2024年8月度-月間ノミネート

火曜ドラマ「西園寺さんは家事をしない」 TBS 得票数:262
日曜日の初耳学「米津玄師」 毎日放送 得票数:232
100カメ「福島第一原発 あの事故から13年。廃炉作業の最前線をのぞき見!」 NHK 得票数:222

 
 
火曜ドラマ「西園寺さんは家事をしない」 TBS

  • 血縁関係や婚姻関係に捉われない新しい家族の形を模索している中で、そこに恋愛感情が生まれたらどうするのか、という難しい問題を逃げずに描いていると思います。もちろん、ラブコメというエンタメ的ない要素ではありますが、一緒にいれば何かしらの愛が生まれるもので、その感情を単なる恋愛感情だけではなく、慈愛、家族愛、友愛というようないろいろな愛を含めた描き方をしているので共感性が高いです。
  • 毎週、心癒され、感動と愛に包まれ、時にはくすっと笑える最高のドラマでした。家族の在り方、人と人との関わり合い方、周りの人との支え合いなど、今の自分にたくさんのヒントを頂けて、きっとこれからもずっと心に残る作品です。松本若菜さん、松村北斗さん、子役の倉田瑛茉さんの演技が自然だけど心打たれる素晴らしい演技でした。
  • 泣いて笑って、ラブコメ最高!と心から思わせてくれる傑作。個人的に今クールのベスト子役賞はルカちゃんです。当て馬役にアダルティな津田健次郎さんを持ってきたキャスティングセンスにもただただ拍手! 松村北斗さんの泣き演技素晴らしく、必ずもらい泣き。毎週リアタイし、松本若菜さんに完全に感情移入の楽しい1時間をありがとうございます。

日曜日の初耳学「米津玄師」 毎日放送

  • 熱心なファンでない自分は、米津玄師というアーティストがテレビ番組でトークしているところを初めて見た。生真面目で、何事も論理的に考え、語り、でもそれをごく自然に振る舞う、素敵な青年だった。ココイチのカレーが大好きという可愛らしさと、誰の歌とも知らないうちに宮崎駿の心も掴む楽曲を作り出す才能が同時に存在するところに、作品ごとのクリエイターたちが全幅の信頼を寄せて、かつその期待に応える一曲を生み出す力があるのかも知れないと感じた。
  • 一旦自分の失敗談を交えつつ、聞にくい核心部分をサラリと…林先生の聞く力に毎回感心。「ミュージシャンは自由度高め」という勝手なイメージを、米津さんのぶれない落ち着いた返答が覆してくれた。見応えあるインタビュー番組だった。
  • 林先生が文学の観点からインタビューすることによって、米津さんが作る曲の歌詞の美しさに気付かされた。また、質問に丁寧に答える姿に誠実な人柄が伝わってきたし、音楽作りに対する真摯さがよく分かった。

100カメ「福島第一原発 あの事故から13年。廃炉作業の最前線をのぞき見!」 NHK

  • この番組を見た後、デブリの取り出しのニュース、あぁ進むんだと実感してすぐに、装置の並べ順にミスがあっての中止を知り、なぜそんな事が起こり得るのか、とても信じられなかった。覚悟を持って仕事をしていた方達はどう思っているのかと知りたくなった。
  • 作業されている方々が明るい。明るくしてないと果てしなく終わらない作業だからかもしれないけれども、明るくて驚きました。見える危険と見えない危険の中での作業を今もずっと行われてることに頭が下がるとともに感謝です。知っておかなくてはならない現場だなと思いました。
  • ニュースでは知ることの出来ない廃炉作業の姿に驚いた。安全の為に施す防護の厳重さと負担、綿密に組み立てられた工程、現場で働く人達の前向きな姿勢に感謝したい。放送のすぐ後に作業でミスがあったと報道されていたが、責める気持ちは湧いてこなかった。安全第一で進めていって欲しい。シャワーを使えないとか、質素な食生活とかもう少し改善されたらいいのに、とも思った。

