっかりと、内なる感情を持って演じる力は秀逸でした。さらに常青大学の同級生を演じた佐野勇斗さん、見上愛さん、吉川愛さん、望月歩さんが実はもの凄く個性的な同級生達をしっかりと内に秘めて演じることで、この少しほんわかとしたドラマの輪郭がしっかりとして締まりのあるものになっていきました。視聴率的に振るわない評価もありますが、こういうじっくりと内面で動く感情をしっかりと描き出す貴重なドラマが高評価となることを望んで止みません。

連続ドラマW「ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪篇―」 WOWOW

  • ずっと楽しみにしていたドラマ編。最後までどの話も素晴らしかった。北海道刺青囚人争奪篇の最終話、満を持してでてきた鯉登少尉はここまで再現度高いのもないのではないかというくらいに3次元化され、かつ、表情豊かだった。どの登場人物も今後の展開が楽しみになったドラマ編だった。原作への愛とリスペクトがある映像化は視聴者を幸せにしてくれる。
  • アクションシーンは迫力満点で、キャラクターたちの個性も非常に魅力的です。特に、杉元佐一とアシリパのコンビネーションが見どころで、彼らの成長と絆が深まる様子は心温まります。また、この作品の大きな特徴のひとつは美食シーンです。北海道の豊かな食文化が色々な場面で登場し、登場人物たちが食事を通じて絆を深めたり、個性を見せたりする場面が多いです。食べ物に対する描写は非常にリアルで、美味しそうな料理が画面を彩ります。

サ道 2024SP ~誰しも 何かを胸にととのう~ テレビ東京

  • サウナがテーマながら、そこに集まるサウナーのそれぞれの人間模様の悲喜こもごもがジーンと心に沁みる。SPでは一人一人にスポットが当たり、ちょっと悲しすぎるぞ、と思いながら見ていました。リアリティのないドラマが多い中で、妙にリアリティが感じられる落ち着いたドラマでした。

モンスター フジテレビ

  • エンタテインメントのために間違いなくいろいろなリアリティを犠牲にした筋運びではあったが、人物設定が巧みでとにかく面白い。そして、何よりも主演の趣里の魅力が爆発した企画だった。シリーズ化を期待する。
  • 面白い、魅力的なドラマの要素がてんこ盛りの秀作でしたが、最後まで観ないと本当に連ドラって分からない魔物、モンスターなんですね…。脚本の力を演者が何倍も魅力的に演じるというオリジナル脚本として、さらに地上波連ドラの醍醐味を味わわせてもらいました。リーガルものとしてしっかりとした案件の解決方法の痛快さ、そこまでの過程を飄々とでも毅然と描き、大どんでん返しも入れ込みつつ、負けた亮子が大泣きするという外しも盛り込まれた作品は、地上波連ドラのちゃんとした作品でした。

きみの継ぐ香りは TOKYO MX

  • 主人公を40歳くらいに設定し、自身の学生時代や思春期の子供達の出会いや相手に対する思いなど、多様性などや親子の関係性などをうまく描いていたと思う。

土ドラ「バントマン」 フジテレビ

  • 福利厚生の一環として、社員の悩みを改善し解決できるようサポート(バント)する話なのだが、メンバーはひと癖あるし、戦力外通告をされ再起を目指す野球選手が放つ自由な言葉がいい。戦略を練るのに野球用語を用いたり、チームで作戦を立て試行錯誤しながら解決に至るが、サポートを受け取る側から見たら、少しありがた迷惑だったりするところも。しかし、モノを言えるご近所さんが少ない中、親娘や夫婦での悩み事を第三者が新しい意見で導く、温かな結末になる所は良かった。

十角館の殺人 日本テレビ

  • 原作小説のファンなので映像化を楽しみにしていました。あの一文をどうやって表現するのかとワクワクしていました。小説とは異なり最初から「何となく怪しい人物」として表現されてはいましたがさり気ないカメラワークなどが効いていて、原作小説の犯人が分かる方も分からない方もどちらも楽しめる感じになっていたと思います。

特集ドラマ「コトコト ~おいしい心と出会う旅~」 NHK

  • いわゆる「グルメ」で有名な土地ではなくて知る人ぞ知る土地での物語なのが良い。主演のキャラクターも合っているし、地元の人との交流も温かい。シリーズ化とのこと、楽しみにしています。

ドラマイズム「その着せ替え人形は恋をする」 TBS

  • そんなに有名な俳優が出ているわけでもなく、お話としても軽いコメディなのですが、何かを一途に「好き」だと思う気持ちを素直に描き、とても読後感の良い作品に仕上がっていたと思います。

木ドラ24「下山メシ」 テレビ東京

  • 「人はなぜ、山に登るのか?」。これで、しばらく哲学対話もできそうだが、そんな堅苦しいドラマではない。登山はオプションだと言ったら叱られるだろうが、本格的な登山家ではない者にとって、下山後の食事の楽しみは、まさしく共感! 自分への乾杯と居酒屋や町中華での在り来りのメニュー。これが堪らない。何とも満足そうに平らげる志田未来もタマラナイ!

