2024年2月度-月間ノミネート

金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」 TBS 得票数:227
婚活1000本ノック フジテレビ 得票数:172
土ドラ「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」 東海テレビ 得票数:122

 
 
金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」 TBS

  • すでに初回から数多くのメディアで取り上げられた超話題、超問題作。現代では不適切と烙印を押されるものであっても、昭和では許されていた。時代が変われば常識も変わる。それを逆手にとって、笑いを誘いながらも今という時代を痛烈に揶揄した、まさに問題作。ミュージカル仕立てのシーンの真の意図を宮藤官九郎に聞いてみたい。
  • 宮藤さんの脚本、俳優陣のストーリー運びが絶妙。そもそも不適切とはなんだろう?誰にとっての不適切? 人間一人では発生しない「不適切」が、人間が二人以上存在すると性別、年齢、思考、時代だけに留まらない事象は見る人にとって、それぞれ適切・不適切に別れるドラマだな、と。単純に、昭和に生まれた人じゃないと伝わらない事案も多く、平成・令和生まれの人にはどう受け止められてるのか興味があります。
  • 最初に注意書きのあるドラマなんて初めて見て驚いたが、過去の不適切があるからこそ、アップデートする現在がある。昭和のおじさんの「おふざけ」的なドタバタコメディから始まったが、社会の生きづらさや、人を失う悲しみといった不変のテーマを上手に埋め込んだ展開に進んでゆく、宮藤官九郎さんの脚本に唸らされてしまう。そして今の社会は、人に気を遣うばかりで心が疲弊してしまう。改めて心の余裕を、寛容を持たないと生きていけない時代にいるんだなと気づかされる。

婚活1000本ノック フジテレビ

  • 婚活を通して自分と向き合う作家と幽霊の組み合わせが新鮮で、何度も失敗しながら少しずつ変わっていく様が見ていて胸を打たれました。作家も幽霊も人間らしい弱さがあって、傷を舐め合いながら問題に向き合わず、逃げ出そうとする瞬間もありましたが、互いを支え合いながら前進し、結末を迎えられて良かったと思います。
  • 幽霊と一緒に婚活という、荒唐無稽とも思われるファンタジー設定のドラマではありますが、主人公南綾子と幽霊山田クソ男の掛け合いが絶妙で、毎回胸にくるセリフや表情に感情を揺さぶられるドラマです。毎話出る豪華ゲストも番組に彩りを与えてくれて、しかもいい感じでみんなダメ男なのがとてもいいスパイスになっています。今期1番笑って泣けて安心してみられるドラマです。
  • コメディかと思いきや、「引くって書いてあるドアを押し続けても一生開かない」「いずれまた会えると思うから大事な人を亡くした悲しみを乗り越えられる」「一人暮らししてるからって一人で生きているわけじゃない」など、いつまでも心に残り、背中を押してくれるいいセリフが多かった。自分に合った生き方を探すという奥深いストーリーだった。主演の福田麻貴さんが芸人さんということもあって正直最初は敬遠してしまったが、はまり役だったし、素晴らしかった。

土ドラ「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」 東海テレビ

  • これから先、繰り返し見返して登場人物のセリフや行動を自分の心に蓄積させたい、そう思わせる作品でした。『昭和のおじさんが価値観のアップデートをする』というメインテーマを支える、登場人物がそれぞれに抱く“愛”と“愛を肯定する力”、それらを取り巻く環境・人々との葛藤と優しさをコメディタッチでありながらも真摯に向き合って描く制作陣の姿勢には、原作へのリスペクトだけでなく現代日本に対する誠実さを感じました。
  • 昭和の営業を生きた古池さんの価値観を登場人物全員が否定するのではなく、古池さんの人格や経験、スキルを尊重しつつ、何が今では問題でどう変わっていくべきなのかを諭す主人公に「対話の仕方」を教わった気がします。主人公もまた模索しながら失敗しながら進んでいる姿に共感し、自身を省みる時間となっています。
  • 親世代の価値観と子ども達の価値観の違いを受け止めアップデートしていく父親がいい。「わからない」から「わかりたい」へ変わっていき、共感する事を大切にしていく。どうしても自分の価値観やものさしで見てしまうが、ちょっと離れて俯瞰して見てみると自分の常識は非常識だったりするし見たいように見ているだけかもしれない。価値観を押し付けることなく共感ができるドラマで毎週楽しみだ。

