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【今月のダラクシー賞】-「GALAC」2020年12月号

新番組よりも局アナが大事!?
「TBS秋の新番組プレゼン祭 新ドラマの魅力が丸わかり!」
(TBSテレビ 10月11日放送)

桧山珠美

 新型コロナの影響で、連ドラが一時中断したり、予定放送回数を変更したり、てんやわんや。いまだその余波が続いている。
 この秋ドラマも一斉にスタートとはいかないようで、ぼやぼやしていると初回を見逃してしまい、慌ててTverでチェックすることもしばしば。通常ならば毎クール、各局とも視聴者獲得のために、新ドラマ紹介の番組をこれでもか、これでもかと流すのだが、今年ばかりはそれもままならないようだ。
 そんななかにあって、いつもと変わらぬプレゼン番組を用意したTBS。さすがは、前クール、火曜ドラマ「私の家政夫ナギサさん」、金曜ドラマ「MIU404」、日曜劇場「半沢直樹」と人気ドラマを立て続けに送り出し、ノリにノッてるだけのことはある……。
 などと思いながら見てみたら……。なにやら教室風の安っぽいセットにいきなりステーキならぬ、いきなり小峠(バイきんぐ)が担任役で登場。生徒役はTBSの若手アナ5名、副担任として「東大王」「炎の体育会TV」の杉山真也アナ。どうやら、若手アナたちが体を張って新番組の魅力を探るべく現場取材するという趣旨らしい。が、あまりにも経験が浅いということで、「グッとラック!」でおなじみの赤ペン瀧川も助っ人として登場する。
 この感じ、どこかで見たことあるぞと思ったら、まんま、テレビ朝日「しくじり先生」ではないか。いや、もっと遡ればフジテレビ「めちゃイケ」の“抜き打ちテスト”、さらに遡れば、山城新伍が教師役を務めたテレ朝「笑アップ歌謡大作戦」、さらにさらに遡れば、TBS「8時だョ!全員集合」の“国語・算数・理科・社会”だったりするわけだが……。
 赤ペン瀧川はテンポよくドラマの内容を紹介、一言でいうならこの9月でサービス終了した「NEVERまとめ」のような便利なタレントだ。というか、番宣だけなら赤ペン瀧川で充分。
 にもかかわらず、局アナたちが撮影現場に出向き、俳優たちと絡ませるのだが、スイーツに一家言ありだとか、似顔絵が得意だとか、自分たちの特技を披露するのに余念がない。さらに次回、自分も出たいと別の局アナたちが自撮りで特技をプレゼン。“開脚”に“手品”に“サウナ”にと。ドラマのプレゼンはどこへやら、局アナたちの自分プレゼンを延々と見せられる始末。
 身内同士の特技アピールは忘年会でやっとくれ、ということで、公私混同甚だしいTBSのアナウンス部に今月のダラクシー賞を贈る。

~著者のつぶやき~
「笑アップ歌謡大作戦」といえばレツゴー三匹(レッツゴーではありません)。懐かしくて今どうしているのかと調べたら、全員あの世に……。合掌。

★「GALAC」2020年12月号掲載