木曜ドラマ「オクトー 感情捜査官 心野朱梨 Season2」 日本テレビ

  • 人間の感情を色で読み取る。飯豊まりえが演じた朱梨のような人は、実在はしないだろう。然し、空想物語ではなく、アメリカの心理学者プルチックによる説を下敷きにしているために、深入りをさせてくれた。悲運に遭った姉妹が再開でき、笑顔を取り戻せたのも束の間、学説にはない「黒(殺意)」の色が見えた! これはSeason3への予告と理解した。

ドラマプレミア23「Qrosの女」 テレビ東京

  • 週刊誌の記者に対する世間の反感よりも、一般人の拡散や誹謗中傷、民衆の目が恐ろしいことがよくわかるドラマでした。連ドラ初出演の矢口役影山くんのお芝居も新人記者としていろんな表情が出ていて良かったです。

木曜ドラマ「ザ・トラベルナース」 テレビ朝日

  • 前作に続く中井貴一と岡田将生のコンビ見たさに覗いてみたら、これが前作同様、あるいは前作以上に面白い。2人の小気味よい言葉のキャッチボールと脇を固める芸達者な役者たちもみんな楽しそうに演じている。役者が楽しそうに演じているのを見ているとこちらも楽しくなってくる。

火曜ドラマ「あのクズを殴ってやりたいんだ」 TBS

  • スポ根と恋愛ドラマの両立がちゃんと成り立っていた綺麗なドラマでした。結婚式の日に花婿に逃げられるという比較的ベタな展開で始まりましたが、その後はその花婿には全く触れず、新しい「クズ」っぽい男性との出会いから「殴りたい」→「ボクシング」を始める流れは少し無理があるようにも思えましたが、それでも佐藤ほこ美を演じた奈緒さんのボクシングに真摯に打ち込んでいく姿が説得力を与えていました。ボクシングに打ち込むスポ根ドラマと「クズ」との恋愛ドラマが綺麗に両立したストーリーは、観ていてある意味単純で分かりやすく、ある意味ミックスされて複雑なドラマとして成立していました。

ドラマ25「絶メシロード 2024」 テレビ東京

  • どこにでもいそうな中年のしょぼくれた男が車中泊して出先で飯を食うシリーズの最新作。相変わらず何が起こるわけでもないのだが癒されてしまうのは、主演の濱津隆之の味だろう。第一シリーズは2020年の始めだから、もう5年前なのか。なにやら男も男の車もショボくなってしまっているが、続けてほしいシリーズだ。

連続テレビ小説「おむすび」 NHK

  • 被災した幼かった結が「おむすび冷たい、チンして」の言葉を恥じ、仕事にしてどこでも誰にでもどんな時でも美味しいものを提供したい強い思いが、ドラマの軸。温かい食べ物は心も温めてくれる。被災の経験は対策・医療・再生の他にも生かされてゆくはず。食事も「生きるため」には忘れてはならない重要なアイテムだと改めて感じる。

ドラマチューズ!「ウイングマン」 テレビ東京

  • 特撮ドラマはちゃんと観たことなかったが、このウイングマンを観ていると特撮ドラマの深さとか魅力に触れられて、特撮ドラマの世界のイメージが変わった。本当に細部までこだわりを感じて面白かった。演者の気合いも伝わってきた。

オクラ 迷宮入り事件捜査 フジテレビ

  • 新しいタイプの刑事ものドラマのように思いました。キャストが新鮮で、今後の続編なり映画化スペシャルドラマ化が望まれます。杉野洋亮さんが初刑事ドラマに主演、これまで演じてこなかったキャラクターで、演技の幅がまた広がり将来が楽しみです。

100カメ「オードリー東京ドームライブ 16万人が熱狂した“伝説”の舞台裏!」 NHK

  • ラジオのファンイベントがついに東京ドームへ、1年以上前からの準備に密着し当日の裏側までたっぷり知れた。オードリー2人の独特の距離感やスタッフとの関係性などが知ることができる貴重な番組となった。
  • 東京ドームという超広い空間でお笑いトークライブを作り上げていくプロの姿と当日お客と一緒に笑っているスタッフに支えられているオードリー。チャーリー・シーンにこだわる春日とそれにあの手この手で抵抗するスタッフと若林の攻防が微笑ましくもあり、今までで一番笑った100カメでした。

