2024年7月度-月間ノミネート

ドラマNEXT「ひだまりが聴こえる」 テレビ東京 得票数:315
海のはじまり フジテレビ 得票数:308
日曜ドラマ「降り積もれ孤独な死よ」 読売テレビ 得票数:299

 
 
ドラマNEXT「ひだまりが聴こえる」 テレビ東京

  • 原作の根底にある軸を大切にしていることがわかる脚本。陰影にこだわった演出。わくわくするようなオープニング曲に、しっとりと胸を締めつけるエンディング曲。物語に控えめに寄り添う美しい劇伴。それになんといっても主演の中沢元紀さん、小林虎之介さんの演技が素晴らしい。表情で、仕草で、声音で表現される想いに胸をうたれます。また、原作よりも丁寧に補聴器のこと、ノートテイクのことが描かれていた部分も素晴らしかった。人が多くざわざわしている場所での聴き取りづらさの音の表現なども聴者にもわかりやすいし、聴こえの程度は人によって違う、聴き取りやすい声、聴き取りにくい声にも個人差があるなど、あまり知られていないことではないでしょうか?今までの聴覚障害の人物というと聾、手話、とステレオタイプだったと思いますが、そうではない、障害にはグラデーションがあり、それぞれの大変さがある、という部分がドラマで描かれたのも大きなことではないかと思います。
  • 違いや障害があっても、人がお互いを大切に想い、気にかけ合うことで、その境目が無くなり、同じことで笑い合うような、あたたかくやさしい世界を創れる希望を感じさせる作品です。生きづらさを抱える多くの人たちにとって、タイトル通り、ひだまりを届ける作品であり、テレ東深夜枠ですが、もっと多くの人に届いてほしいと感じます。まだ、俳優の経験の浅いW主演の中沢元紀・小林虎之介が、物語の世界観を、リアリティをもって繊細に演じ、観ている人たちの心に深く響いていると思います。
  • 航平が難聴である自分を「こちら側」、太一を「向こう側」と表現していたことにハッとさせられました。障がいのある人への何気ない気遣いが、相手にとっては過剰なもので、よけいに「こちら側」と「向こう側」を意識させ疎外感を感じさせてしまっていることに深く考えさせられました。どうすれば隔たりのない世界で両者が共生できるようになる社会が作れるのだろうかと思いました。航平と太一が出会うことで、お互いに影響し合い、航平は閉ざしていた世界に光が差し、太一は自身の将来を見つける、二人のそれぞれの成長を見ることもできます。もちろんのこと恋愛も軸となっているので、こちらも見逃せません。

海のはじまり フジテレビ

  • 難しいテーマに取り組んでいると思う。アグレッシブな表現が多い分、賛否の分かれる作品だと思うが、よく練られた脚本と演出。大竹しのぶ、池松壮亮、利重剛といったベテランの懐は深く、新進気鋭の目黒蓮は難しい役を非常に繊細に丁寧に演じている。子役の泉谷星奈がかわいらしい。
  • 心が動かされ、自分の意見が毎週生まれる作品。家族で意見を交換し、考え方の新しい発見もあり、少し重いといわれる内容ながらも家族で楽しんでいます。主演の目黒蓮さんはじめ、皆さんの演技も素晴らしく、最終回に向けてますます楽しみです。
  • 命や運命の繋がりを丁寧に描いていて、毎週目を腫らしながら見ています。最初腑に落ちなかった演者の言動も回を追うごとに背景が見えてきてどんどん話に引き込まれます。ふつう連ドラは中弛みしがちなのに最初より中盤の今の方が断然面白いし、考えさせられます。

日曜ドラマ「降り積もれ孤独な死よ」 読売テレビ

  • 本格的なミステリー感が強く、謎解き考察、毎話緊張感ある展開が面白い。タイポグラフィなどもセンス良く、総合的にスタイリッシュな印象がミステリアスに拍車をかけていて良い。
  • テーマは重いが、まるで映画の様なスピーディーな展開と映像。演技派の役者揃いなので今の所面白い。特に3話の成田凌と萩原利久の兄弟シーンは圧巻の演技対決の様だった。長回しでワンテイクで撮ったそう。あいみょんの歌の挿入も良かった。原作は未完との事で、一抹の不安は残るが最終回までクオリティを落とさないで欲しい。
  • 家庭という場、家族というつながりの中で生まれてしまう悲しみの再生産の虚しさを描こうというテーマへの強い意志。そしてその悲しみの中でも前を向こうと希望を求めて生きる登場人物たちを演じる俳優たちの繊細な芝居、それを映し出す演出。たっぷり間をとったダイアローグを長回しで撮ることだけが「映画みたい」じゃないなと思わせる、練られた構図の画面や音楽など合わせた編集も冴える。

