2024年6月度-月間ノミネート

木ドラ24「25時、赤坂で」 テレビ東京 得票数:145
テレビ朝日開局65周年記念「Believe−君にかける橋−」 テレビ朝日 得票数:74
金曜ドラマ「笑うマトリョーシカ」 TBS 得票数:72

 
 
木ドラ24「25時、赤坂で」 テレビ東京

  • 芸能界での同性俳優同士の恋がテーマ。一見華やかな作品と思いきや、全10話の中で、切なさや苦しみの感情を抱く場面が圧倒的に多い。互いが互いを愛し合っているのに、相手を大切に想うがあまり身を引く展開も。だからこそ、2人の想いが通じ合えた時の多幸感は、より一層深く感じられる。また、途中で過去の場面を視点切り替えによって描かれる事で、一途に思い続けていた事が判明する見事な伏線回収。原作をリスペクトされた一つ一つの繊細な表情、目線、所作にも鳥肌。
  • とても好きなドラマです。原作がとても大切にされていた事が全体を通して印象的で原作者さんへの敬意と温かみを感じました。BLコミックを原作として映像化するにあたり、適切な配慮がなされている中で性的描写も丁寧に描き、BLドラマ、人間ドラマとしてとても真摯的だと思いました。インティマシーコーディネーター、LGBTQ+インクルーシブディレクターが参加されていて、センシティブな内容に対してサポート・配慮がなされている事が情報としても耳に届いていて、安心して視聴できた事が嬉しかったです。ドラマ内でもインティマシーコーディネーターが携わっている様子が一目で分かるドラマ内のドラマとしての撮影風景が映されたり、今まではなかった描写なのでとても貴重だと思いました。今後に繋がっていくドラマだと感じています。
  • 人の感情や心の動きが手に取るように分かる作品でした。役者さんの繊細なお芝居はもちろん「言葉」や「時間の流れ」がこんなにも尊いものなんだと感じさせられる。まるで自分が見ている世界のように流れていく情景から目が離せませんでした。

テレビ朝日開局65周年記念「Believe−君にかける橋−」 テレビ朝日

  • 初回の、迫力のある橋の崩落シーンで、ドラマに引きこまれた。誰が味方で誰が敵かわからない脚本が面白かった。最後の真相解明シーンが駆け足になり、消化不良になったのが残念だったが、木村拓哉と天海祐希との夫婦設定は新鮮で、この二人のバディものが見たいと思えた。
  • どうなるのか気になって惹きつけられて見てしまったがもうワンクール増やして丁寧な逆転劇を見たかった気もするが毎週面白かった。
  • 刑務所を脱獄して橋崩落の真相を探る主人公狩山。信じていた人に次々と裏切られ、誰が味方で誰が敵なのかわからない。警察が張っていることをわかっていながら自宅へ戻り妻と濃密な1時間を過ごし大人しく連行される。逃亡の罪で1年服役することになるが、橋崩落の件では無罪となる。出所して妻と約束の碓氷峠に行き、今までのことを謝り妻の希望するマイホームの話をして振り返ると今までいたはずの妻はいない。妻は服役中に亡くなっていて狩山は幻を見ていたのだ。妻の思いに背中を押され、狩山は橋の建設現場で生き生きと働いている。“君にかける橋”の“君”は色々な人でもあるが、やはり1番は妻だったのだと思う。木村拓哉さん、天海祐希さん、さすがの演技力で強く思い合う夫婦を演じていた。最終回は特に泣いてしまった。

金曜ドラマ「笑うマトリョーシカ」 TBS

  • 久々に政治の世界を舞台にしたドラマが始まった。ナチスのヒトラーとそのヒトラーを陰で操ったと言われるハヌッセンになぞらえた若手政治家と秘書を軸に展開する物語である。政治家を操っているのは秘書なのか、母親なのか、それとも元恋人なのか。物語はスピード感をもって進行し、先の読めない展開に思わず引き込まれる。今後の成り行きが楽しみ。
  • 人はいろんな意見を取り入れてしゃべる生き物でもある。伏魔殿に生きる政治家は、中身は空洞のままで秘書の言いなりが徳なのか、それとも反対に操るのが賢いのか?キャスター経験を活かした「政治家」役の櫻井翔さんの存在感が存分なく発揮されていて、そのカリスマ性ある演技につい魅入ってしまう。ドラマ自体の展開の速さも、トリックの一つなのかもしれない。最後まで見たい作品。
  • 先が見えない展開で、続きが気になって仕方ないというストーリー構成、また原作とは主人公を変えて、新聞記者目線でストーリーが進んでいくのが、原作ものの実写化にあたって大成功だと思いました。