M-1グランプリ2024 テレビ朝日

  • 審査員が若返り、出場者の感覚に近かったからか、コメントの一つ一つが寄り添っていたように思えました。初の審査員だった若林さんの、バッテリィズのエースくんに対する「ワクワクするバカ」は、最高の讃辞になったと思います。
  • 今年も楽しく見れました。しゃべくり漫才が復権した中、最初からヒールとしてやってきた令和ロマンが前回同様トップバッターでそのくじ運の強さに震えました。作り込まれた漫才が多い中、巧みに勢いを押し出したバッテリィズの登場はまだまだ知らない漫才があるのだなと感心しました。そんな中、最後に自分たちのスタイルを全く崩さずやりきったトム・ブラウンが大好きです。

100分de名著「有吉佐和子スペシャル(1)~(4)」 NHK

  • 母の蔵書を引っ張り出して読んでいるところだった。堀内敬子の語りがとても良かった。ずいぶん昔の小説なのに題材も感覚も古臭くならないし文章が程よく軽妙で瑞々しい。「恍惚の人」は令和版にしてクドカン脚本でドラマ化してほしい。

NHKスペシャル「“国境の島” 密着500日 防衛の最前線はいま」 NHK

  • 近年沖縄県の先島諸島に自衛隊の部隊がおかれていることは知っていたが、現実はこんなに緊迫していたのか。なにしろ有事に島民の避難先までもう決まっているのだという。与那国の町長が島民の避難予定先の佐賀県に視察に行った映像には心底驚かされた。大都会でのほほんと生きている自分を含めた視聴者に突きつけるものは重い。

ザ・ノンフィクション「あなたの願いはなんですか ~夢をかなえる処方箋~」 フジテレビ

  • 願いが叶うわけですが、切なくも儚く…何とも言えない気持ちになりました。私はここまで強くない、いや誰だってそうかもしれない。でもそこに立ち向かっていく姿と支えてくれる人。そんな仕事もあるのかと新発見でもありました。

NHKスペシャル「海獣のいる海 あるトド撃ちの生涯」 NHK

  • 寡黙だが、心が震える作品。老漁師の生き方は、ただただ命を尊ぶという点で、生活の隅々まで筋が通っている。その生涯の最終盤を丹念な取材で描くが、表現はミニマムかつダイナミックで、静謐さが貫かれている。テレビドキュメンタリーの極北を感じた。

NHKスペシャル「死亡退院 精神医療・闇の記録」 NHK

  • 疑惑の院長が駆る高級外車の映像を何度見たことか。その院長に直接取材した取材班の粘りには頭が下がる。が、 院長の言葉は何の解決にもならず、虚しいばかり。今回の「闇」は、薬の過剰投与など不可解な医療行為が患者の大量死を招いたことだ。これこそ刑事事件なのだが、取材班の目は、さらに先へ行っている。こうした医療機関に依存せざるを得ない私達の社会、それこそが究極の闇。恐ろしい番組だ。
  • 滝山病院の事件はひどいものだったけれどその要因は一民間病院だけの問題ではなく国や行政そして私たち社会にある。合併症のある精神病患者を受け入れる病院が他にないからなのにそこで病死してしまっては正しい治療がはたして行われていたのか。皆見て見ぬふりをしていた事実にきちんと向き合っていかなければならない。

NNNドキュメント’24「平和色の写真 ~よみがえる被爆者の記憶~」 日本テレビ

  • 庭田杏珠さんは学生時代から活躍が紹介されていたが、取材する側に回ったことをこの番組で知った。 まさに、適材適所。場を用意した局の側にも拍手。 多分今後はテレビの枠を超えた活動をされるような気がするが、テレビの方にも新しさと活力を注入してほしい。

情熱大陸「2夜連続スペシャル!イチロー」 TBS

  • イチローの野球にかける思いと松井との対談がとてもよかった。イチローも松井も山も谷も経験して、それでも野球が好きで、野球を大切にしている思いがとても伝わってきた。
  • 素をあまり見せないイチローの特集で、興味深く見た。後進の指導に心を配っているイチローがステキだった。年齢を感じさせない。見た目は確かに白髪になっているし、現役から体力が落ちているのかも知れないが、私から見れば、若い頃と変わらない姿のイチローだった。