他に推薦された番組

新宿野戦病院 フジテレビ

  • クドカン脚本、際どいセリフの数々、クセのある登場人物、どれも笑える要素なのだが、そこに歌舞伎町の厳しい現実や社会問題が織り込まれており、考えさせられる場面もしばしば。柄本明さんのすっとぼけた感じの表情や台詞回しが最高です。
  • クドカン初のフジテレビドラマ枠。第一話はなんとなくフジとは相性が悪いのかなあという印象だったのですが、回を追うごとにいろいろ噛み合ってきてテンポもよくなって気がします。いろんな出来事が同時進行しつつ絡み合っていく展開はさすがクドカン脚本。なかなか踏み込まない問題にまでどんどん踏み込んで行って考えさせられます。最終どう着地するのか楽しみです。

南くんが恋人!?  テレビ朝日

  • 恋人が突然小さくなってしまうことから始まるドラマですが、この作品では最近のドラマでよく見られる、1人で鮮やかに困難を解決するスーパーヒーローやヒロインが存在しません。家族や自分の身近な人と過ごす日々の時間と、お互いを思いやって相手の尊厳を大切にする、人生はその積み重ねだということが、この作品では声高に叫ぶのではなく控えめで静かに、でも確かなメッセージとして描かれている、そんなふうに感じました。
  • 武田真治さんが南くんを演じた「南くんの恋人」を観ていた世代としては、南くんの方が小さくなる展開に驚き、武田さんの出演が本当に嬉しく、格段に向上した視覚効果が楽しい。良い時代だな、令和。

木曜ドラマ「クラスメイトの女子、全員好きでした」 日本テレビ

  • 中学時代を振り返るドラマの中では本ドラマがここ数年の白眉だと思う。中学時代とは、大人になって振り返るとたいしたことがない出来事も、当時の本人は大真面目の日々。信じられないくらい不器用で、でも、かけがえのないその時代を、明るく、でも、美化することなく振り返る楽しい作品。
  • 爪切男ワールドはやっぱり切なくて痛々しい。2020年の『死にたい夜にかぎって』に通じるものがある。だが、これはそういうテイストを残しながらも、明らかにコメディである。主に中学時代の話であるところがミソ。タイトルを見て何だろうと思ったのだが、1話、2話と見進めて行けば、これは主人公の底抜けの人の好さを表すものだと判る。その主人公を木村昴が外連味を出しすぎずに好演している。その中学時代を演じている及川桃利は逆に外連味たっぷりで、そこがまた面白い。

夜ドラ「柚木さんちの四兄弟。」 NHK

  • 齢80近い母が、柚木家の子どもたち可愛さにハマっていました。なんてことのない日常を穏やかに描くドラマがもっとあってもいいのに、と思います。

火曜ドラマ「西園寺さんは家事をしない」 TBS

  • 辛い過去を持った主人公が多い中、辛い過去があってもオシャレで明るくて頼れて、仕事が出来てほっとけない人情家、でも家事はしない西園寺さんはまるでひまわりのような人。生き方が不器用な楠見親子と知り合って偽(ニセ)家族になる流れだが、改めて、「家族ってなんだろう」と思う。ひと癖のある会社の同僚たちももちろん、こわもての見た目の横井さんでさえ、実は素敵でかわいいキャラクターにしてしまう脚本の見事さ。前半は応援したい気持ちが強かったが、後半は恋愛要素が混じり、さらに面白くなりそう。