他に推薦された番組

土曜ドラマ「Shrink —精神科医ヨワイ—」 NHK

  • 精神科、心療内科を受診することの気持ちの上でのハードルの高さ、自分には縁が無いところと思っていたけれど、いつ誰が当事者になるかなんて分からないと思いました。病気や医師による対応の違い、どうやって克服していくかなど学びの多いドラマです。
  • 数年前から目に見えて心療内科やメンタルクリニックが増えている。体や心の疲れから病気になるものもいれば、生まれつき社会で適応できない人もあり、自分自身はどのような状態なのかと訪れる人々を、次々と受け入れる弱井さんの優しい声。治療もカウンセリングと投薬ではなく、本人に「悩んでいるのは自分だけではない」と気づかせて、通っていくうちに自分を抱きしめられるような方法で、スタッフ一丸で患者が歩き出すよう手助けをする。決して患者自身の努力を否定しない世界に心を温かくさせられた。

素晴らしき哉、先生!  テレビ朝日

  • 教師(先生)の、当たり前の日常の視点からの学園ドラマ。熱血漢でも、特別な才能を持つわけでもない普通の教師が、現場の殆どを占めているはず。その、日々の出来事にフォーカスする。もちろんドラマとしてのデフォルメはあるが、「学校にはこんな仕事もあるのか」を気づかせてくれる。それらは「雑用」と括られるものだけではない。デジタル化や調整手当の増額などという、凡庸な机上の対策では何ら解決しないもの。辞めたくもなる思いをスマホに吐き出すものの、実際にはそうではない行動をする。「これが先生なのだ!」 生田絵梨花のりお先生が、どう変わっていくのかが楽しみ。

金曜ドラマ「笑うマトリョーシカ」 TBS

  • 折から自民党の次期総裁選びの動きが活発化している。これは、実質的に首相を決めることになるのだから、手も足も出せない国民にとっても、他人事ではない。その現実とドラマとが、妙にオーバーラップする。政界が、裏金だけではなく、黒に近いグレーな世界だとは分かっているが、反社との結託など、現実味を帯びて迫る。若くして厚労大臣に、そして官房長官に上った清家(櫻井翔)を見ていると、内閣の知性の低さ、薄っぺらさを思い知らされもする。「日本、大丈夫か?」 そうした中で主人公のジャーナリスト・道上(水川あさみ)に、希望を見る。ただ、記者クラブ制度に安住し、鋭く切り込むこともしない、大新聞・テレビなど現在のマスコミには、どれだけの覚悟と矜持があるのだろうか。

ドラマ24「錦糸町パラダイス〜渋谷から一本〜」 テレビ東京

  • 川の流れのように、人と人がすれ違い行き来する現在、人の数だけ抱える過去もある町として、錦糸町をピックアップしたことに注目。3人の営む掃除屋と同級生の喫茶店、自由なおじさんが主人の駄菓子屋と地元のラジオ局という場所も、実はありふれた景色・雰囲気を出しているが、なんとなく流されていって「本当にこのままでいいのか」という、もどかしさや「濁り」も感じる。町中に貼られる過去の事件の犯人を暴く謎のQRコードが、うつうつとした現代を感じるアイテム。世知辛い世の中で生きていける場所を探す場所はどこなのだろうかと、ふと立ち止まって考えてしまう。

マウンテンドクター フジテレビ

  • 時は登山ブームもあり、多くの登山未経験の方による事故や怪我の報道を聞くたびに、マウンテンドクターで描かれる世界の厳しい現実、一人の命を救おうと奮闘するMMTメンバーの姿がまざまざと浮かんで、まさしくこのご時世を反映された作品であるなと想いを深くします。このMMTメンバーの発起人とも言える、正義感に満ちた宮本歩先生の、誠実で、柔らかくも逞しい人柄が、作品のメッセージをはっきりと表しています。
  • 夏場に山での医療もの。恋物語か、群像劇か? 事前に既視感を少し持っていたのは事実。しかし、ドラマが進むにつれ、これは、最近ではあまり見かけなくなった教養小説の一種ではないかと思い当たった。登山者の救助という極限の条件下で、最善の決断を迫られる主人公の悩みと成長を描いているのだ。主人公の悩める山岳医は杉野遥亮の当たり役だろう。