他に推薦された番組

プレミアムドラマ「舟を編む~私、辞書つくります~」 NHK

  • あまり気が進まなかったのに、初回のラストにみどりが言った「右」の語釈に撃ち抜かれて、このドラマから離れられなくなりました。知っているはずの言葉にも知らなかった一面があり、深く知ることで世界が少しだけ美しいと思えるような清々しいドラマです。今まで観てきて、映画ではなく連続ドラマという形で見せることに意味があるように感じます。映画の尺では難しい。受けとめる側もしっかり発酵させてふくらませる時間が必要です。
  • このドラマを観て、言葉に対してより深く立体的に考えるようになりました。登場人物全員の台詞の一言一言がとても丁寧で良質なクラシックを聴いているような気分にさえなります。

君が心をくれたから フジテレビ

  • 2月も切なかったです。触覚の喪失の想像がつかないのでヒロインに共感がしにくいのですが、相手の事だけを思い合い、近くに居るのにすれ違う2人が切ないです。
  • 目を開き、息を吸う。音を聞く。匂い・味を感じる。何気ない感覚に感謝するとは思わなかった。キャスト誰もが、「明日は何があるか分からない」気持ちや、毎日を大事に生きてゆく事を、「幸せ」を強く感じるドラマになっている。「自分の大事なものを差し出して、愛する人を救う」人魚姫のような展開が切ないが、最後まで見届けたいと思う。

日曜劇場「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」 TBS

  • 誰しも抱えている問題を、誰か貶めたりせずに、明るく前向きに取り組んで、最後に温かく、ほっこりさせられる展開を、日曜夜に見て、安心します。月曜から頑張ろうという気になります。そして馴染みのあるクラシック音楽が心地よいです。

ドラマNEXT「パティスリーMON」 テレビ東京

  • 甘い。ひたすら甘い。しかも洋菓子店でのお話。不器用男子と一生懸命な主人公。2番目男子はキラキラ王子キャラ。令和にこんな物語がありなのか? いえいえ、お菓子は甘さ控えめより、脳みそが痺れるぐらい甘いのが好みの私にはドンピシャ。ちょっと間違えれば嫌味な女子になってしまうところを畑芽育が抜群のバランス感覚を見せている。お子ちゃま彼氏とか、ちょっと痛い役がはまると思っていた中川大輔のキラキラぶりも良かった。

水曜ドラマ「となりのナースエイド」 日本テレビ

  • 最初はナースエイドの世界に飛び込んだ主人公のドタバタ、ツンデレ医師とのただならぬ関係?のような軽いタッチで入っていたが、今や全く違う様相に。主人公が全員闇を抱えている。ちょっとありえない設定とは思いつつ、緩急があって見やすく、ついつい観ている。

木曜ドラマ23「夫婦の秘密」 BS-TBS

  • すべての登場人物が人には言えない秘密を抱え、多くの謎が完全に解き明かされることがないまま物語は進む。途中で挟まれるフラッシュバックは、果たして過去の出来事か、妄想か、あるいはこれから起きることなのか…そんなもやもやをゆっくり味わいながら楽しむことができる視聴者向けのドラマ。

ドラマイズム「#居酒屋新幹線2」 TBS

  • 上越新幹線と北陸新幹線の沿線での作品ということで、シリーズ1よりも多くの食材、お酒が取り上げられると思う。新潟県内は地上波の放送がなく、TVerで視聴した。ぜひ新潟でも放送してほしい。

土曜ドラマ「お別れホスピタル」 NHK

  • 終末期医療の現実をリアルに表現。そこには医療的ケアよりも精神面で支え続ける医療者たちの姿があった。その一方で主人公の妹を通じて「死ぬこと」と「生きること」を対比させ見ている私たちにその意義を問いかけていた。自分はどう死んでいくのかを想像せずにはいられなかった。
  • 年齢を重ねると、身内の死の体験だけでなく、自分の死期にも考えが及ぶ。死ぬことがほぼ確実な患者が集められた、お別れホスピタルは、痛切に胸を打つ。だれもが穏やかに死を迎えられるとは限らない。往々にして患者本人も家族も様々な思いを抱えながら、最後までじたばたしているのだ。自らの死を達観していたかのような、あの人の胸の内は、本当はどうだったのだろうと考えさせられる。そして、患者の死は医療関係者の心も大きく揺さぶっていることの描写が胸を打つ。

日曜ドラマ「厨房のありす」 日本テレビ

  • 門脇麦さんのお芝居に毎話惹き込まれます。難解なセリフをさらりとこなしつつ、感情が伝わってきてこちらも苦しくなるようなお芝居がとてもすてきです。ASDを取り扱う事で色々な意見があるとは思いますが、私はこのドラマを肯定的に受け止めています。
  • ASDに関してはドラマ的に盛り上げる為の表現に気になるところがあるが、普段のありすの言動は好感が持てる範囲でリアリティを持たせており、脚本や演者さんの力を感じて心惹かれるものがある。