ドラマ8「しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~」 テレビ東京

  • 第一話の訴訟が現代なら多くの人が直面しそうな、興味のあるSNSの名誉毀損問題で興味深かった。主人公は型破りな弁護士なのだけど問題解決までのプロセスを地道に丁寧に且つ楽しく説明してくれてなるほどと感心してしまった。語り口調がおちゃらけているのも難しい話を飽きずに聞ける点かもしれないし、真面目モードになった時にギャップでカッコ良さが増すのもいい。
  • 「ちょっと書いただけ」「誰でもやっている」とほんの少しの気持ちで書いたものを、もし読んでいる相手が中傷された本人だったら怖い。ましてやそれが隣人だったり、発信元の会社に飛び火するようなものであったなら。間違った記事も拡散されてゆく世の中、過去の痛いコメントを持ち出し、今度は中傷していた人を標的にまた中傷する。「人のうわさも75日」だったはずが、SNSによって「一生消えないうわさ」になってしまったが、叩く人や傍観している側から見れば「しょせん、他人事(ひとごと)」。SNS中傷を取り扱う若い金髪弁護士を訪ねるたくさんの被害者たち。分かりづらい裁判までの流れを、スプーンひとさじ程度のユーモアを加えて、わかりやすくしてくれている所に好印象。

土曜ドラマ「GO HOME ~警視庁身元不明人相談室~」 日本テレビ

  • 第一話の流れが、まるで小芝風花さんの役が何か特殊な能力を持っているかのように感じてしまい、ファンタジーなのがリアリティなのか分かりにくくて入り込めなかったのですが、2話以降を拝見していくと正体の分からない被害者について調べていく過程はなかなか興味深く、推理でも逮捕劇でもない絶妙なポイントが面白かったです。

ドラマプレミア23「夫の家庭を壊すまで」 テレビ東京

  • 不倫を題材にしたドラマとしてはドロドロの修羅場よりも主人公の心の葛藤を描いたシーンが印象的だなと思った。何かあってもすぐには表に出さず密かに爆発させ着々と事を進める姿が観ている者の心を、妻の立場の心を鷲掴みにしているのではないだろうか。主演女優の鬼気迫る表情や演技に毎回魅せられている。

マウンテンドクター フジテレビ

  • 医療系ドラマはこれまでたくさんあるが、山岳医という日本にはまだ数少ない人材を紹介するものとして、長野で長期ロケを行い、しっかりとした監修も受けリアリティに富む作品となっている。山の事故が増える中、こういう作品を通して啓発も行われるのも期待できるし、人間ドラマの点でも見ごたえのあるものとなっている。

土ドラ10「マル秘の密子さん」 日本テレビ

  • 福原遥さんは優しそうなイメージなのに、とても賢く隙を見せない真の強い女性を演じており、説得力がある為違和感が全くないので驚きました。役者としての幅の広さに感服しています。大会社を誰が継ぐかという相続争いなのにどこかドロドロしていないので気楽に楽しめて好きです。着地点が想像出来そうで出来ないのも飽きさせず楽しみに見続けられるドラマです。

DRAMA ADDICT「初恋不倫 ~この恋を初恋と呼んでいいですか~」 BSテレ東

  • 「不倫をされたら仕返してもいい」そんな考えだとどうなるのか性的描写も多い本作。我が子がいるのに愛が止まらない平井亜門さんのキスがとても切なく心奪われてしまいます。この恋はどうなってしまうのか気になって見てしまいます。

金曜ナイトドラマ「伝説の頭 翔」 テレビ朝日

  • とても気軽に観れるヤンキードラマ。族のヘッドと入れ替わった万年バシリな達人がなんだかんだで危機を乗り越えていくのが観ていて楽しい。主演の高橋文哉くんをはじめ、出演者に特撮系出身者が多いのも魅力的。

水曜ドラマ23「À Table! ~ノスタルジックな休日~」 BS松竹東急

  • 毎回の料理が楽しみで、実践してみたりしている。おそらく母の時代の雑誌だと思うが、庶民的ではあっても今の時代からするとなんとも言えない優雅さを感じてしまう。

ドラマフィル「三ツ矢先生の計画的な餌付け。」 TVK

  • 以前参加したセクハラ防止講座では「あなたに若手社員が好意を持つなんて、長塚京三のCMみたいなことは絶対におきません」と教わった。ところがである。このドラマは、料理研究家のおじさんが若い担当編集者の胃袋をつかんで…というファンタジー。「これってハラスメントじゃん」とみじんも感じさせないのは、三ツ矢先生役の山崎まさよしの、はんなりとした佇まいのおかげだろう。性的マイノリティーとして今とは全く違う時代を生きてきた年長者と若者の関係の進展が楽しみだ。