他に推薦された番組

プレミアムドラマ「エンジェルフライト」 NHK

  • こういったお仕事があることを初めて知りました。海外で亡くなってしまった方の人生を決めつけることなく背負い、尊重し、日本に帰るその時まで真摯に寄り添う姿に、涙が止まりませんでした。人がどんな背景を背負い、どんな思いを持って外国へ行き過ごしていたのか、憶測で人格までも否定することもある今の世の中の危うさも描いているように思います。
  • 海外で亡くなった方のご遺体を日本へ搬送する「国際霊柩送還士」の活躍を描く。「弔う」という見送る人にとってはその後の人生にも大きく関わる重要なことながら、海外で亡くなることで明らかになる数々の障害を、スタッフの努力でご遺体を日本へ持ち帰ることで解決していくというストーリー。原作はドキュメンタリーだが、原作で描かれている全体を包むクールな筆致と、主演の米倉涼子をはじめ出演するキャストの好演により、熱い人間関係が描かれており、見事にマッチした作品である。

ドラマイズム「滅相も無い」 TBS

  • こんなトンがったセンスのドラマ、二度と地上波で見ることできないかも。無常感漂う個々のエピソードも迫るものあった。
  • 加藤拓也の脚本・監督によるドラマは、街に穴が出現して人々がそこに入って行くというシュールな設定でありながら、そこで描かれているのは人間の本質みたいなものであるところがまさに秀逸。セットやロケに予算をかけるのではなく、その辺りは演劇的な手法で見事に乗り切って、そこで浮いた分を充てたのかどうかは知らないが(笑)、ともかく深夜ドラマでは考えられないような超豪華キャストの群像劇になっている。いつまでも余韻が残るすごい作品。

君とゆきて咲く~新選組青春録~ テレビ朝日

  • 手塚治虫さんの原作を読んでいて興味を持ちました。過去の「新選組」はそれなりの年齢のベテラン俳優さんが演じられていていますが、こちらはフレッシュな次世代を担うであろう俳優さんが演じられていて、肩肘はらずに楽しめる「ソフトな新選組」という感じでエンターテイメントとして面白いです。これからの展開は決してハッピーエンドとはいかないのはわかっていますが、その刹那がどのように描かれていくのかも楽しみです。

テレビ東京開局60周年連続ドラマ ドラマプレミア23「95」 テレビ東京

  • 1995年の時代を振り返るストーリーということで懐かしく拝見しました。現代では通じないであろう「自由さ」と「不自由さ」、いつしか蓋をして置き忘れてしまっている「青春」の甘酸っぱさ・ほろにがさを思い出しました。その後のストーリーを「番外編」として作成して欲しいです。
  • ノストラダムスの大予言が迫り明日がどうなるか分からない日々に、遣る瀬無い思いと何か行動を起こしたいモヤモヤな気持ちがあの頃の青春時代だったと思う。平凡な学生だったQが変っていくさまを見事に演じた髙橋海人の演技は素晴しい。あんなに強烈な青春を送ったら後の人生は平凡に生きていくだろうなと思わせるドラマだった。

366日 フジテレビ

  • 恋愛ドラマの王道。基本的には広瀬アリスと眞栄田郷敦のカップルの物語だが、群像劇でもあり、彼らの高校時代の仲良しグループが男×3+女×2というバランスを欠いた形になっているのが設定の妙。そのグループにグループ外の男女を巧みに出し入れしてくる清水友佳子の脚本が冴えまくっている。テーマ曲が見事にマッチしていた。

土曜ドラマ「花咲舞が黙ってない」 日本テレビ

  • 痛快を素直に貫き通していて楽しめるドラマでした。出演者も一新しての第二シリーズで創り手も視聴者もいろんな想いや考えがあっての第二シリーズだと思っています。ただこのドラマの一番大切な「痛快さ」や限りなく「勧善懲悪」に近い構図を守ってくれたことがドラマの輪郭をしっかりとして楽しめるドラマに仕立て上げていました。花咲舞を演じた今田美桜さんも第一シリーズを完全に踏襲するわけでもなく、それでもパワフルで明るく、前向きな新しい花咲舞をしっかり構築させられる表現力でドラマの世界に違和感なく嵌まっていました。相棒である相馬健を演じた山本耕史さんも舞の就任当初は先輩として、そこから舞の成長とともに良き相棒に関係性が変わっていく様をとても自然に緻密に演じられていたのが印象的でした。