プレミアムドラマ「仮想儀礼」 NHK

  • 宗教団体がどのようにして誕生するのか、そしてどのように運営され、崩壊していくのか…リアリティのある映像で見せてくれた。すべての宗教がそうであるはいわないが、いくつかの宗教はこうして生まれて消えていくのだろうか?新興宗教団体から抗議が来なかったのか、心配になった。

春になったら フジテレビ

  • 小さな町の物語。春になったらそれぞれの道を歩む父娘がやりたいことを書き出し、それを進めてゆくうちに、改めて顔が向き合い互いの大きさが感じられてゆく姿に泣けた。その人にとってHappyな人生とは何か?ありきたりの言葉だけど、その正解は本人にしかわからない。それを考える、いいドラマだった。

正直不動産2 NHK

  • 不動産業界が舞台なので、不動産販売や住宅販売の今まで知らなかった知識を知ることができた。「1」を経ての「2」ということで、ドラマとしても安定、登場人物のキャラも立っていた。次のシリーズも楽しみにしています。

真夜中ドラマ「地球の歩き方」 BSテレ東

  • 森山未來が訪れたタイ編。ドキュメンタリーとドラマがハイブリッドすぎて、どこまでドラマかわからなくなるほど。映像の美しさ、現地の住人との交流、アーティストたちが歩む現在と未来を、森山未來の眼を通して一緒に辿らせてもらった。

ドラマチューズ!「夫を社会的に抹殺する5つの方法 season2」 テレビ東京

  • 物理的に、人の命を奪うことは、あってはならないことで、許されざる凶悪犯罪だと言える。しかし、心理的、社会的にじわじわと、真綿で首を締めるように追い詰めていくことは、もっと「恐ろしい」。そんな、ある意味で身の毛もよだつドラマでもある。が、高梨臨の、亡くなったわが子への強烈な思いを秘めて、決して激情しない夫への復讐を見ていると、なぜか応援している自分がいる。

夜ドラ「作りたい女と食べたい女」 NHK

  • シーズン2になって、ほのぼのしていた主人公2人がようやくお互いの気持ちを確認しあえて良かった、と思ったとたんに、同性カップルがぶつかる社会の壁が浮かびあがってきた。新しいマンションの隣人が抱える会食困難もあるし、どんな人にもそれぞれの悩みがあり懸命に生きている。常に相手を尊重し、困難も共に乗り越えようとする主人公たちの生き方は、しなやかで強く清々しい。二人の食事シーンは視る者を幸せにしてくれた。私も大切な人と共にする食卓を大事にしていきたい。

火曜ドラマ「Eye Love You」 TBS

  • 初回は有り得ないような設定でどうなるかと思っていたら回を追うごとに韓国人のテオの柔らかい笑顔と相手を思い遣る真っすぐな気持ちに釘付けになった。相手の目を見ると心が読める中で韓国人のテオの心の声が韓国語なのがいい。紆余曲折はあると思うが心から幸せになってほしいと願うドラマだ。

シンドラ「先生さようなら」 日本テレビ

  • 先生と生徒の恋愛は、本来なら禁断ですが、少女漫画的で楽しく見ています。主人公の、先生としての現在と、高校生時代の2つが切り替わりながら進んでいて、高校生時代の恋愛の結末は分かっているものの、由美子先生と幸せな未来があればと思ってしまいます。

NHKスペシャル「戦場のジーニャ~ウクライナ 兵士が見た“地獄”~」 NHK

  • これは映画でもサバゲーでもなく戦争の現実だ。一般市民だった人が最前線に放り込まれて見るその情景はただただ恐ろしく、それを温かい部屋で見ている自分に罪悪感を感じた。戦争で相手を殺してもそれは殺人ではなく、ドローンで攻撃してもこれはゲームなのだと思い込もうとしている兵士たちの猫を愛でる姿は、戦争がいかに残酷でこの戦いが終わっても元の自分に戻れないという言葉はとてつもなく重い。
  • 今現在進行している戦争の最前線を兵士が撮影した数々の生々しい映像で綴るこの番組は本当に衝撃だった。撮影機材が手軽になり、テレビカメラマンから兵士になった主人公が、家族と別れ、現場で取り組んだのは塹壕堀り。そしてわずかその先には敵のロシア兵がおり、いつ来るかも分からない襲撃に夜も寝られない生活が延々と続く。敵は用意周到に地雷、ドローンなどで攻撃され、足を失う、心を病むなど苦しむ中でも、祖国を守るために再び正常へ向かうという多くの市民。負傷するシーンや遺体が横たわっているシーンも多数あるが、番組として放送するにはそのバランスには相当に苦労されたのだろうと推察し、敬服する。