オシドラサタデー「青島君はいじわる」 テレビ朝日

  • 原作の漫画は未読なので、イメージが違うとかの一部意見には何とも言えないが、ドラマ単独で見てみれば土曜の夜に見るのに、リアルとファンタジーのミックス具合がいい塩梅の恋愛ドラマだと思う。年上先輩女子をからかいながらだんだん本気になる年下イケメン、もう恋愛はいいと逃げながらも惹かれていくヒロイン。ベタな予定調和になりそうだが、共感できるエピソードで話をすすめてくれることを期待したい。

パーフェクトプロポーズ BSフジ

  • 主演の金子さん、野村さん共に原作通りのお二人でした。毎回、金子さん演じる浩国の可愛いさと手料理で帰りを待っている野村さん演じる甲斐のツンデレぶりが微笑ましく癒されていました。最終回で感情が爆発して泣きながらセリフを言う野村さんの演技に感動しました。

木曜ドラマ「スカイキャッスル」 テレビ朝日

  • 最近は何かメッセージ性の強い作品が多いように思いますが、ドラマをエンターテインメントとして、何も深いことを考えさせずにフィクションの世界を楽しみたい!という思いもあったので、本作の韓国ドラマ由来のドロドロ人間劇はとんでもない展開がたくさんで、見ていてドキドキハラハラしつつ、なぜかストレスが発散されるような気がします。楽しむだけのドラマ、こういう存在もありがたいです。

タカラのびいどろ BS朝日

  • 宝役の岩瀬洋志くんの演技がとても良い。クールでぶっきらぼうに見えるが本当は優しい宝先輩を原作の雰囲気を壊さずに演じていた。人を好きになる気持ちがお互い分からないまま、ゆっくりじっくり育む愛のお話。お互いが好きでたまらない!会いたい!という誰しもある初恋の思い出が心をギュンとさせます。

君とゆきて咲く ~新選組青春録~ テレビ朝日

  • 時代の波に翻弄され、傷付き悩む隊士たちの心情が丁寧に描かれています。幕末のヒーローのように捉えられることの多い新選組について、隊士たち(架空のキャラクターを含めて)の心の動きをなぞっていて、新しい新選組の物語を感じます。

日曜劇場「ブラックペアン シーズン2」 TBS

  • 前作から6年。1話の序盤では、頼もしくなった世良に胸が熱くなった。主演の二宮和也は天城と渡海の一人二役で、瓜二つな別人を鮮やかにどちらも魅力的き演じ分けている。手術シーンで流れるクラッシック音楽も、二宮和也自ら選曲しているとか。芸術的なシーンとなっており、毎回見応えがある。最終話に向けて、天城や佐伯にどんは運命が待ち構えているのか…目が離せない。

ドラマ特区「彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる」 TVK

  • 昨今の深夜ドラマ界でのBLドラマの興隆は、MBSとKADOKAWAのドラマシャワー枠の成功が大きいと思う。女性同士の愛(GL)を扱った本ドラマのプロデューサーはドラマシャワー枠の両社の担当者KさんとOさんだ。BL作品の成功に対しては、女性同士の愛を扱わないのは片手落ちとの批判があるとすれば、本ドラマは両氏の回答なのか?と放送前は考えていた。ところが、このドラマは、理屈抜きに楽しめる、明るく軽妙な楽しいラブコメ。GLドラマの可能性を感じされる良作だ。

連続ドラマW「完全無罪」 WOWOW

  • まるで20世紀のドラマみたいなゆっくりしたリズムで撮影され展開されているところには少し焦らし過ぎの感もあるが、随分と手の込んだ設定で、人間の心の難しさというものをよく描いている。

火ドラ★イレブン「あの子の子ども」 フジテレビ

  • 母側の立場で見ているが、どちらの母の気持ちも分かって辛い。自分なら反対してしまうと思っていたけれど、このドラマを見ていて選択肢の幅の広さや子供の心を改めて考えさせられる事が多く、最後まで見ると自分の答えに変化が起こりそう。