NHKスペシャル「調査報道新世紀File8 追跡“PFAS汚染”」 NHK

  • この問題、取り上げるメディアが偏っていた印象だが、ようやく全国的な問題だと理解されつつある。番組は、軍事や大企業の壁など、この問題の闇の部分を丹念に描く。 それにしても「メディアが取り上げないまま、フェードアウトしてくれれば良い」という防衛・行政関係者の言は何ごとか。 全国の記者の皆さん、もっと怒ってください。
  • 見ていてとても歯がゆい。発がん性が疑われているのに国も行政も積極的に動かない。あわよくばうやむやにしたい思いが透けて見える。欧米の疑わしくは規制する「予防原則」の考え方がうらやまい。日本は過去の経験を生かさなければまた繰り返すことになってしまうだろう。

堂本兄弟2024 フジテレビ

  • 毎年恒例の同窓会のようなほっこりトークとジャンルレスな豪華ミュージシャンによる堂本ブラザーズバンドの生演奏でゲストやKinKiKidsが歌うスタイル、やっぱり良いな。年イチと言わずもっとやってほしい。

NHKスペシャル「悲しみを癒す人生レシピ 栗原はるみの“ひとりごはん”」 NHK

  • 誰かのために作るごはんの「誰か」を失ったら、なんのために作るごはんなのかわからなくなった。ひとりごはんに行き着くまでにはいろんな葛藤や悲しみがあったと思うのですが、それでも「ごはんを作る」に行き着いてくださってよかった。

輝く!日本レコード大賞 TBS

  • 最近歌番組を観ても口ずさめる歌が少なく思っていたが新人賞もレコード大賞受賞曲もよく街なかで流れ口ずさめる曲でよかった。Mrs.GREEN APPLEの2連覇に受賞後の彼らのコメントや演奏は胸に込み上げるものがあった。

映像の世紀バタフライエフェクト「ナチ親衛隊 狂気の実行者たち」 NHK

  • 見続けるのに忍耐がいる映像の連続だった。大量の銃殺に隊員たちが耐えられなくなったために考えだされたのが毒ガス室だったとはもう言葉もでない。ヒトラーがユダヤ人抹殺に何故邁進したのか。今も世界各地で起こっている民族の対立。私たちはこの記憶を語り継がなければならない。

水曜日のダウンタウン「名探偵津田 第3弾」 TBS

  • ベタな展開に予測できる面白さと、わかっているはずなのに「次に起こること」が予測できない面白さが入り混じる、虚構と現実を行き来する津田さんの心情はまさしくドキュメント。実際に鍵となるインスタの写真投稿をリアルタイムで見ていた方は背筋がゾクゾクしただろうなと思うと羨ましさすら憶えました。次の展開も期待したいです。

本日の司会は オードリー若林! NHK

  • 企業の商品開発で打ち合わせが膠着している会議に、若林さんが入り、話をまとめると言う企画。若林さんの話をまとめて行く流れを作る力が非常に良かった。企画打ち合わせはどうしても膠着状態で堂々巡りしがち。まず社外の人という所で新しい視点が入るのが1番だが、膠着状態のポイントを短い時間で見抜き、どう方向性を作るかと言う指し示す方向をつける若林さんの力が素晴らしかった。

Gメンバーの推薦番組

TXQ FICTION「飯沼一家に謝罪します」 テレビ東京

  • 鬼才・大森時生プロデューサーによるフェイクドキュメンタリー「TVQ FICTION」の第2弾。24年4月放送の第1弾「イシナガキクエを探しています」は今一つだったが、本作はホラー作品としての構成が見事だった。一人のディレクターが詳細不明の「謝罪番組」の謎を追い取材を続けると、飯沼家という家族の知られざる闇に行き着く。流行りの「考察」に値する重層的かつ不気味な味わいの作りで、今から第3弾が楽しみ。

報道の日2024 TBS

  • テレビには二つの顔がある。報道と娯楽。これはNHKも民放も共通。しかし、昨今は両者の境界が曖昧になり、娯楽がしゃしゃり出ている気がする。ワイドショーなどでは、どこにも似たようなコメンテーターと呼ばれる面々が登場しては断片的な評言をする。これではSNSの方がコスパがよくなってしまう。そんな中での「報道の日」。テレビが何を、どう伝えられるのかへの試金石でもあった。いくつかのテーマの中での、「岸・安倍三代と統一教会」など、まだまだ追及は足りないが、考える手掛かりはいくつも与えてくれた。進行は、膳場貴子、井上貴博アナウンサーの二人で十分ではあったが。