パーフェクトプロポーズ BSフジ

  • 子供の時から何にも期待しないっていう部分が共感する部分でした。そうなると、自分の気持ちに蓋するし、自分が傷付かないように自己解決で勝手に相手の気持ちを判断して行動しちゃうんですよね。最後はちゃんと平和になれて良かったです!
  • 主演二人の優しくてふんわりした多幸感のあるオープニング映像に何度観ても毎回癒されました。脚本も仕事の辛さ、子供時代のエピソード、周囲の人の優しさと厳しさなどメリハリや起伏が効いていて面白かったです。そしてなんと言っても最終回の感極まって溢れた涙のシーンが良かったです。

夜ドラ「柚木さんちの四兄弟。」 NHK

  • 毎晩、ホッとする時間だった。両親を亡くすという悲しいベースの上での4人兄弟が、弟を、兄を思いやりながらの生活。とてもほのぼのとはしていないはずなのに見ていて癒された。末っ子岳ちゃんの泣き顔が切なかったり、わかりすぎているところがドラマとわかっていても頼もしかった。ぜひ、シリーズ化してどんな風に成長していくのか見届けたい。

火曜ドラマ「くるり~誰が私と恋をした?~」 TBS

  • 記憶喪失を扱う、特に今クールに有りがちな設定ではありましたが、元カレ、ストーカー、隣人、仕事仲間との絡みと段階的な記憶の回復を織り交ぜながら有りがちにならないように工夫されていました。やはり緒方まことを演じた生見愛瑠さんは器用で上手な俳優さんです。記憶喪失に戸惑いながらも現在の明るく素直なまこと、記憶を失う前の少し闇のあるまこと、そして記憶を思い出していって記憶喪失になる前のまことがリンクしていく葛藤をちゃんと演じられていました。最終話に向けてストーカーが絡んだまことの転落事故からのストーカーは誰だ?とかなり負に振れそうな展開で少し困惑しましたが、朝日結生の密かな片想いに端を発するというこのドラマの世界観を壊さない良い線に着地していたと思います。転落したことを「公太郎のせい…」とまことに話させてから、ドラマの着地としてまことが記憶を無くす前に既に好意を持っていた公太郎に着地するという結末は、視聴者としては最もスッキリする心地よい最終回でした。

約束~16年目の真実~ 日本テレビ

  • 中高生だった頃の、何気ない「約束」が、大人になってからも大きな意味を持つことがある。そんなことを考えさせた。事実は隠蔽し、塗り替えられても、真実は変えられない。それが警察官の矜持。黒の服で笑わない中村アンと横山裕のバディが、心から笑える時はあるのだろうか?

ミス・ターゲット テレビ朝日

  • 結婚詐欺師という犯罪をどう扱うかを注視していましたが、しっかりと向き合い逃げることなく、服役もさせて情状酌量の余地を最小限していたことが潔かったです。人の愛情を使って人を騙す結婚詐欺師を使って本当の嘘のない愛を浮き彫りにしていく様も心地よく観られました。松本まりかさんへの当て振りかと思うようなすみれの人となりで、もうすみれの全てが松本まりかさんでした。本当は芯の部分にもの凄い可愛さを持っているすみれが、詐欺師という仮面を被ることで不遇な人生を乗り越えてきたことを体現、表現する実力は圧巻でした。

ドラマ25「季節のない街」 テレビ東京

  • 山本周五郎さんの作品らしさを宮藤官九郎さんで料理した、見応えのある作品だった。キャストも粒揃いで個性が光って満足度も高かった。皮肉な風刺もあり、コメディでもあり。見事だった。

火ドラ★イレブン「あの子の子ども」 フジテレビ

  • 未成年者の妊娠を描いた作品で目新しさは無く辛辣な意見も多いと思います。私も少子化が深刻になる前に観たら辛辣組だったと思うけど今はだいぶ違った視点で観てしまいます。全編通して優しく丁寧な描写だし、主要人物が「あの頃の気持ち」を語るシーンがあり相談されているように思いながら観ているときがあって「産める時に産んで学べる時に学べる世の中になって欲しい」と感じるようになった作品です。

月曜プレミア8「さすらい署長 風間昭平スペシャル とやま庄川峡殺人事件」 テレビ東京

  • 階級・前例・管轄と縄張り…。様々な「壁」によって守られた閉鎖社会。そんな警察署長が、制服は御免、髭は伸ばす、そして現場に一番乗り。この設定が痛快。時代劇にも長けた北大路ならではのシリーズ。同時に、秘境の大牧温泉が舞台など、観光案内としても見どころあり。今回は名取裕子との関わりも絶妙だった。