土曜ナイトドラマ「顔に泥を塗る」 テレビ朝日

  • モラハラ彼氏と同棲して感じた違和感を見ないフリして一緒にいる美紅。メイクをきっかけにモラハラ彼氏に言い返すシーンにヨシッ!と思った瞬間にモラハラ彼氏からの反撃は目を見張るものがあった。西垣匠くんが演じるモラハラ彼氏には嫉妬、愛、独占欲、支配欲を目線、声、表情で伝えてきて怖いはずなのに、愛おしささえ感じてしまう。ここまで深く愛されるのが羨ましいと考え方が変になる気さえしてくる。赤い口紅を塗って変わり始めた美紅の口紅を汚いと罵るシーンはひどいのに、変わらないでほしいと伝わってきて、ひとくくりに酷いとは思えないほどにモラハラ彼氏に肩入れしまった。

ドラマ25「晩酌の流儀3」 テレビ東京

  • 自分は晩酌をするほどアルコールが得意では無いけれど、美味しそうな晩酌のお供を気持ち良く爽快に飲んで食べているのを観ているだけで、満たされた気分になります。

科捜研の女 Season24 テレビ朝日

  • 沢口靖子さん扮するマリ子さんにはもはや貫禄が。ここ数年のシリーズのスタイリッシュさは影を潜め、原点回帰しているようで、見る側は安心しています(笑)。物語の展開と毎回の豪華ゲストを楽しみに見ています。

ビリオン×スクール フジテレビ

  • 王道の学園もののようで、言葉や行動が今の時代をあらわしていてコメディとしてみていたら突然、グッと胸が苦しくなる場面も多くよい意味で裏切られてよかったです。主要の山田くんと木南さんはもちろんのこと、生徒役の若手の俳優さんたちが思春期の素晴らしい演技をみせてくれてそれを見れただけでもお得なドラマでした。

ドラマ24「錦糸町パラダイス ~渋谷から一本~」 テレビ東京

  • よくぞ錦糸町を選んでくれました!なつかしいなぁ~。中学で映画教室ってのがあって墨田区の端っこから観に行ったなぁ(遠い昔のお話)。観ていて優しい気持になれます。

パリオリンピック2024開会式 NHK

  • NHKによる独自性がどの程度発揮されていたのかといえば疑問だが、前代未聞の市中開会式の様子を興味深く見続けた。もし実況者による解説がなかったら、カオスな映像だったに違いない。
  • 開会式からフランス国民の非常に特異な独特な感性を強く感じた。マリ―・アントワネットが幽閉された場所から自身の生首を手に登場し「モナリザ」が消えて川に浮かび、まるで「最後の晩餐」のパロディそのもの、だったり。驚きでいっぱいの幕開けだった。

FNS27時間テレビ フジテレビ

  • 学園ものに振り切った構成、テーマ、企画が良かった。学生やいわゆるZ世代だけでなく全年代が気持ちよく見れる番組だった。
  • テレビって、ワクワクさせてくれるもの。さらに言うと、子どものころは憧れだったものだ。だからこそ、学校とのコラボレーションの数々にとても心をひかれた。テレビ離れというけれど、テレビがきちんと若者・子どもに寄り添えば、きっと離れていきはしないと思う。

ETV特集「“法”の下の沈黙 ~優生保護法の罪 1948―2024~」 NHK

  • 前世紀に世界を席巻しナチスのホロコーストの論拠ともなったという、人類にとって唾棄すべき「優生思想」。しかしこの差別的思潮が、戦後のこのニッポンで「優生保護法」としてカタチにされていたという史実、そしてそれに基づいた残酷で邪悪な強制不妊手術が、1992年という近年に至るまで何の疑問もなく行なわれていたということに、暗澹とした思いになってしまう。一体この国は、私たちの社会は何をやってきたのだろう。