テレメンタリー2024「潰された自立~与那国島と自衛隊配備~」 テレビ朝日

  • 台湾との往来交流を長年に渡り求め続けてきた与那国の人々。対中国危機が政府によって過剰に煽られ、南西諸島軍備拡張の最前線として押し込められていく中、彼らの民意が理不尽非情に潰されていく現状を、琉球朝日放送がしっかりと掘下げる。本来はこの地の穏当な経済振興を共に願っている筈の糸数現町長が、何故、政府の軍事的傾斜に一面的に加担していこうとしているのか、彼の考えの核心部分などにも、もっと迫って欲しかった感はあるが…。

NHKスペシャル「続・“冤罪”の深層~警視庁公安部・深まる闇~」 NHK

  • 9月のNHKスペシャルから12月のETV特集、そして今回の放送へ。取材スタッフのしっかりとした覚悟と熱がひしひしと伝わってきて粛然とした想いで見る。淡々と示される内部文書の重み凄みに改めて息を呑みながら、警察検察の理不尽な暴圧と、それがあまりにさもしい動機によるものであることへの憤りが沸々と湧いてくる。明らかな冤罪事件でありながら恥じることも無く平然と控訴する国と東京都の姿勢には呆れるほかなく、更なる徹底取材を期待したい。
  • 最近のNスぺには珍しい告発系ドキュメンタリー。誰がどう見ても冤罪という構図を未だに認めない検察と警察。われわれが知りえない公安警察の暗部を分かりやすくていねいに追った作品だった。絵に描いたような冤罪が作り上げられる過程には驚きを禁じ得ない。冤罪で収監中に亡くなられた被疑者に擬せられた元社員が哀しい。

NNNドキュメント’24「釜ヶ崎の肖像 明日への3000枚」 日本テレビ

  • それぞれの事情があってその土地にいる人たちを写した白黒写真がその人の人生をも表現されているようでなんとも味わい深い。現代の私たちはスマホで気軽に何百枚も写真を撮っているがこの釜ヶ崎でのたった一枚の肖像写真の価値の違いを考えさせられた。
  • 長きに渡り無償で、釜ヶ崎に暮らす人たちのポートレート写真を撮り続けてきた石津武史さんの日々を、讀賣テレビが長期取材で追う。彼のカメラによって固定される、個性に溢れ人生軌跡が露わに見えてくるおっちゃんたちの表情には思わず見入ってしまう。敢えて社会的視点を外して、”人情風景”描写に徹したように見える番組構成は、悪くは無いがやや叙情に過ぎる感がないではないが…。ただこの情感はたぶん、今の時代からこぼれ落ちて行ってしまっている貴重な何かなのだろうとは思う。

ドキュメント20min.「最後の晩餐」 NHK

  • 小林克也と伊武雅刀。この80代のディスクジョッキーと70代の声優兼俳優、そしてプロデューサーで選曲家の桑原茂一が作り上げたスネークマンショーの記憶は、ラジオ史、コメディ史において永遠に消えることはない。そして今も、小林と伊武がなんか面白いことをやりたいと考えていた。そのことが、素直に嬉しかった。

ワルイコあつまれ NHK

  • 子どもから大人まで楽しめる教育番組。2月は、サヘルローズさんの「子ども記者会見」が強く印象に残っている。子ども達が率直な質問をぶつけることで、戦争や紛争の悲劇が浮かび上がり、子ども達が平和について考えるきっかけになっていた。歴史上の人物とトークをする「慎吾ママの部屋」イグノーベル賞を受賞するような独自の研究をする方への「好きの取調室」等、大人が見ても楽しめるコーナーがあるのがいい。

報道特集「侵攻2年 ウクライナの“疲弊”」 TBS

  • 正直ここまで長引くとは思っていなかったロシアとウクライナの戦争。ウクライナの人々の疲弊を、生々しく感じ、深く考えさせられました。女性も兵士になっていることを知りました。一刻も早く戦争が終わることを望みます。

関ジャム完全燃SHOW テレビ朝日

  • 毎回楽しみにしている番組ですが、これを観続けてきたことで、エンタメ、特に音楽・ダンスなどへの見方が変わりました。ある意味、自分を育ててくれているありがたい番組です。

ドラマ「デフ・ヴォイス」もう一つの物語 NHK

  • 「デフ・ヴォイス」で、聾者、難聴者等当事者の方が出演され、キーパーソンを演じられたことの裏側を記録したドキュメンタリー。オーディション、手話への翻訳、演技指導等、スタッフのきめ細やかなサポートが印象的だった。また、当事者の方の喜び、演技で伝えようとする真摯な思いが、心に響いた。このような取り組みが、放送業界に広がることを希望します。