土曜ドラマ「GO HOME〜警視庁身元不明人相談室〜」 日本テレビ

  • 実際に「身元不明 遺体」と検索すると、全国規模で大勢いることに思わず冷汗が出る。ドラマで取り上げるのは身元が分かったほんの一例。希望を見つけたとたん、夢半ばで生涯を終えてしまう人や、社会事情や環境の中で悩みもがき苦しむ人々。彼らに寄せる冷たい視線や心無い言葉があった裏に秘めた希望を知るたびに、涙や悔しさを感じる。警察モノなのだが、ヒューマンドラマと言った方がいいだろうし、見た人の感想はきっと一つではない。

ROOM 〜史上最悪の一期一会 BS-TBS

  • たまたま同じ日にホテルに宿泊することになった訳あり男性4人。それぞれの大変な苦悩とは裏腹に、テンポの良い演出で見ているこっちは思わず笑ってしまいますが、共感してしんみりしてしまう場面もありとてもバランスがよいと思います。

連続ドラマW-30「磯部磯兵衛物語〜浮世はつらいよ〜」 WOWOW

  • 演じる役によって、柔軟にその存在感を作り上げる杉野遥亮くんの演技の幅をまた知って、笑い転げるとともに驚くばかりです。監督さんとの息もぴったりで、磯兵衛の面白さを実写でこんなにセンスよく表しているのは本当にすごい事だと思います。

特集ドラマ「ダーウィンが行く!?」 NHK

  • 動物ドキュメンタリーってどうやって撮っているの?という素朴な疑問の一つの回答。とにかく粘って粘って、奇跡の一瞬を映し取っているんですね…粘り勝ちのチーム戦が爽やかで、動物ドキュメンタリーを見る目が変わりました。

木曜ドラマ「スカイキャッスル」 テレビ朝日

  • 回を追うごとにスリリングさが加速してきた。小雪の不気味な演技が素晴らしい。華やかな演出が期待感を増幅させている。

特集ドラマ「昔はおれと同い年だった田中さんとの友情」 NHK

  • もしも父や母や兄弟がいきなりいなくなってしまったら。自分の価値観を墨で塗りつぶされてしまったら。子供らしい遊びなど遠い過去、長い長い人生の中に深い棘のように刺さった「戦争」の記憶。自分だけが生き残ってしまったことへの「罪」への気持ちと、思いを吐けない強いほどの孤独。そんな田中さんが、言えなかった家族や当時の自分に対する贖罪の気持ちを晩年に吐露出来た場面は、やっと重い荷物を下ろしたようだった。岸部一徳さんの子供のような笑顔が印象的。
  • 「今の子どもが戦争の話を真剣に受け止めて聞くことなんてあるんだろうか」という自分の偏見に気付かされました。子役の方も素晴らしかった。戦争の記憶は語り継いで行かなければならいけれども、実体験のある方に語っていただくことは、その方の壮絶な残酷な記憶、その時の感情を呼び起こさせることであって、それを強いているという側面もある。だからこそ、そんな思いの上での記憶を語り継ぐことを止めてはならない。声を上げること、意思を示すことの重要性を考える番組でした。

ドラマフィル「三ツ矢先生の計画的な餌付け。」 TVK

  • 日々の食事がその人を作る。歳の差、性別、社会的地位、色んな壁を取っ払って美味しいものを作って食べることの幸せ。緩やかな会話と、時に情熱的に本音をぶつけあうやり取りが見ていて心地良いドラマでした。

ビリオン×スクール フジテレビ

  • 今までも問題児や個性が過ぎる生徒達を集めたクラスを劇的に変えるドラマは多々ありましたが、全く違うアプローチで、“多少現実離れしているな”と思いつつも全くあり得ないことも無いであろうストーリー展開が面白かったです。ただ変わらないのは「いつの時代でも生徒だけでなく先生も成長していく」という姿勢。山田涼介さん、木南晴夏さんの絶妙なバディ感が特に良かったです。

科捜研の女 Season24 テレビ朝日

  • いい感じに俗っぽくて、とても見やすいです。キャラクターと設定がしっかりしていれば、どんなテイストでもドラマとして成立するんだなあ、と長寿シリーズの底力を感じます。

特集ドラマ「母の待つ里」 NHK

  • 静かに、だけど人間の一番大事な部分を突かれているような、何とも言えないストーリーと巧みな役者さんたちの何とも言えない演技に凄まじい勢いで惹き込まれた素敵なドラマでした。