歴史探偵「美子皇后の明治」 NHK

  • 激動の明治というに美子皇后が洋装をすること、それを公開すること、日本という国の文化を守りながら進んでいくということ、そのことにどんな覚悟があったのか、その背景を知れて勉強になりました。

ザ・プロファイラー~夢と野望の人生 NHK

  • 「ラストサムライ」というテーマなので徳川慶喜についてかと思いきや、大政奉還後の幕臣四人にスポットを当てている。徳川慶喜に従って静岡に移った中條景昭、大草高重が荒れ果てた土地を開墾し、その土地が現代ではお茶の名産地になったことはとても興味深い。榊原鍵吉は時代の変遷と共に剣の道を絶たれていく。撃剣興行や倭杖を編み出し、鍛錬は続けながらも食べていくことと剣を残すことに尽力したことは涙ぐましいが、剣道が世界でも知られていることを考えれば榊原がいてこその現代だ。残る一人は今や誰もが知る渋沢栄一。語るまでもなく激動の人生であり、「民間」を大きく動かした人物だ。我が身を呈して国に尽くした人物で、恩恵を受けていない人はいないのではと思う。そういった内容で進めながら、ゲストの高橋英樹さんの重みのあるコメント、美村里江さんの女性ならではの視点、また共演経験があるというMC岡田准一さんとゲストの金田哲さんの軽妙なやり取りも楽しく、面白く見ることが出来た。

サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん「博士ちゃんが選ぶ 昭和歌謡“ドリーム紅白歌合戦”3時間SP!」 

  • 博士ちゃんたちが「夢の紅白を考えよう」というものだ。今となっては、こんな時空を超えた紅白はNHKも実現できないだろう。昭和にも音楽にも詳しい少年少女が昭和のベスト歌手を選んでいく。歌の理解力も豊かで、感受性も鋭く、批評性も素晴らしい。こんな光景が見られるのはどうしてなんだろう。すごいな。

ドラマイズム「レッド・ブルー」 毎日放送

  • 総合格闘技を舞台にしたドラマ。女気ほぼなし。ただただ戦いとトレーニングが続いていく異色の作品。一部を除いて演者は総合格闘技とは無縁だったようだが事前のトレーニングの成果もあってか、手に汗にぎる試合展開で飽きさせない。深夜のリアタイは興奮要注意の作品だ。

NNNドキュメント’25「第2の家 あなたの再出発、手伝います。」 山形放送

  • 虐待を受けた親から離れて自立を目指す女子高校生と支援者に密着。絶望感から支援者の拒絶も隠さない女子高生と、それでも見守り続ける支援者。彼らに寄り添うような映像に、世の中も捨てたものじゃない、と思いました。

チョイ住み「in南仏・マルセイユ」 NHK

  • 再放送ですが初めて見ました。フランス語はもちろん英語も話せず、最初は現地の人に話しかけることも躊躇していた日向亘さんが、英語が話せるとはいえ誰にでも臆せず気さくに話しかけてどんどん仲良くなっていく渡部さんの姿を見て成長していく姿がよかったです。

映画 「グランメゾン・パリ」公開記念!SPドラマナビパリ編 TBS

  • パリで実際に日本人として初の三つ星を獲った小林圭シェフを木村拓哉さん、沢村一樹さん、中村アンさんが訪れ、フランスのトップの場所に行って食材を買ったり聞いたりして自分が選び体験してほしいと課題を出される。トリュフ、ワイン、キャビア、チーズの高級店やマルシェを巡り、小林圭さんの店でオープン前の厨房を見学させてもらうなど貴重な体験をしているのがとても興味深かった。手に入れた食材で木村拓哉さんがドラマと同じ手長エビのエチェベを作るのもさすがの手捌き。予約を取るのが難しい「KEI」での食事は撮影NGで写真と音声のみでも素晴らしさが伝わった。フランス料理に興味がある人にはぜひ見てほしい番組だし、映画への期待も高まった。

未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中 読売テレビ

  • 主演のお二人の繊細で切ない演技に心打たれ、周りに頼れる大人がいないことが、未成年にとってどれだけしんどいことになるのか、考えさせられました。切なかったけれど愛の溢れるドラマで、キャストやスタッフのドラマに対する思い入れと愛情を感じられる温かな作品でした。

萩原利久のwkwkはぎわランド フジテレビ

  • 月1のバラエティ番組、毎月楽しみに観ています。12月は2024年にやり残した体験を全部やる。と、お疲れの売れっ子、萩原さんへのマッサージ体験サービス。どちらも面白かったけどマッサージは観ている方も参考に成って、ただ面白いだけじゃない情報番組でした。

(掲載は順不同)