テレビ朝日開局65周年記念「博士ちゃんvs池上彰コラボSP」 テレビ朝日

  • 今回は別々の興味深い番組のコラボで非常に面白かったです。子供達の真っ直ぐで正直な疑問に池上氏が真剣に分かり易く説明して下さって大人でもなるほどと思いました。それぞれの番組が今後も長く続いて欲しいと思います。

ザ・ノンフィクション「結婚したい彼と彼女の場合~令和の婚活漂流記2024~」 フジテレビ

  • ドキュメンタリーの主役は、底なしに優しかったり、人として立派だったりと、要は誰が見ても評価が確定している人であることが多いが、例えば「一見普通だけど少し病んでいる人」「ダメな人」「ヤバイ人」など積極的に取り上げるこの番組の特徴を最も示しているのが、婚活漂流シリーズだと思う。「まぁ、わかるよ」「それはダメだろ」と、見ているうちに印象がコロコロ変わる人たちが大真面目で婚活に邁進する姿は、もはやエンタメの領域だ。

ETV特集「二風谷に生まれて~アイヌ家族 100年の物語~」 NHK

  • 北海道二風谷に住み、アイヌの人権回復を求めて長期にわたって闘い続ける貝澤家三代の軌跡を、地に足着いた視点でじっくりと綴った労作。この国の政情世情に深々と浸透するマイノリティへの根源的な差別意識、理不尽で冷酷なその仕打ちに、改めてため息をつくばかり。

NHKスペシャル「驚異の庭園~美を追い求める 庭師たちの四季~」 NHK

  • タイトルからはあまり興味をそそられなかったが見てよかった。日本庭園というものの奥深さと庭師たちの矜持に感銘。アメリカでは刑務所の受刑者たちの心のありように活用されていることに驚いた。ただナレーションはもう少し少ない方が心に静かに染み込んだのではないかと思った。

Gメンバーの推薦番組

欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞 日本テレビ

  • コロナ禍を経ての数年ぶりの再開。こんなにあたたかい雰囲気で、家族揃って楽しめ、視聴者も参加できるテレビ番組があったんだと、改めて驚いた。日テレは、長年育んできた「仮装大賞」というコンテンツを大切にしてほしい。欽ちゃんと香取慎吾とのMCコンビも安定していて、参加者との自然なやりとりも楽しかった。第100回の開催を楽しみにしています。

歩道・車道バラエティ 道との遭遇 CBCテレビ

  • あらゆる「道」と「道を愛する人」を紹介するローカル番組ですが、廃道、隧道、暗渠などの歴史や背景、その時代を想像する面白さなど、道に対する視点を教えてもらい毎回とても興味深いです。道マニアさんに同行する人が必ずしも道に興味がある人だけではなく、「プロのギャル」さんだったりしますが、道マニアさんもプロギャルさんも相手を尊重し対話を重ねる姿を見て、とても爽やかな気持ちになります。危険だと判断すればロケを中断して無理に道を進まない点もとてもよいと思いました。

テレメンタリー2024「裁判に参加する ~京アニ放火殺人事件~」 朝日放送テレビ

  • 京アニ事件一審判決のタイミングで、多くの局が被害者遺族の心象や青葉真司被告の人生軌跡といった、事件そのものの再検証というかたちで番組を作ろうとする中、この局は、裁判の過程で見えてきた「被害者参加制度」の司法における意義とその問題点に敢えて目を向けた。被害者遺族による被告への法廷質問があらかじめ、検事によって事前検閲、添削されることを初めて知る。この視点はかなり興味深く、また極めて重要なものであるように思われる。

DEEPな店の常連さんに密着 イキスギさんについてった TBS

  • イキスギさんという、自分の好きなお店や好きなものに全力で向かう人々に迫る番組でしたが、WEST.の7人が1分で他のアーティストのダンスを覚えられるかという企画は、彼らのダンスの覚え方やその個性が際立って、とても面白く観ました。番組は3月で終了したので、とても残念です。

DAN! DAN! EBiDAN! テレビ東京

  • スターダストに所属しているボーイズグループが総出演している、今までになかったバラエティ番組。ドラマや映画で見ていた俳優さんが何人かいて「この俳優さん、歌もやっていたのか」と知るきっかけになりました。俳優業をしていない人のことは知らなかったのですが回を重ねるごとに少しずつ覚えていき、最近では応援している自分がいます。

(掲載は順不同)