土ドラ10「マル秘の密子さん」 日本テレビ

  • 密子の正体は判ったものの、九条開発の火事はどうして起きたのか、密子の姉はどうして亡くなったのか、更に夏の夫も突き落とされて謎が深まるばかり。それらを考察していくのが楽しいドラマ。密子役の福原遥さんのファッションやメイク、またセットもオレンジとブルーグリーンをアクセントにレトロな感じになっており、それらを見るのも楽しみの1つ。

海のはじまり 特別編「恋のおしまい」 フジテレビ

  • 主演の目黒蓮の体調不良で休養のため特別編を差し込んだと聞いているが、とてもそんな急ごしらえのドラマとは思えない。多分構想には最初からあったのだろう。目黒抜きで、しかし、この連続ドラマの非常に重要な背景を他のメンバーでとつとつと語っている感じ。脚本の生方美久の力量もあるが、古川琴音と池松壮亮が本当に素晴らしい演技。観ていて息もつけない感じになってきた。

金曜ナイトドラマ「伝説の頭 翔」 テレビ朝日

  • 高橋文哉さんの二役が本当に別人にみえて、演技力の高さを実感しました。弱者が何らかのきっかけで強くなるという人生逆転劇みたいなドラマはよくあると思いますが、定番みたいなスカッとする感じが視聴した後に残るので定期的に見たくなりますね。

コスメティック・プレイラバー フジテレビ

  • とにかく映像美が際立っていた。深夜の恋愛ドラマにありがちなセンシティブシーンは極めて少ないながら、演技と演出で視聴者の満足感が高い作品に仕上がっていた。公式SNSのコメントの熱さが好印象で、更新が楽しみだった。

ドラマ8「しょせん他人事ですから〜とある弁護士の本音の仕事〜」 テレビ東京

  • 現代の様々な問題に特化した、とてもリアルなストーリーで考えさせられることも多かった。しかし、良い意味で中島健人さんの軽いキャラクターが観やすくそしてその軽さを活かした、時々斬り込むスパイスのような切れ味が良かった。

南くんが恋人!?  テレビ朝日

  • 今までに何度か実写化されていた「南くんの恋人」を、令和版として男女逆転させて南くんが小さくなった本作。南くんは事故であの時死んでしまっていたのか、それとも元に戻る方法はあるのか!?爽やかなカップル2人のラブストーリーの中に、現代社会が抱える家族の問題を、日常のものとして織り込む、その織り込み方が秀逸です。俳優陣それぞれの演技も素晴らしく、心に残る作品になったと思います。

新宿野戦病院 フジテレビ

  • 無茶な設定がまかり通る医療ドラマながら説得力があるのは、ヨーコ先生の人間を信じる力ゆえ。笑いの中にも、浮き世を斬る鋭さが見え隠れするところにひかれます。
  • 独居老人、コンカフェ、ストーカーなど、たにかく現代の世相を反映したテーマばかりだが、それを宮藤官九郎さんの手腕で重すぎることにならず、だが考えさせられる内容になっている。それとは別に本筋でヨウコの医師免許の問題やまごころ病院の経営状態のこともあり、あっという間の1時間である。俳優さんがどの方も個性際立つ方ばかりで素晴らしい。

木曜ドラマ「クラスメイトの女子、全員好きでした」 日本テレビ

  • 主人公の作家が中学時代に好きだったクラスメイトの女子(実は全員)をひとりずつ語って行くという、タイトルから容易に想像できる構成を採りながら、縦軸としてその作家のデビュー作が実は盗作だったという設定を初回に持って来てそこからストーリーを編んで行くという非常に技巧的な作りのドラマなのだが、これが結構人情ドラマで笑って泣ける「ええ話」になっているところが見事。

火ドラ★イレブン「あの子の子ども」 フジテレビ

  • 桜田ひよりさんの透明感に圧倒される。山浦監督の回が特に素晴らしく、何度もグッときた。今クールは月9など、若くして授かってしまったカップルの問題に真っ向から向き合った意欲作が多いが、今作の若き2人の勇気と決断に毎回心が震えている。