Re:リベンジ 欲望の果てに フジテレビ

  • 濃厚な景色の中に見える大病院での復讐劇かと思いきや、話が進むにつれて今度は新たな悲劇が生まれてゆく各キャラクターの「リベンジ」。回を追うごとに戻れない迷宮に迷い込むそこの深さとスリリングさがある。錦戸亮扮する大友先生の思惑が読めずにいたので、最後の最後まで緊張しながら見られた。

金曜ドラマ「9ボーダー」 TBS

  • タイトルは「9ボーダー」19、29、39各々の年代のボーダーを越えた三姉妹は厄を落としたかのように自由な幸せを見つけられたのがとても良かったです。話の展開として各々の恋人となる3人の男性が個性的で現実味の無い長女、次女の相手よりは三女の幼馴染みとの距離感が最後はとても良かった。自分の気持ちを押し通すことなく振られた形で戻った次女の相手コウタロウにはモヤモヤしたが、次女への想いを押し殺して本来の姿で生きていこうとしたコウタロウを松下洸平が演じたことで息苦しさを共感できたことに拍手。最後のシーン名前で呼び合い2人で歩く姿は以前と違うボーダーを越えた次女とボーダーの間をしっかり生き抜く芝田悠斗(コウタロウ)少し大人になったよう。素敵でした。

ブルーモーメント フジテレビ

  • 異常気象を身近に感じる今、とてもタイムリーなドラマだと思った。チーム一人一人の人物描写もよかった。災害描写も力をいれていたのを感じた。ストーリーが中だるみしたのが残念。

ETV特集「死亡退院 さらなる闇」 NHK

  • 過剰医療による利益追及。保険医の資格を取り消されたにも関わらず、繰り返される不正。病院の利益を上回る院長の報酬。数々の闇は明らかにされたはずなのに、行政や捜査機関の手はどうして及ばないのか?そこが「さらなる闇」。重すぎる課題。でもなんとかしないと。もうあの高級外車の映像は見たくない。
  • 問題の精神病院は、NHKが過去に取り上げ、大問題になった。行政も動き、問題は改善されているとてっきり思っていた。ところがである。本番組は、問題が解決されたどころか、行政の動きは全く鈍く、入院患者の転院は全く進んでいないことを明らかにする。さらに、当該病院での治療実態の信じ固い事実まで明らかにするのだ。我が国の精神医療の闇は社会の闇だ。今後も報道を続けてほしい。

NHKスペシャル「法医学者たちの告白」 NHK

  • その人はなぜ亡くなったのか? それを明らかにする方法の1つに法医学がある。その多くは事件なのか、どうかを判定するために委ねられるが、警察・検察と弁護の狭間で、あくまで科学的であるべき法医学が苦悩している現実を学者の証言や海外へ渡った日本人法医学者の事例を交えて描き出す。法医学者の不足により、効率化を求められている実態、警察から弁護よりの鑑定を出すとレッテルを貼られたと感じる法医学者の存在などが描かれ、普段の生活ではその存在を感じることのない法医学の現状に警鐘を鳴らす。
  • ドラマの影響もあって万能に思っていた日本の法医学の現実である。警察との関係において危うい立場であり科学が裁判では都合よく利用され得る危険をはらんでいる。それはつまりいつ私たちがその不利益に襲われるかもしれないということだ。そしてドラマでよく言われている「死亡推定時刻」が今では科学的根拠がないというのが世界のすう勢だということに驚いた。ドラマ作りも再考すべきでは。
  • 馴染みのない法医学という分野に真正面から切り込んだ異色ドキュメント。医師でありながら医療活動ではなく、ひたすら人体解剖に徹して死因を特定する仕事に従事する法医学者たち。法治国家として必要不可欠な存在でありながら、ほとんど顧みられることのない法医学者の過酷な日常を紹介しつつ、日本の法医学が抱えるさまざまな問題点を浮き彫りにした点を高く評価したい。

最期を選ぶということ BSフジ

  • 自分の命がもうすぐ終わることが確実にわかっているとき、自分だったらどうするのか、をとても考えさせられた。「生きる権利」があるなら「死ぬ権利」(もちろん条件はあるが)もあるはずではないかと思わされた番組だった。