情熱大陸「木南晴夏」 TBS

  • 「(普通の)私なんか撮って、撮れ高あります?」と、なんとなく仕事を頭に入れたトークも、頭のいい証拠だと思った。昨年の秋ドラマで見た彼女のプロ意識の強さにすごく興味を持っていたので、このタイミングで見られて良かった。「出来ない演技はない」と言わんばかりに、無数の演技の引出しをたくさん持っていて、密着中であってもカメラなど気にしない。集中してドラマや映画の1カットを監督と積んでゆく姿に、心底、演劇に惚れているのだろうと思う。彼女の周りはいつも明るく、番組スタッフにも気遣う優しい面もあり、さらに好きになった。

新プロジェクトX「トットちゃんの学校 ~戦時下に貫いた教育の夢~」 NHK

  • 大正新教育運動の流れの中で、短い時間ながらも、美しく輝いた「トモエ学園」。昨今「子どもファースト」という耳当たりの良い言葉を、心にもないのに乱発する傾向があるが、本当に「子どもの思いを生かす」ことの意味を改めて教えてくれた。戦争前夜そして戦時中にもかかわらず、教育者としての信念を貫いた小林先生を、継承できなかったことにも探究を深めたい。卒業生では、黒柳徹子さんが突出するが、他にもトモエの学びがあったればこそ希望を実現できた人たちがいたことも知ることができた。私立学校は、進学実績やスポーツ戦果を誇るものではないことを、肝に銘じさせる番組だった。ひと時の輝きを放った地上の星も忘れてはならない。
  • 国のいろいろな規制だらけで、自由が奪われた時代に個性を大切にする教育を貫かれた姿に敬意を表する共に、その時に築かれた基盤が現在の教育に繋がっていると思うと感謝の気持ちであふれました。

ETV特集「いのちと向き合った日々」 NHK

  • 8割が中絶を選択する診断が下された夫婦の苦悩と葛藤をカメラは撮り続けた。映像制作に携わる夫からの申し出とはいえ二人の本音や諍いを見るこちら側にも否応なしに自分ならと自問自答を迫られた。最終的に出産の道を選びその後の幸せそうな家族の姿が映し出されて安堵したがこのドキュメントは決してその決断を強制するものではなく、反対の行動をとった者を責めるものではない。当事者がどうするのかその判断材料となる情報の少なさとサポートの充実を訴えていたのではないかと思う。

ザ・ノンフィクション「猫をさがす2人 ~被災地の猫物語~」 フジテレビ

  • とにかく猫が好きなので興味深く拝見させて頂きました。震災から暫く経った今でもたくさんの苦労と努力が動物達にも向けられている事に胸が熱くなりました。感謝しかありません。

NHKスペシャル 混迷の世紀「パラレル・アメリカ銃撃事件の衝撃 分断のゆくえは」 NHK

  • かつて私たちが描いていた世界の警察で寛容なアメリカの姿はどこにもなかった。トランプ支持者の狂信的ともとられる言動は国民の分断の深刻さを浮き彫りにしている。しかしこれはなにもアメリカに限ったものではなく過度な自国優先の政治が広がりつつある現状は民主主義の崩壊を招くのではないかと危機感を感じた。大統領選挙を注視していきたい。

テレメンタリー2024「半導体バブルの陰で」 テレビ朝日

  • 日本全体の多くの地方において、政治も経済もじわじわとした衰微の方向に向きつつあるとき、海外の巨大半導体企業の進出という降って湧いたようなおいしいハナシに、その当該地元がよろこびはしゃぎ返るのは、まあ無理もないことだろう。しかしその影で、本来大事にしなければならない、地に足着いた人々の暮らしがどんどん損なわれているという苦い現状を、熊本朝日放送がしっかりと伝える。

NHKスペシャル「うちらがせんと誰がする ~能登・信金職員たちの6か月」 NHK

  • NHKの能登復興報道は、よくやっていると思う。これもその一本で、丁寧に取材されている。ただ「地元企業も信金職員も頑張ってます」では済まない状況もあるはず。制度や仕組みを含めて、問題点を提示し、それを政治に突きつけるような番組も見てみたい。