3か月でマスターする数学 NHK

  • 数学は大の苦手だが、でもわかったらきっと楽しいだろうなという私みたいな視聴者にはピッタリの番組。わかりやすい実験や図や映像で数学をエンタメ的に楽しめる仕掛け。やはり数学が苦手なアナウンサーが、そうそう、そこがわからないっていうところを指摘してくれるので、視聴者が置いてけぼりにならない。最終回までしっかり視聴したい。
  • これを平日のプライムタイムに放送できてしまうところがEテレの特権ともいうべきか。民法各局はどこにチャンネルを合わせてもVTRとひな壇で構成されるバラエティばかりが並んでいるところに、明らかに異質なコンテンツが入っているだけで思わずザッピングの手を止めてしまった。子供から高齢者まで一緒に見て楽しめる番組って、案外こういうものなんじゃないかと思う。

徹子の部屋「『戦争』を忘れない 櫻井翔が聞く黒柳徹子の記憶」 テレビ朝日

  • 戦争を体験した世代でお元気にテレビに出演されている黒柳徹子さんは老若男女に知られている存在ではないかと思う。その黒柳さんに、幅広く活動されている嵐の櫻井さんという取り合わせは、戦争を知らない世代にも話の取っ掛りとして良い組み合わせではないかと思った。「徹子の部屋」で普段は聞き手の黒柳さんが話す立場で、櫻井さんが聞き手なのも新鮮。戦争の話のみならず、黒柳さんがテレビに出始めた頃の話にもなり、とても貴重だと思うので今後も続けてほしい。

BSスペシャル「市民が見た戦乱のガザ〜平和祭典の陰で〜」 NHK

  • ガザからパリへやってきたボクサーは、地上波のニュースでも取り上げられていたが、いかんせん尺が短く、もっと見たいと思っていた。彼のアスリートとしての日々は厳しくはあるが、地に足がついたもので安心した。彼の戦いをテレビで見守る現地の人たちの表情や反応にも、なぜかホッとした。日本の五輪への熱狂が、度を越しているせいだろうか。

ETV特集「昭和天皇 秘められた終戦工作」 NHK

  • 終戦の決断とその後の実行がこんなにも遅れたのは何故なのか。日本は天皇制維持に固執し米国は原子爆弾を使いたかった。結果失われずに済んだ多くの命が犠牲になり天皇の退位はなかった。戦争は始めるよりやめるのが難しいと言われるが世界の現実を見るとうなずくしかない。

新・美の巨人たち Artで願う平和の旅 広島「世界平和記念聖堂」 テレビ東京

  • 「新・美の巨人たち」は「新」が付く前から欠かさず見ています。Artという敷居の高い難解な世界、そして今作については戦争と平和という重いテーマを、平易な語彙と穏やかなナレーションで説いてくれて、美しさとメッセージ性の両立に大満足でした。

ETV特集「無差別爆撃を問う〜弁護士たちのBC級横浜裁判〜」 NHK

  • 終戦後の横浜裁判で無差別爆撃の国際法違反が争われていたことを知らなかった。ちょうどNHK朝ドラ「虎に翼」で原爆裁判がテーマになるころの放送で、とても勉強になった。

NHKスペシャル「“一億特攻”への道〜隊員4000人 生と死の記録〜」 NHK

  • 戦争に勝つための特攻ではなく、降伏するときに有利な条件を引き出すためであり国民の戦意を保つためであったとは、知れば知るほどこの戦争を安全な場所から指導していた者たちが若者の命をなんとも思っていなかった事が浮き彫りになり、只々腹立たしく悲しかった。

タモリステーション「時代を作った!昭和のCMソング50」 テレビ朝日

  • CMはその世相と世代を映す鏡でもあり、時代を少し引っ張っていく様な所もある。CMとCMソングは切っても切れない関係性で、曲を聴くだけで何のCMか、思い出す事が出来るし、また、商品を見ればCMの映像と曲が思い浮かぶもの。今はネット広告の方が主流になり、インパクト重視になっている。テレビCMだけの頃は、CM内容そのものにストーリー性があり、だからこそ、CMが話題になって、CMソングも流行ったんだな、と思った。とても懐かしく番組を見た。

NHKスペシャル「グランパの戦争〜従軍写真家が遺した1千枚〜」 NHK

  • 戦場の悲惨や軍の不条理も迫力があったが、戦後日本の進駐兵向けの公設慰安施設に光が当たったことに大きな価値がある。戦争の多面的な実相は、まだまだ報道され尽くしてはいない。NHKは、旧日本軍の慰安所・慰安婦についても再度特集すべきではないのか。