NHKスペシャル 調査報道・新世紀 File3「子どもを狙う盗撮・児童ポルノの闇」 NHK

  • SNSの利用を通じ、児童が深刻な被害を受ける問題については、海外では盛んに報道され、多くの国で政治問題化しているとも知っていた。ところが、不勉強ながら日本でもこれだけの深刻な被害が出ていることは、本番組が伝えるまで認識があまりなかった。この番組をきっかけに日本でも社会が真正面から向き合うことを期待したい。ちなみに本番組では、問題に取り組む非営利団体と協働し、加害者の集まりに潜入取材するなどアグレッシブな取材を行っている、昨年問題化したジャニーズ事務所に関する問題の報道がBBCに先を越されたことの反省が影響しているのかもしれない。今後に期待したい。
  • 深刻で腹立たしい実態をきっちりと掘り下げる。プラットフォームへの責任追及の姿勢も明確で、優れた調査報道だと感じた。さらに、外部の調査報道メディアと連携し、そこを番組中でも明確に紹介したことを 声を大にして賞賛したい。NHKは、こうしたオープンで透明な姿勢をどんどん広げて欲しい。

NHKスペシャル 調査報道・新世紀 File4「オンラインカジノ 底知れぬ闇」 NHK

  • ギャンブル依存の恐怖、また実態の見えないオンラインカジノの同元に迫りマルタ共和国での取材など、その実態をつまびらかにした取材力を評価。操作されていないとされるシステムが本当は操作されユーザーを沼に落とす仕掛けがあるとの生々しい証言は、背筋が凍った。

ケンコバのほろ酔いビジホ泊 全国版 BS朝日

  • ビジネスホテルを泊まり歩く番組は視点が面白いと思った。宿泊施設の紹介となると、華麗な設備と装飾で目が奪われるような、高価な所が紹介されるのが王道だが、庶民はどうせ泊まれない。自分が泊まるなら・・という、ビジネスホテルの楽しみ方を、ケンコバさんのキャラクターを活かして紹介してくれるので、行ってみたい(行ける)所として、楽しみながら見れるのが良い。

あの日 偶然そこにいて「憧れのロイヤルウエディング」(1993) NHK

  • テレビはすぐに前のことを忘れてしまうし、写り込んだ景色や人もあまり重視されない。だが、後世、そっちの方が貴重なこともままある。 そこをうまくすくい取った企画に拍手。 おめでたい出来事だけじゃなく、シリアスな出来事についても「そこにいた」人のその後を見てみたい。

クローズアップ現代「知らない間に火葬された“あふれる遺体”相次ぐトラブルの実態」 NHK

  • 他人事ではない高齢者の孤独死。親類縁者がいるにもかかわらず、遺体処理を急ぐ自治体によってあわただしく火葬され無縁仏とされてしまう事例に苛立たされるが、そこに今の日本社会の貧しさもはっきり見えてくるようで震えてしまう。

土曜プレミアム「ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ」 フジテレビ

  • 半年ごとという頻度がちょうど良い。毎回、初めてテレビに出る方がいるのも、番組を面白くしている。欲を言えば、ゲストのコメントはあまり必要ではない。「細かすぎて伝わらない」のに、見るだけで伝わります。

ドキュメント72時間「中国がん専門病院 路地裏の貸し台所」 NHK

  • 台所を貸し出すという発想が面白いなと思いながら見ていました。印象的だったのが看病に忙しくしているおばさんのために慣れない料理をしている少女。誰かを想って作る料理は多少見栄えが良くなくても愛というスパイスできっとおいしいはず。

ドキュメンタリー「解放区」「取り壊された追悼碑~追憶・反省・友好の思いはどこへ…」 TBS

  • 朝ドラでも朝鮮人虐殺を描いているのに、小池知事は今年も追悼文を送らないようだ。番組が描く群馬の追悼碑は大戦中の強制連行をめぐる問題だが、以前はこういったテーマを扱う取材も多かったはず。なぜそれが絶滅寸前になってしまったのか。政治や行政だけでなく、メディアも目をつむろうとしていないか。どうしてこうなってしまったのかも、掘り下げてほしい。

フロンティア 不可能を可能にする挑戦 NHK

  • いつも楽しみに見ている番組です。科学技術の進歩により、考えるだけでゲームができたり、歩けない人が歩けたり、失明した人に光が戻ったり。人生を諦めずに済む方法を、生み出している人達に、心からエールを送ります。