クローズアップ現代「“隠された”被ばく者 ビキニ事件70年・救済を巡る闘い」 NHK

  • 緻密な取材、明確な問題提起、そして吉永小百合という意外なゲスト。実にクロ現らしい。8月になると必ず取り上げられる広島・長崎と違い、この「第3の被爆」は、メディアによっても”隠された”のではないか。「除斥期間」を理由にした国の責任回避は、優生保護法をめぐる裁判で覆ったばかり。他のメディアも、もっと報じていいはずだ。

FNSドキュメンタリー大賞参加作品「58年 その先に -袴田事件と再審法-」 フジテレビ

  • 袴田事件における、長年にわたる検察の証拠非開示の理不尽。ようやく示され始めた新たな証拠によって明かされる、色彩写真や調書証言における歪曲詐術などに、検察という組織の不正体質が露わになっていることをしっかりと示していく。更にそこからこういった検察の不実・不正義を呼び起こしているものが、再審法の不備にあることを明瞭に示し、この改正が急がれていることを訴える。テレビ静岡の丁寧で真摯な力作。

ドキュメント72時間SP「フランス・パリ 街角のマンガ喫茶で」 NHK

  • フランスのマンガ喫茶をどんな人が利用するのだろうと、興味深く観た。学生の息抜き、働いた人の癒し等、日本人と同じように利用しているのに、親近感を覚えた。
  • フランス人は日本語にとても関心を持っていると以前から聴いていた。やはり日本のサブカルチャー「漫画」に強く魅了されていることがこの番組からも分かった。日本人は当然と感じている「漫画」の物語性、美しく細かい描写、改めて日本の漫画の凄さが分かりました。

映像の世紀バタフライエフェクト「ワイマール ヒトラーを生んだ自由の国」 NHK

  • ワイマール共和国という存在を初めて知った。今見ても先進的な民主主義国家がなぜヒトラーを生んだのか。第一次世界大戦後仕事を無くした軍人の不満や世界恐慌による貧困の不安を利用し活躍しているユダヤ人への不満を広げ強い指導者を熱望させ国民が気が付かないうちに少しずつ法を作り替え独裁国家が作られていった。これ現在世界で起きていることに似ていないだろうか。そう思ったらとても怖くなった。

テレメンタリー2024「入管ドクター」 テレビ朝日

  • この手の入管内部の取材は初めてではないか。「ブラックボックスに光を!」と訴えるだけでなく、医師への取材を通してそれを実現させた手法と粘りに拍手したい。忘れがちな「少し前の大事なニュース」を埋もれさせまいという姿勢も買いたい。この枠の可能性を感じさせる一本だ。

映像の世紀バタフライエフェクト「東京 戦後ゼロ年」 NHK

  • 今までの映像でなんとなく知っていると思っていた戦後すぐの東京は一部分に過ぎなかった。占領軍のために国家予算の三分の一が使われ政治家や産業界の大物が物資を隠匿して懐を肥やしていたのに国民は苦しい生活を強いられていた状況は本当にやりきれない想いがした。搾取する者とされる者に二極化されるのは今も変わっていないのでは。

明鏡止水 武の五輪 NHK

  • 明鏡止水は毎回、岡田准一さんのマニアックな解説、そして「格闘技解説員」と名乗りつつ、ついつい自ら技をかけにいったりするところが面白いです。今回はオリンピックの競技に関する内容でしたが、岡田准一さんの知識の豊富さに驚きます。

Gメンバーの推薦番組

100カメ「東京メトロ」 NHK

  • 東京地下鉄の司令室を覗き見すると言う企画だった。東京は、地下鉄・私鉄が乗り入れて、複雑になっているのを、運行を正確にコントロールしながら、トラブルに対して運転士や駅員に正確に指示を出し対応している司令室の仕事に、非常に見応えがあった。司令室の人達の厳しい仕事の中でも、多方面に指令を出し、色んな人の関わりがとても楽しく見れた。

ザ・ドキュメント「さまよう信念 情報源は見殺しにされた」 関西テレビ

  • 2006年という過去の事象ではあるが、奈良自宅放火母子3人殺事件における供述調書漏洩という案件について、改めてじっくりと検証し、「情報源秘匿」というメディアにおける重要な問題を考え直す。鹿児島県警の内部告発者逮捕や、兵庫県知事告発文書を送った県職員自殺といった、現在進行中の深刻な問題につながってくるものであり、この再検証には意味があると思う。