NHKスペシャル「原爆 いのちの塔」 NHK

  • 被ばくという未知の症状に日夜戦った医療従事者たちと自国の利益のためにかかわった米国の医者たち。その姿は似て非なるものだった。実験都市となった広島に今は核攻撃が現実のものとなって迫っているウクライナの医療者がその対処法を学びに来ているという。世界の指導者たちは過去に学ぶということをしないようだ。

NNNドキュメント’24「アオハルと原発〜私たちの紡ぐ未来〜」 日本テレビ

  • 答えが出ない問題。でも、そこを試してみる。高校生の柔らかさと熱量。従来の原発をめぐる描き方の構図からは、漏れがちな行動を巧みに拾いあげている。温かく見守る描き方も、ここでは是としよう。

NHKスペシャル「体操男子 金メダル 大逆転の舞台裏」 NHK

  • 選手たち5人が励まし合い、声を掛け合う姿がオリンピックでは印象的だった。体操に限らず、他の選手へのリスペクトを表現し、競技に対して真摯に臨み、チームでは高校生の部活動のように仲が良い、今時の若者の行儀の良さ、コミュニケーション力の高さを見た。

NHKスペシャル「氷 その神秘の世界〜映像詩 天塩川〜」 NHK

  • 素晴らしい映像美だった。私たち北国に住む者にとっては厳しい冬だが、氷の世界はまるで生き物のように様々に形を変えていく。しかしここにも地球温暖化の波はやってきて将来は凍らない川になるという。この美しさを記憶にとどめておきたい。

NNNドキュメント’24「戦前リアル」 日本テレビ

  • 昨今言われている戦前という言葉をリアルに突き付けられた。補助金というアメを前に多くの人が米軍基地があるというリスクを真正面から視ずにムチを過小評価しているのか。これは原発問題にも似たものを感じた。

アナザーストーリーズ「ムーミンたちの戦争と平和」 NHK

  • Eテレの「100分で名著」でも取り上げてほしい。ムーミン・シリーズが発するメッセージは今、必要とされるものだと改めて考えさせられた。

クローズアップ現代 シリーズ終わらない戦争 NHK

  • 従来の8月ジャーナリズムからは、漏れていた視点。外国人への視線、優生保護法との共通性など、今につながる問題がそこにはある。まさに「終わらない戦争」が今も続いている。

テレビ千鳥「テストで100点取りたいんじゃ!!」 テレビ朝日

  • 学業は苦手らしい千鳥・大悟さんが小学生レベルの算数の問題を解くという内容。分数を大悟さんなりの謎の「お好み焼きのような物を切っている絵」のようなもので解いていき、驚くべきは自分なりの解釈できちんと問題を解いていける。閃く瞬間などは見ていて痛快だった。大悟さんご本人ご仰っていたのだが、解く時間が無いから方程式などを覚えるのであって、時間さえあれば自由に解いていくことが出来るというのは真理をついているのでは?と思った。

わたしの日々が、言葉になるまで NHK

  • 好きな気持ちをさりげなく匂わせることばについて、小説や漫画を題材としたトークは、作家の金原ひとみさんや朝井リョウさんの鋭いツッコミや名言が飛び出し、興味深い番組でした。朝井リョウさんの「匂わせのフレーズって、受け手を探偵にさせてしまう」は、シチュエーションは異なるものの「本当にそのとおりだな」と感じる出来事があったので、流石だなと思いました。

Gメンバーの推薦番組

情熱大陸「阪神甲子園球場」 毎日放送

  • 阪神園芸を始め甲子園の土に関わる人々のグラウンドに対する強い思いに惹かれて観た。球場に関わる人達の甲子園への深い愛情に心を動かされた。次に甲子園を観るときは裏方で支える人達の事も考えながら観たいと思う。
  • 一つの施設に携わる人たちの特集というのが、いつもとは違う視点でとても面白かった。いつも取り上げられているような、テレビや雑誌で顔や名前を見るような人たちではない、それもよほど詳しい人でない限りは誰なのかも分からない、観ているこちらと変わらない「働いている人」なのだけれど、その仕事を知ることはとても興味深く、またそれぞれに仕事への情熱や甲子園球場への愛を感じた。