映像の世紀バタフライエフェクト「ルート66 アメリカの夢と絶望を運んだ道」 NHK

  • 映画で知ったボーニーとクラウドの実際の写真、しかも射殺された現場の写真は衝撃だった、ルート66という道がテーマなのも面白かった。

「鬼滅の刃」柱稽古編 フジテレビ

  • とにかく、作画が素晴らしい。目が離せません。これほどの画の素晴らしさを映画でもなく地上波のアニメで放送してもらえることに、日本のアニメの底力と、制作側の心意気を感じます。どうして鬼となったのか、鬼となってそれを受け入れる鬼と、それにあらがう鬼…そういったそれぞれの心が描かれていることに引き込まれます。

明鏡止水 NHK

  • 「格闘技翻訳家」としているはずの岡田准一さんが、ついつい体が動いてしまうのがとても面白い。今回は格闘技のみならずオリンピックに因んで各種スポーツを取り上げているが、岡田さんの体現がとても的を射ているようで解りやすい。ケンコバさんのMCもとても良い。毎回1人スポーツに詳しくなさそうな女性ゲストがいるが、それが私のような無知な人間にも理解しやすくしてくれている。

ザ・ノンフィクション「私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~」 フジテレビ

  • 今まで幾度となく話題にはなるが日本においては進展しない安楽死問題。認められている国がありそれを求めている人たちがいる現実を国はもうそろそろ真正面から受け止めるべきではないか。それこそがテレビに出るという勇気のいる決断をして私たちに考えるきっかけをくれたこの家族に報いるすべなのではないだろうか。

Gメンバーの推薦番組

映像’24「政治家が最も恐れる男」 毎日放送

  • 早朝の番組だったのがもったいないですが、上脇教授の活動を通して今の今の政府がいかにひどいかということをまとめられていたのは良かったです。昨今のテレビ番組ではどうでもいいことにばかりを延々と報道して、肝心の裏金問題などは終わったことのように報道されなくなってしまっています。モリ・カケ・サクラ問題や旧統一教会問題、旧ジャニーズ事務所やタカラヅカの問題など、政府をはじめとする悪いことをわざと報道しないことで世間が忘れるように仕向けているのではないかとさえ思われます。こういう番組はもっと(みんなが見る時間帯で)放送されるべきだと思います。
  • 自民党裏金事件の告発で有名になった感のあるバンダナの大学教授、上脇博之氏のその日常。肩に力を入れず淡々と、また粘着気味に資料調査を重ね告発を続ける姿にはアタマが下がる想い。

探偵!ナイトスクープ「亡き息子リョウスケの夢」 朝日放送テレビ

  • 本当に純粋にすごくいい内容だった。ヤラセ感や感動の押し付けがなく、母親としての思い、それにこたえる周りの人たちの温かさを感じられた。少しでもリョウスケ君がいなくなった喪失感が救われていることを祈らずにはいられない。テレビが存在する意味が感じられた。

古代王国バラエティー なんだフル!? NHK

  • 初回に次いで、第2回目の放送もとても面白かった。モアイ像も兵馬俑も最新の学説を知ることができ、興味深かった。映像が豊富なのもNHKならではで、楽しみながら歴史知識をアップデートできる番組。番組のレギュラー化を希望する。

テレビ朝日ドラマプレミアム「ブラック・ジャック」 テレビ朝日

  • 手塚治虫原作の実写化版。高橋一生さんが主役。今の所、多分1番再現度が高いブラックジャックに成っていたと思う。原作ファンとしてはほぼほぼ満足。エピソードも人物像も良かった。ちょっと気になったのはキリコ。何らかの理由で原作の男性から女性にしたのだとしたら外見を原作に寄せる必要は無い。それよりもキリコの安楽死に対する考え方が原作と微妙に違っていたのは残念。
  • 医学で人を助けても「運命」には勝てないという無常観を見るようなOPとED。エピソードを交差させながら、独特の世界観に迷い込んだかのような雰囲気に震えたし、主演も含め、キャストの配役もどことなく手塚治虫の世界の住人にいそうな方を選ばれていた気もする。見事な演技だった子役の子が成長する前に、続編が見たい。

特選!時代劇「広重ぶるう」 NHK

  • BSドラマの地上波放送。来年の大河ドラマへの期待が高まる。今年の大河ドラマ関連の番組もそうだが、視聴者の興味を誘導するのが流石上手い(笑)

上田と女がDEEPに吠える夜 日本テレビ

  • なかなか今までテレビでは取り上げられにくかった女性側のトイレ事情とか生理についての話が聞けて、さらにそれに対する男性の話しが聞けるのもとても良いです。

(掲載は順不同)