生中継祇園祭山鉾巡行・後祭2024 BS11

  • 地元局KBS京都との共同制作で、町中あげて盛り上がる祇園祭の熱気が伝わります。
    この番組をはじめ、この夏は各地のお祭りや花火大会がBSで見られる機会が多かったように思います。家に居ながらローカルの趣きが味わえるので、全国各地のいろいろなイベントが見られるといいなあ、と思いました。

歴史探偵「VR京都御所 平安ワンダーランド」 NHK

  • 平安時代の京都御所をVRで再現、宮廷儀式(舞)もVRで再現していた。立体的に再現され、臨場感が感じられて、非常に惹きつけられた。儀式の再現場面では、100台ものカメラで撮影して動きを撮影し、再現したと言う。どの再現VR映像も、この映像を作るのに、大変な映像処理が必要だったと思うと、スタッフの労力に脱帽する。ひとつの番組だけで使うのは勿体無いと、思った。

ボーイフレンド Netflix

  • 恋愛対象が男性という9人の若者が約1ヶ月の共同生活を送る、といういわゆる恋愛リアリティショー。日本で初めての番組ということで、過度な演出や恋愛への特化を慎重に避けて制作したように思われた。そのため、恋愛とともに友情や成長が全編から伝わる内容となっていた。男女の恋愛リアリティものは、あまり好まなかったのだが、この番組に関しては、出演した若者全員を応援したくなった。

情熱大陸「とにかく明るい安村」 毎日放送

  • 「招かれて訪れた国の言語でネタをやる」という姿に現地の人に笑って楽しんでほしいという芸人魂をみました。海外ブレイクのきっかけになったイギリスのテレビ番組にシークレットゲストで招かれたとき、おかえり!と向かえてくれる現地スタッフさん。そうしたくなるような真摯な仕事ぶりなのだろうなあと感心しました。自分もそうでありたい。

うまいッ!「モッチリ食感で人気!国産パン用小麦 ~滋賀・近江八幡市~」 NHK

  • 久保田先輩役の小林涼子さんは毎クール途切れることなくドラマに出演されているイメージですが、農業ベンチャーもされていると知り、驚きました。コンバインに乗ってお米作りを10年くらいしているとはびっくりです。そして小麦の種類によってパンにすごく差が出るというのも興味深かったです。パン好きとしてはいろいろなパンを食べ比べしてみたいと思いました。

地面師たち Netflix

  • 数年前の実在した事件を下敷きにダークヒーロー「地面師たち」側の背景を肉付けし、大根仁監督の粘りと大胆さ、スピード感ある話の広げ方に興奮した。1話の導入部分が入りづらいが、そこを越えるとまさにあっという間。今の地上波では表現出来ない、ざらついた粗さと深みがある彫り方は、70年80年代のちょっと子供向きではなかった夜のドラマを思わせる。日本だから、配信だから揃えることが出来た配役と意外な役柄への抜擢に感謝。数時間があっという間だった。面白かった。

ザ・バックヤード 知の迷宮の裏側探訪「生命の星・地球博物館」 NHK

  • このシリーズはいつも楽しみで見ている。今回は特に知らなかった博物館と、その研究についてよく知ることが出来た。

水曜日のダウンタウン(7月24日放送) TBS

  • ドッキリをかける側がドッキリをかけられる側だった…という内容。きしたかのの高野さんが、後輩が楽屋泥棒をするところをモニタリングして、涙をこぼして後輩のことを心配している姿が印象的だった。高野さんが楽屋に入ってから後輩に自首するよう促したり、本気で後輩を叩いて泣いている姿につられ泣きしました。ドッキリだと明かされてから、芸人さんだと普通は「なんなんですかー!」とかリアクションしそうなのに、高野さんは安心したように微笑んでいて人柄の良さが垣間見えました。とても良い回だったと思います。

ワルイコあつまれ NHK

  • 今回の「ケミカルシアター」もとても面白かった。俳優の熱演もあり、15分の短い時間だが、とても見応えがあった。突然科学実験が入るシュールさもあり、この番組ならではのコーナーだと思った。今までのケミカルシアター(ケミカルドラマ)をまとめて、再放送してほしい。

(掲載は順不同)