だれかtoなかい「田中圭×林遣都」 フジテレビ

  • 田中圭さんが、ドラマを掛け持ちする理由が、集中する為、と言うのがとても驚いた。仲の良い相手として登場した林遣都さんの、田中圭さんへの尊敬と信頼が感じられた。2人の話もとても面白かったが、林遣都さんから司会中居正広さんへの、どうやって気持ちをリカバリーしているのか?という質問に対して、しっかり傷ついて、しっかり癒している、だがそれは誰にも言わない見せない、と言う中居さんの返答が非常に興味深かった。
  • 親友である田中圭さんと林遣都さんの共演時の「この関係性だからこそできるアドリブ、他の人相手には絶対にしない」とか、林さんの人間的魅力を余すところなく見せた番組でした。林さんの飾らない姿勢が引き出したのか、中居さんの仕事へのスタンスまで聞けました。4人の出演者全員が一流であり続ける人は違うと思わされました。

そんな家族なら捨てちゃえば? 関西テレビ

  • ちょっと暗い不思議な雰囲気のドラマで、最初はあまり期待せずに見ていたのですが、家族の秘密と癖の強い登場人物達に惹き込まれてしまい目が離せないです。

ドキュメント72時間「パリ街角のマンガ喫茶で」 NHK

  • マンガ喫茶がパリとなれば、日本の様子とは全く違って明るくてオープンな感じが印象的だった。人気と言われているよく知られたマンガだけでは無く、驚くほどの沢山の日本のマンガが翻訳されて読まれていて、日本人である私も全く知らないマンガばかりで、しっかり日本のマンガが根付いているのを知れた。マンガは縦書きだが、本の開く方向が横書きのフランスと違う為、最初読み方が分からなかった、という話が、思ってもみなかった事だったので、興味深かった。

京都画報「神々を先導する男たち−2024祇園祭・宮本組の熱い夏−」 BS11

  • 絢爛豪華な山鉾に目を奪われがちな祇園祭ですが、中心行事の神輿渡御を支える氏子組織・宮本組の舞台裏に密着。知らないことばかりで興味深かったです。ナビゲーターの常盤貴子さんの天真爛漫な振る舞いと、着物の着こなしが、毎回の楽しみです。

正解は現地で 読売テレビ

  • クイズの「正解」を求めるために、現地まで行って調べるという切り口が面白かった。 なんでもネットで調べて、知った気になっている自分には刺激的な番組で、芸人たちの冒険を応援したくなった。香取慎吾、青山テルマ、ニューヨーク屋敷の3人のMCも息がぴったりでよかった。関西ローカルだけの放送ではもったいない番組。第2弾は、ぜひ全国放送で。

報道ステーション(テレビ朝日)の一連の戦争関連特集

  • 「やわらかくなった」と昨今玄人筋には不評な同番組だが、今年の戦争関連の特集は質量ともに奮闘していたと感じた。五輪に寄せて「戦争に利用されたアスリートたち」、勤労動員で製造した風船爆弾が米で子供を死なせたことを悔やむ「96歳の後悔」…。従来多かった「受難の語り」にとどまらない視点が光っていた。

海のはじまり フジテレビ

  • 主人公目線で物語をどうしても見る癖があり、月岡夏の状況にいつも胸が痛み、熱くなり、見た後にどっと疲れが出るほど感情移入してしまうのは主人公の魅力だと思います。水季の訃報を聞いて自分の娘が生きていると知ってから納骨までの49日の間に180度ひっくり返ることが起こって彼の取り巻く人々とともに、それでも生きていかなきゃいけないという不器用ながら懸命に考え真っ直ぐに生きる彼にずっしりと突然舞い降りた父親としての重積を思うと本当に応援したくなります。

春日ロケーション〜春日プロデューサーの旅番組〜 日本テレビ

  • 鎌倉編の放送を見た。撮影対決のモデルとしての千葉雄大のフォトジェニックぶりは流石!由比ヶ浜でのビーチ対決はめちゃくちゃ面白くて笑いました。

赤い衝撃 BS-TBS

  • 山口百恵&三浦友和の昭和の大ヒットドラマの再放送。懐かしいと言うか、現代ではあり得ない演出と設定が逆に新鮮でどんどん引き込まれました。

(掲載は順不同)